免疫細胞にがん細胞を攻撃する力を持たせる「がん免疫療法」の治療効果を高める可能性がある新しい腸内細菌が見つかった。
国立がん研究センターなどのチームが7月14日付けの英科学誌ネイチャーに発表した。この細菌は日本人の約2割が保有している。患者に口から投与することで治療薬が効きやすくなることが期待され、企業と臨床応用の検討が始められているという。
チームは、がん免疫療法を行なった胃がんや肺がんの患者計70人の分析をした。薬がよく効いた人の便には、あまり効かなかった人に比べて特定の細菌が多く含まれていることが分かり、この細菌を「YB328」と名付けた。
同センターの西川博嘉 分野長は「この細菌は健康な人の体内にもいるので、安全だと考えられる。次世代のがん免疫療法への応用が期待される」と話されている。
【メディファクス】