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携帯電動歯ブラシ人気 口内で転がす円盤形も

携帯用の登場で、電動歯ブラシの売り上げは大幅に伸びています」。福岡市にある天神ロフト販売促進担当の牛嶋典子さんは話す。きっかけは、昨春にパナソニックが発売したコンパクトサイズの電動ハブラシ「ポケットドルツ」。長さ16㌢で持ち運びが楽で、色やデザイン性を重視した結果、女性を中心に人気となった。天神ロフトによると、歯ブラシ以外では、口臭予防に加え、歯の汚れbを落とす「美白」関連商品を購入する人が増加。同店で最も人気があるのは、イシュア(東京)が一昨年3月に発売した「スマイルコスメティック」シリーズのホワイトニングペースト(85ミリリットル、店頭価格税込み1365円。)ポリリン酸ナトリウムなどの洗浄成分が、歯や舌の汚れを浮き上がらせるため、歯ブラシに付けて歯を磨くと除々に効果が出るという。きれいな笑顔は口元から。消費者の関心は虫歯や歯周病の予防や治療だけでなく、美白やアートなど「歯のおしゃれ」にも向いている。歯茎や唾液腺のマッサージで口内の免疫力を高め、口臭や歯周病を改善する「オーラルスパ」(70分1万2800円)や、唇にパックなどでハリや弾力を与える「リップエステ」(20分2940円)などもある。客層は7割が女性で、ほとんどは主婦や会社員。歯の見栄えや口臭を気にして、心から笑えない人も多い。自然な笑顔の秘訣は、口元の健康美です。
 

油断できない口腔がん

口の中にできるがんを口腔(こうくう)がんと呼びます。日本人に多い胃がんや肺がんに比べると、かかる人が少ないので目立ちませんが、高齢化に伴いがん患者が増える中、口腔がん患者も毎年増えています。

 口腔がんは、歯を除く口腔のすべての組織に見られます。口腔がんの中では、舌がんが最も多く、歯肉、頬粘膜、口底、口蓋(こうがい)、口唇そして歯を支える顎骨(がっこつ)にもできます。大小の唾液腺からも唾液腺腫瘍が発現し、がんも混じっています。また、胃がんや肺がんなどが口腔内に転移する場合もあり、油断できません。

 狭い口の中では各組織の粘膜は連続していますので、がんが進むと隣の組織に広がります。歯肉にできたがんは頬や口底へ、さらに舌にも広がり、歯肉に覆われている顎骨の中へも入っていきます。また、口腔がんは、初めてできた部位の大きさにかかわらず、頸部(けいぶ)のリンパ節や肺などに転移することがあります。

 進行したがんは治療範囲も大きくなり、食べる、飲み込む、話すなどの口腔機能が著しく損なわれます。さらに、顔貌も変わり、精神的負担が加わります。

 皆さんは洗顔時に鏡に映る自分の顔を、歯磨きの時には口を見るでしょう。しかし、口の奥まではのぞかないものです。口腔がんは直視でき、指で触ることができるのに、残念ながら早期に発見されないことが多いのです。

 口の中にがんができることを知らないと、がんの初期は痛みがないため気付くのが遅れます。歯肉がんで変化に気づいても歯周病と思い、粘膜が腫れて義歯で傷がついても義歯のせいにしてしまいます。舌がんでは、舌が腫れて話しづらくなり、食べにくくなってから異常に気付きます。

 口腔ほど毎日の生活でいろいろな刺激を受ける場所はありませんが、傷ついても治りやすく、たくましい組織です。だからこそ良いときも、ちょっと悪いときも口の中をのぞき、色の変化や腫れなどが見られたら放置しないでください。2センチ以下の早期口腔がんは、がんが治った場合は、治療開始から5年後の生存率が90%以上です。早期発見、早期治療が重要です。

毎日新聞社 11月28日(月) 配信

アルツハイマー病原因タンパク質 かみ合わせ悪いと増殖

岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)と江国大輔助教(同)らの研究グループは、歯のかみ合わせに異常があると、アルツハイマー病の原因といわれるタンパク質「アミロイドβ」が脳の海馬で増殖することを、ラットによる実験で突き止めた。認知症の一種であるアルツハイマー病の予防や治療につながる成果として注目される。米神経科学誌の9月号に掲載された。国内におけるアルツハイマー病の推計患者数は約100万人。高齢社会により、今後も患者数が増えると予測されている。かみ合わせが悪いと、ヒトでも認知症が悪化する可能性が高い。脳神経分野の医師らと連携し、治療や悪化予防に成果を役立てたい。
           山陽新聞 2011.9.16

歯磨きの基本

歯を失う主な原因はむし歯と歯周病。とくに歯周病は、痛みなどの自覚症状がほとんどないだけに、気づいた時は、すでに歯を保てない状態ということも少なくありません。歯周病の予防に欠かせない歯みがきの基本を、旭川保健所の渡邊さんに教えてもらいました。
・歯磨きは、力を入れすぎず、小刻みに動かす
・歯ブラシはブラシの部分が小さめの方が、細かいところまで磨きやすい
・歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、歯の裏側、奥歯の噛み合う面などが磨き残しやすい
(歯周病ケア普及歯科健診)
 旭川市保健所は、満30、40、50、60,70歳の市民を対象に行っています。料金は、500円健診は市内の医療機関で実施しています。問い合わせは旭川市保健所健康推進課健康推進係(℡0166‐26‐1111 内2951)
            ライナーネットワーク 11月8日

歯石除去で心血管イベントのリスクが低下

口腔の衛生状態と心血管疾患のリスクには関連があることが知られており、歯磨きの励行は心血管イベントのリスクを低下させることが最近報告されている。

 そこでChen氏らは、予防歯科処置として行われる歯石除去と心血管疾患リスクの関連について、台湾の国民健康保険データベースから抽出した1995~2007年の住民コホートのデータを利用して、後ろ向きに解析した。

 解析対象は、過去に歯石除去を少なくとも1回受けたことのある5万1108人(歯石除去群)と、歯石除去を受けたことがない5万1512人(非除去群)。両群ともに心筋梗塞および脳卒中の既往がなく、歯石除去群と非除去群で年齢、性別、合併疾患を適合させて登録した。

 平均7年間の追跡期間中、急性心筋梗塞(AMI)は歯石除去群で226例(0.44%)、非除去群で281例(0.55%)発生した。非除去群を対照とした歯石除去群におけるAMI発症のハザード比(HR、性・年齢・高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性腎臓病の有無で調整後)は0.79(95%信頼区間[CI]:0.66-0.94、P<0.05)で、歯石除去は独立したリスク低下因子と考えられた。またKaplan-Meier法によるAMI回避率も、歯石除去群の方が有意に良好だった(Log Rank P=0.027)。

 脳卒中の発生は、歯石除去群1168例(2.27%)に対して非除去群1312例(2.57%)。歯石除去群の多変量調整後HRは0.87(95%CI:0.80-0.94、P<0.05)で、AMIと同様に独立したリスク低下因子となった。Kanlan-Meier法による脳卒中回避率も、歯石除去群の方が有意に良好だった(Log Rank P=0.004)。
(日経メディカル別冊編集)

飲食物の酸で歯が溶ける「酸蝕歯」

ジュースや栄養ドリンク、ワインや柑橘類などに含まれる「酸」によって、
歯質が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」の患者が増えているという。 
う蝕は細菌が作り出す酸によるが、酸蝕歯は飲食物の酸によって歯質
が溶ける。エナメル質が溶け象牙質が透けて黄色く見えたり、歯の先
端がひび割れ、咀嚼機能が低下したりする。冷水痛など知覚過敏の症
状が出ることもある。「ワインなど酸性の飲み物をチビチビと長時間
にわたって飲むと、歯が酸にさらされる時間が長くなり、酸蝕歯のリス
クが高くなる。食べ方、飲み方が問題になってくる」大阪府歯科医師会
産業歯科保健対策推進室室員を務める中道哲歯科医師は警告する。
その症例として、健康維持のため毎晩、黒酢を飲んでいた40代の男性
は、上顎前歯の口蓋側が溶けて薄くなり、酸蝕歯と診断された。黒酢を
飲んですぐ寝るという生活習慣の他に、前歯で舌をかむ癖があったこ
とも歯の摩耗を進行させたという。もう一人は、奥歯の冷水痛による
知覚過敏の症状を訴えた60代の男性。酢の物が大好物で、歯を食いし
ばる癖があった。
「酸にさらされたエナメル質は一時的に柔らかくなるので、摩耗を避ける
ため歯磨きは20~30分後にして、歯の再石灰化を促すようフッ素入り
の歯磨き剤でややソフトにブラッシングしたり、飲食後に水で口をすす
いだりするのもよい。食いしばりなどの癖をやめる方がよい。」 

口呼吸③ 口輪筋 生活の中で鍛錬

口呼吸がすぐに治る方法というものはなく、原因によっては治すのが容易ではないものがあります。例えば、鼻炎などで鼻づまりが続いて起こる口呼吸は、耳鼻科で治療を受ければ大幅に改善することができます。しかし、歯のかみ合わせが問題で口呼吸になっている場合、特に口の周りの筋肉(口輪筋)を緊張させないと口を閉じた状態を続けられないならば、歯の位置を移動させる必要があります。こうした歯の矯正には若年者なら可能ですが、中高年者には難しく、口呼吸を治すのは容易ではありません。誰もが実践できる口呼吸を改善する方法は、口輪筋を鍛えることです。専用の治療器具も市販されていますが、日常生活の中で手軽に口輪筋を鍛錬する方法もあります。まず、食事の際は正しい姿勢で口を閉じたまま、1口30回程度は両側の歯で均等にかんで食べましょう。また、1日2回は口を閉じたまま、15分ほどキシリトールガムをかむことをおすすめします。
           北海道新聞 2011.11.16

口乾き舌にやけど感 最も多い原因はストレス

Q 48歳女性。口内全体がいつも乾いた感じになりました。口の中が狭くなったようで、頬の両側の肉をかむようになりました。舌もいつもやけどしたような感じです。どうしたらよいでしょうか。

<回答> 北海道医療大学病院口腔外科 安彦義裕さん
 口内の乾きというと唾液量の減少と考えがちですが、実は乾きを訴える方の7割近くは唾液量に問題はありません。一般的に唾液量は15分間で1.5ミリリットル以上、またガムをかむと10分間で10ミリリットル以上出ます。唾液が減る病気には、さまざまあり、代表的なのがシェーグレン症候群です。女性に多く、唾液と涙の量が減ります。唾液量が減ると、舌の上でカンジダ菌が増えて痛みを引き起こすことがあります。しかし、お口の乾きを訴える方でシェーグレン症候群の可能性は1割以下に過ぎません。それ以外では、薬の影響による場合もありますが、最も多いのがストレスです。更年期を迎える年齢だと、ストレスへの対処が不得意になっていることもあります。カンジダ菌以外で舌に痛みを引き起こす病気に舌痛症がありますが、これもストレスが原因のことが多く、やけどをしたような感覚を引き起こします。多くの場合、お口の中にものをいれておくと症状の和らぐのも特徴です。
           北海道新聞 2011.11.2

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