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生活保護にメス、「医療機関への指導強化を」

行政刷新会議ワーキングループの「提言型政策仕分け」の最終日の11月23日、生活保護がテーマになり、医療扶助費の適正化のために、生活保護の指定医療機関に対する指導強化のほか、後発医薬品の利用促進や利用の義務付け、償還払いを前提とした一部自己負担導入などを検討すべきだと指摘。さらに、「医療機関のモラルハザードが大きいことから、その実態把握の仕組みを構築し、不適切な医療を行っている医療機関は、生活保護の指定を外すなど厳格な対応を行うべき」とされ、医療機関に対し厳しい提言がなされた(資料は、行政刷新会議のホームページに掲載)。

 生活保護費は2011年度当初予算で3兆4235億円、うち約半分を医療扶助費が占める。医療扶助の場合、患者の自己負担はゼロであり、財務省は、「全額税負担で自己負担が一切ないため、患者と医療機関の双方にモラルハザードが生じやすいことを踏まえ、後発医薬品の促進など生活保護医療の適正化を強化すべき」と問題提起した。


仙谷由人・政調会長代行は、生活保護の指定医療機関はモラルハザードを起こしている現状を問題視。

 特に現行の仕組みを問題視した一人が、仙谷由人・政調会長代行。「知り合いの良心的な病院経営者によると、医療機関の経営では未払いの問題が大きい。しかし、生活保護に限っては国が全額支払うので、経営上はこれほどいいものはない、とのことだった」と説明。その上で、「モラルハザードを起こしているのは、患者よりも医療機関、というのが直観」とし、電子レセプトなどを活用し、生活保護の指定医療機関に対する調査等を充実すべきだとした。

 慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏も、「いまだに過剰受給、不正受給の問題が時々出ている。これらを減らすことができれば、税金をより有効に活用できる」と指摘、医療扶助の適正化を求めた。

飲食物の酸で歯が溶ける「酸蝕歯」

ジュースや栄養ドリンク、ワインや柑橘類などに含まれる「酸」によって、
歯質が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」の患者が増えているという。 
う蝕は細菌が作り出す酸によるが、酸蝕歯は飲食物の酸によって歯質
が溶ける。エナメル質が溶け象牙質が透けて黄色く見えたり、歯の先
端がひび割れ、咀嚼機能が低下したりする。冷水痛など知覚過敏の症
状が出ることもある。「ワインなど酸性の飲み物をチビチビと長時間
にわたって飲むと、歯が酸にさらされる時間が長くなり、酸蝕歯のリス
クが高くなる。食べ方、飲み方が問題になってくる」大阪府歯科医師会
産業歯科保健対策推進室室員を務める中道哲歯科医師は警告する。
その症例として、健康維持のため毎晩、黒酢を飲んでいた40代の男性
は、上顎前歯の口蓋側が溶けて薄くなり、酸蝕歯と診断された。黒酢を
飲んですぐ寝るという生活習慣の他に、前歯で舌をかむ癖があったこ
とも歯の摩耗を進行させたという。もう一人は、奥歯の冷水痛による
知覚過敏の症状を訴えた60代の男性。酢の物が大好物で、歯を食いし
ばる癖があった。
「酸にさらされたエナメル質は一時的に柔らかくなるので、摩耗を避ける
ため歯磨きは20~30分後にして、歯の再石灰化を促すようフッ素入り
の歯磨き剤でややソフトにブラッシングしたり、飲食後に水で口をすす
いだりするのもよい。食いしばりなどの癖をやめる方がよい。」 

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