弘前大学とカゴメ(本社名古屋市)の共同研究グループは、野菜に多く含まれる抗酸化物質「カロテノイド」と歯周病の関係を調べ、血液や皮膚に含まれるカロテノイドの値が高い人ほど、歯周病にかかる割合が低いことを明らかにした。
研究は、弘大が進める「岩木健康増進プロジェクト」のデータを活用し、2022年の健診に参加した成人456人を対象に実施。かみ合わせが正常な人を対象とし、年齢や性別、喫煙や飲酒、食習慣、歯磨き習慣などの影響を考慮した上で解析した。血液中のカロテノイド濃度に加え、野菜の摂取量の目安を測る機器「ベジチェック」を使って皮膚のカロテノイド量も測定し、歯周病の有無との関連を分析した。
その結果、カロテノイド量が最も多いグループは、最も少ないグループと比べて歯周病の有病率が明らかに低かった。特に血中では、ルテインやリコピンといったカロテノイドの成分で差が確認され、これらの成分が歯周病予防に関わっている可能性が示された。
さらに、複数の要因の因果関係を推定する「ベイジアンネットワーク解析」では、生体内のカロテノイドが口腔(こうくう)内の炎症や細菌バランスの乱れを抑える方向に働き、歯周病の予防につながる可能性があることも示された。
歯周病は日本人成人の約半数がかかっているとされる身近な病気で、歯を失う大きな原因の一つ。さらに近年は、心臓や血管の病気など全身の健康にも影響することが指摘されている。
弘前大の村下公一副学長(健康未来イノベーション研究機構長)は「歯の健康は認知症や糖尿病などさまざまな疾患との関係も明らかとなっている。これまで以上に歯の健康づくりの重要性を啓発することで、市民の健康増進に役立つものと期待される」と語った。またカゴメ食健康研究所の山内俊敬・所長付は「ベジチェックを通じて、さらなる健康社会の推進に貢献したい」と話した。
研究成果は1月28日、国際学術誌「Nutrition Journal」に掲載された。