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同意なしに30人の乳歯抜歯…健診で学校歯科医

兵庫県某市教育委員会は13日、同市立小(849人)で6月にあった定期歯科健診で、学校歯科医を務める40歳代の男性歯科医が、保護者の同意なしに児童30人の乳歯を抜いていたと発表した。

 歯科医は「グラグラしていたので、永久歯への生え替わりがスムーズに進むように行った」と説明。ただ、健診では、歯を抜く医療行為は想定しておらず、市教委は「違法ではないが、不適切だった」としている。

 発表では、健診は全児童を対象に6月14、15日、保健室で行われ、歯科医は2~6年の30人を抜歯。同15日に保護者の1人から同小に連絡があり、発覚した。

 歯科医は10年前から同小の学校歯科医を務め、「軽率だった」として6月16日付で学校歯科医を辞職。これまでは同様の行為はしていないと説明したという。

SASの口腔内装置指針で草案公開

日本睡眠歯科学会はこのほど、「閉塞性睡眠時無呼吸症に対する口腔内装置に関する診療ガイドライン」の2017年改訂版(案)を学会ホームページで公開した。口腔内装置の使用や下顎を前方移動させる口腔内装置(OA)の使用いずれについても、弱く推奨する。2013年に刊行された同ガイドラインでは、クリニカルクエスチョン(CQ)として、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対するOA治療の有用性を問う1問のみを設定し、グレード1B(強い推奨)としていた。2017年の改訂版案では、下顎を前に移動させるOAに関するCQを追加。OAで使用される装置の形態は多様だが、日本では下顎を前方に移動させる一体型の装置が普及しており、学会として標準的な装置作製法を示す必要があるなかで、まずは前方移動型の装置を検証することになったという。

歯ぎしり

寝ている時の歯ぎしり、気になりますよね。
自分がしていなくても、同室の人がしていると耳について
なかなか寝付けなかったり、自分もしているのではないかと心配になります。

◎歯ぎしりの原因は?
ストレス:
歯ぎしりをすると「大脳にストレスが溜まっている」と
伝わりにくくなり、ストレス解消になるため歯ぎしりをします。

噛み合わせ:
「噛み合わせが悪いと歯ぎしりをする」や「噛み合わせは
絶えず変わるので歯ぎしりによって調整している」など
いわれますが、噛み合わせが歯ぎしりの原因だという
科学的根拠はないという説もあります。

筋肉の緊張:
日中噛みしめていることにより咀嚼筋は強張っています。
それをほぐすために歯ぎしりを行っています。


◎歯ぎしりの種類は?
クレンチング:
上下の歯を強く噛みしめるタイプ。
本人も周りも気づかない場合が多いのですが、
起きた時、顎が痛いなどの症状が表れます。

グライディング:
上下の歯を横にこすり合わせるタイプ。
ギリギリと音が出るので気づくことが多いです。

タッピング:
上下の歯を小刻みにぶつけ合うタイプ。
カチカチと音がします。

TCH:
噛み締め。起きている時に起こるタイプ。
通常上下の歯は2~3mmの隙間がありますが、
集中している時、ストレスがある時に上下の歯を噛んでいる状態です。


◎歯ぎしりの治療は?
スプリント:
自分の歯にあったマウスピースを作り、睡眠時に装着します。

薬物療法:
筋肉の緊張を和らげる薬や精神面に効果のある薬を服用します。

枕の高さ:
枕が高いと上下の歯が咬んでしまうので適切な高さにします。

「疲れ」は肉体的精神的ストレスに繋がり、
ストレス発散のための「アルコール(飲酒)」が
浅い睡眠の原因となり、ストレスを引き起こし
歯ぎしりの原因になってしまいます。

硬いものやガムなどを噛むと歯ぎしりによるストレス発散効果と
同様の効果が期待できるため、歯ぎしりの予防に繋がります。

日頃からストレスを溜めない、ストレスを強く感じないことを心がけ、
食事の栄養バランスに気を付けて規則正しい生活を送るようにすることが
歯ぎしりの予防にとって大切なことになります。

終末期、緩和ケア重視 積極治療から転換、学会で相次ぐ

終末期や老衰の患者への積極的な治療を控えることに言及した指針や提言を、亡くなる人が多い肺炎や心不全の専門学会が相次いで発表している。患者本人の意思や生活の質(QOL)を重視する考えの浸透や、高齢化が背景にある。ただ、助かる見込みがないかどうかの判断は高齢者では難しいことが多く、助かる人に必要な治療がされないことへの懸念も聞かれる。

 日本呼吸器学会は4月に肺炎の新たな診療指針を発表した。老衰状態の患者などには、肺炎治療の基本となる抗菌薬(抗生物質)を積極的に使うよりも、苦しみを取る緩和医療を優先する選択肢を新たに加えた。

 肺炎はがん、心不全を含む心疾患に次いで日本人の死因の第3位。基本的に抗菌薬で治るが、老衰やがんなどの病気が末期で、誤嚥(ごえん)性肺炎になりやすい状態の人は、腎障害などの副作用が高い頻度で現れたり、再発を繰り返したりする。

 指針では、介護を必要とする高齢者などの場合、誤嚥性肺炎を繰り返すリスクや、持病が末期ではないかをまず判断し、該当すれば「個人の意思やQOLを考慮した治療・ケア」を選ぶことにした。指針の作成委員長の河野茂・長崎大副学長は「抗菌薬で治らない状態の人にも最大限に治療するのが従来の考えだが、かえって患者を苦しませる恐れがあった」と話す。

 日本心不全学会も昨秋まとめた提言で、75歳以上の慢性心不全を「がんと同様に死に至る悪性病態」と強調。終末期には入院して強心剤を使い続ける治療を見直し、患者の意思決定の支援や緩和ケアを中心とする指針を盛り込んだ。

米国での誤嚥性肺炎による入院は減少傾向

 2002~2012年の間に米国での誤嚥性肺炎による入院数が低下したことが、「Annals of the American Thoracic Society」6月1日号に掲載の研究で報告された。

 この研究は、米ヤコビ医療センター(ニューヨーク市)のChao-Ping Wu氏らが、2002~2012年の米国内における誤嚥性肺炎の傾向を報告したもの。同氏らは全米入院患者標本データベースを用い、誤嚥性肺炎のため入院した患者406,798例のデータを対象とし、発生数、院内死亡率、入院期間、および総入院費用の傾向を調査した。

 患者の20.7%は65歳未満、79.3%は65歳以上であった。1万人あたりの誤嚥性肺炎の全発生数は、2002年の8.2例から2012年には7.1例へと低下し、院内死亡率は18.6%から9.8%へと低下した。65歳以上の患者での1万人あたりの発生数は40.7例から30.9例へ、院内死亡率は20.7%から11.3%へと低下した。総入院費用の中央値は、65歳未満、65歳以上の両群ともで上昇した。65歳以上であること、非教育病院での治療は、院内死亡の独立した予測因子であった。

 「高齢化する米国人集団において、地域社会で誤嚥性肺炎の予防戦略を実施する必要がある」と、著者らは結論している。

北海道障害者歯科臨床研究会からのお知らせ

ファイル 4598-1.pdf

朝日大学 玄教授の講演が7月1日に開催されます。詳細は、参照を参考にしてください。

歯周病菌のAD様病態誘発原因酵素発見

九州大学は6月22日、歯周病原因菌のジンジバリス菌(Pg菌)の菌体成分リポ多糖(LPS)を全身に慢性投与することにより誘発されるアルツハイマー様病態の原因酵素がリソソーム酵素「カテプシンB」であることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院歯学研究院の武洲准教授と中西博教授らの研究グループによるもの。研究成果は「Brain, Behavior, Immunity」に掲載されている。

 近年、重度歯周病の罹患と認知機能低下との相関性が報告され、アルツハイマー病患者の脳内でPg菌LPSが検出されていた。このため、Pg菌が脳炎症を引き起こし、認知症の悪化を招くと考えられているが、詳細なメカニズムはわかっていない。

 研究グループは、若年・中年の野性型マウスと、炎症反応に関与することが知られているカテプシンBの欠損マウスを用い、全身投与したPg菌LPSが学習行動や脳炎症に及ぼす影響を解析した。その結果、Pg菌LPSを全身に慢性投与した中年マウスでは、ミクログリア活性化による脳炎症、アミロイドβ(Aβ)のニューロンにおける産生・蓄積ならびに学習・記憶能力低下などアルツハイマー様病態を発症することが判明。若齢マウスでは、このようなアルツハイマー様病態を示さなかったという。さらに、遺伝子欠損マウスを用い、カテプシンBがPg菌LPSの全身への慢性投与により誘発されるアルツハイマー様病態に関与する原因酵素であることも明らかになったという。

 今回の研究により、カテプシンBは、歯周病から脳への炎症シグナル伝達に関与していることが明らかとなった。歯周病の予防治療に加え、カテプシンB特異的阻害剤は歯周病によるアルツハイマー病の発症と症状悪化を阻む可能性があり、経口投与可能なカテプシンB特異的阻害剤の開発が期待される、と研究グループは述べている。

九州スポーツ医歯学研究所 一般社団法人に認定 アスリートの口腔管理推進

マウスガード(MG)の装着でかみ合わせを調整して、体幹やバランス感覚の改善の効果を調べる「九州スポーツ医歯学研究所」(近藤剛史代表理事)が設立3年目を迎え、一般社団法人に認定された。今後は、アスリートや指導者に口腔(こうくう)管理の重要性を広めて、スポーツ歯科についての認定制度などを活用した普及啓発が課題となる。

 研究所は2015年に九州で初めて開設した。各種スポーツ大会の会場で相談ブースを設置してアスリートへの情報提供、大学での講義や研究会での症例研究などでスポーツ歯学の普及や底上げをしている。

 この2年間でサポートする選手も増えており、リオデジャネイロオリンピックのテコンドー日本代表の浜田真由選手や同パラリンピック陸上日本代表の中西麻耶選手の他、野球やモータースポーツ、格闘技など幅広い種目となっている。

 近藤代表理事は「スポーツ歯科チームはアスリートが最大限の力を発揮できるように側面的に支援するのが目的」と強調する。今後の課題として、若い選手へのスポーツ歯科の普及を挙げ、「世界で活躍する選手を育てるには、若い時から口腔管理の意識を持つことが重要。ジュニア世代の指導者に理解を深めてもらう活動をしていきたい」と話した。

 MGは歯を覆うように装着する。競技中のけがの予防の他、かみ合わせを調整して下顎の位置を安定させることでパフォーマンスの向上にもつながるとされる。アスリート用MGは競技の特性やかみ合わせに応じて専門の歯科医院で作るのが望ましい。バランス感覚の改善は、日常生活の動作改善や転倒防止に役立ち、高齢者の介護予防への応用も期待されている。

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