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口呼吸③ 口輪筋 生活の中で鍛錬

口呼吸がすぐに治る方法というものはなく、原因によっては治すのが容易ではないものがあります。例えば、鼻炎などで鼻づまりが続いて起こる口呼吸は、耳鼻科で治療を受ければ大幅に改善することができます。しかし、歯のかみ合わせが問題で口呼吸になっている場合、特に口の周りの筋肉(口輪筋)を緊張させないと口を閉じた状態を続けられないならば、歯の位置を移動させる必要があります。こうした歯の矯正には若年者なら可能ですが、中高年者には難しく、口呼吸を治すのは容易ではありません。誰もが実践できる口呼吸を改善する方法は、口輪筋を鍛えることです。専用の治療器具も市販されていますが、日常生活の中で手軽に口輪筋を鍛錬する方法もあります。まず、食事の際は正しい姿勢で口を閉じたまま、1口30回程度は両側の歯で均等にかんで食べましょう。また、1日2回は口を閉じたまま、15分ほどキシリトールガムをかむことをおすすめします。
           北海道新聞 2011.11.16

口乾き舌にやけど感 最も多い原因はストレス

Q 48歳女性。口内全体がいつも乾いた感じになりました。口の中が狭くなったようで、頬の両側の肉をかむようになりました。舌もいつもやけどしたような感じです。どうしたらよいでしょうか。

<回答> 北海道医療大学病院口腔外科 安彦義裕さん
 口内の乾きというと唾液量の減少と考えがちですが、実は乾きを訴える方の7割近くは唾液量に問題はありません。一般的に唾液量は15分間で1.5ミリリットル以上、またガムをかむと10分間で10ミリリットル以上出ます。唾液が減る病気には、さまざまあり、代表的なのがシェーグレン症候群です。女性に多く、唾液と涙の量が減ります。唾液量が減ると、舌の上でカンジダ菌が増えて痛みを引き起こすことがあります。しかし、お口の乾きを訴える方でシェーグレン症候群の可能性は1割以下に過ぎません。それ以外では、薬の影響による場合もありますが、最も多いのがストレスです。更年期を迎える年齢だと、ストレスへの対処が不得意になっていることもあります。カンジダ菌以外で舌に痛みを引き起こす病気に舌痛症がありますが、これもストレスが原因のことが多く、やけどをしたような感覚を引き起こします。多くの場合、お口の中にものをいれておくと症状の和らぐのも特徴です。
           北海道新聞 2011.11.2

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