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入院患者の口腔チェック 治療の仕組み考え 病院で調査 岩手・宮古歯科医師会

宮古市の県立宮古病院(菅野千治院長)に入院する患者の口腔(こうくう)状態をチェックし、速やかな治療の仕組みを考えるための検診調査を、宮古歯科医師会(倉田英生会長)が始めた。

 歯科のない同病院と歯科医との連携を目指す宮古保健所の委託事業。16日は同歯科医師会の及川穣医師ら2人が手分けして病室を回り、「歯の具合はどうですか」などと声を掛けて検診した。

 患者側からは「痛くて入れ歯を外しているが、どうしたらいいか」といった相談も。及川医師は「思ったより口の中がきれいだ。病院スタッフのケアがしっかりしている。しかし、状態の悪い患者については病院と歯科医がばらばらではいけない」と話し、連携の必要性を指摘した。2010年6月17日 提供:毎日新聞社

歯磨きの頻度が少ないほど心血管リスクが上昇

1日の歯磨きの回数が1回未満の人は、2回の人に比べて心血管イベントリスクが1.7倍―。そんな研究結果を、英University College LondonのCesar de Oliveira氏らがBMJ誌電子版に2010年5月27日に報告した。

 歯周病と心血管疾患の関係に対する興味は高まっている。歯周病は口腔衛生状態が悪い患者に発生する慢性の炎症だ。これまでに行われた疫学的な研究は、歯周病と診断された患者の心血管リスクを評価していたが、いずれも小規模だった。

 そこで著者らは、研究の規模を大きくするために、自己申告による歯磨きの回数を歯周病の代替として、心血管疾患との関係を調べることにした。同時に全身性の炎症マーカーであるCRP値、血液凝固能(フィブリノーゲン値)と心血管イベントの関係も調べた。

 分析対象に選んだのは、Scottish Health Surveyに登録されているデータ。ここには、スコットランドの一般住民を代表する人々から、3年から5年おきに収集した人口統計学的データと生活習慣に関する情報(喫煙歴、身体活動量、口腔衛生状態など)が登録されている。今回は35歳以上の男女で、総入れ歯ではなく、心血管疾患の既往がない1万1869人(平均年齢50歳)を選び、1995年、98年、03年のデータを入手した。

 口腔衛生状態に関する調査は、1日の歯磨き回数が2回、1回、1回未満から選択するようになっていた。

 心血管イベントの有無は、入院と死亡に関するデータベースに07年12月までに登録された情報に基づいて判断した。

 主要エンドポイントは、非致死的心血管イベントと心血管死亡を合わせた複合イベントに設定。Cox比例ハザードモデルを用いて複合イベントのリスクを推定した。調整は、年齢、性別、社会経済学的状態、喫煙歴、身体活動量、歯科受診頻度、BMI、心血管疾患の家族歴、高血圧歴、糖尿病歴について行った。

 全体に口腔の衛生状態は良好だった。62%の患者が少なくとも6カ月おきに歯科を受診しており、71%が1日に2回歯磨きをしていた。

 追跡期間の平均は8.1年で、その間に555件の心血管イベントが発生。うち心血管死亡は170件だった。心血管イベントの74%(411人)は冠疾患だった。イベントを経験した人々のベースラインの平均年齢は57.0歳、イベント無し群の平均年齢は49.6歳だった(P<0.001)。

 口腔衛生状態不良群(歯磨きが1日1回未満、538人)では、口腔衛生状態良好群(歯磨きが1日2回、8481人)に比べ、心血管イベントリスクが有意に高かった。イベント発生はそれぞれ59件と308件で、調整ハザード比は1.7(95%信頼区間1.3-2.3、P<0.001)となった。歯磨きが1日1回のグループ(2850人、イベント発生は188件)にもリスク上昇が見られた。調整ハザード比は1.3(1.0-1.5)。

 心血管死亡のみについて、口腔衛生状態不良群の調整ハザード比を求めたところ、リスク上昇傾向が見られたが、差は有意ではなかった(1.5、0.9-2.6)。

 なお、血液標本が採取できた4830人について、口腔衛生状態と全身性の炎症マーカーの関係を調べた。口腔衛生状態不良群のCRP値の平均は4.18mg/Lで、口腔衛生状態良好群の3.07mg/Lとの差は有意だった(一般線型モデルを用いた回帰分析の回帰定数βは0.04、0.01-0.08)。フィブリノーゲン値についても同様で、衛生状態不良群は2.98g/L、良好群は2.86g/Lだった(βは0.08、-0.01から0.18)。これらは、年齢、性別、社会経済学的状態、喫煙歴、歯科受診頻度、BMI、心血管疾患の家族歴、高血圧歴、糖尿病歴と、急性感染症(インフルエンザ、肺炎など)で調整した推定値だ。

 さまざまな交絡因子候補で調整しても、口腔衛生状態不良群の心血管リスク上昇は有意だった。衛生不良群には軽度炎症も認められた。

 著者らは、口腔の衛生状態が心血管リスク上昇を直接引き起こすのか、それともリスク上昇のマーカーなのかを今後明らかにする必要がある、と述べている。

 原題は「Toothbrushing, inflammation, and risk ofcardiovascular disease: results from Scottish Health Survey」2010. 6. 15
BMJ誌

歯治療の2歳女児死亡 埼玉、のどに脱脂綿

埼玉県新座市東北2丁目の歯科医院「にいざデンタルクリニック」で13日、同市の女児(2)が治療中に脱脂綿をのどに詰まらせ、病院に運ばれたが14日午前6時半ごろ死亡した。
新座署は窒息死とみて、遺体を司法解剖して詳しい死因を調べるとともに、業務上過失致死の疑いもあるとして関係者から事情を聴いている。
クリニック側代理人と同署によると、女児は13日、自宅で転倒して上の前歯が抜けそうになり、クリニックを受診。治療中に女児がむずかって頭を動かしたため、上唇と前歯の間に挟んでいた直径7ミリ、長さ2・5センチの円筒状脱脂綿1本が外れ、気管に入った。
治療をしていた女性歯科医(37)が吸引装置で除去しようとしたが取り出せず、女児が息苦しそうな様子だったため救急隊を呼んだという。
部分麻酔をして、いったん抜歯してから元通りに固定する治療中で、女児が暴れないよう母親が抱いた状態で診療台に座り、助手3人が頭や手足を押さえていた。
脱脂綿は唾液(だえき)を吸い取るためのもので、代理人によると、歯科医は「まさか(脱脂綿が)落ちるとは思わなかった」と話しているという。
2010年6月15日 提供:共同通信社

第5回地域医療支援病院 医療機関職員研修会

演題名「コミュニケーションエラーと感染対策の基本」
日時:平成22年6月26日(土) 午後2時~
場所:旭川赤十字病院 2階 講堂
   旭川市曙1条1丁目
参加対象:旭川市及びその近郊の医療機関職員(職種不問)
定員:150名(定員になり次第締め切り)
参加費:無料
 受講希望の方は、申込専用ファックスにてお願いします。
 ファックス 0166-22-8287

犬も口腔ケア

犬の長寿・高齢化や飼い主の健康意識の高まりに伴い、口腔ケアへの関心が高まっている。適切な手入れをすることで、歯周病や内臓疾患を予防でき、共に触れ合う機会にもなる。6日には、札幌市内で犬の歯磨き教室が開かれ、飼い主が正しいケアを学んだ。
(正しいケア)
①口を触ることに慣らす
 褒めることで口を触る=楽しいことを覚えさせる
②ガーゼで歯をこする
水でぬらしたガーゼを人差し指などに巻いて行う
③ブラシで歯を磨く
 大きさは、犬の前歯2,3本程度で、柔らかい毛が良い。
                北海道新聞 2010.6.13

白い歯になるためのオキテ 日常生活編

①食事は規則正しくバランスよく
②水はこまめに飲む
③楽しくコミュニケーションを心がける
④口ではなく、鼻で呼吸を
⑤歯磨きは手作業で丁寧に
⑥甘いものやファーストフードは控えめに
⑦ワインやコーヒーの後は5分以内に応急磨きを
⑧身体と口を積極的に動かす

白い歯になるためのオキテ 食べ物・飲みもの編
(口の中を浄化するもの)
ミネラルウオーター、ヨーグルト、リンゴ、はちみつ、ハーブティー
(唾液を出すもの)
シュガーレスガム、ナッツ・ドライフルーツ、酸っぱいもの、するめ・さきいか
(歯ぐきの老化を防ぐもの)
ビタミンCが豊富なもの
コラーゲンが豊富なもの

交通事故死、半数が高齢者

内閣府は6月11日、2010年版の「交通安全白書」を発表した。昨年1年間の交通事故による死者4914人のうち、約半数に当たる2452人が65歳以上の高齢者だった。内訳は、75歳以上が1538人、65-74歳が914人。
 また、人口10万人当たりの死者数を見ると、全年齢平均が3.85人だったのに対し、65-74歳が6.09人、75歳以上が11.63人。

 高齢の交通事故死者を状態別に見ると、歩行中が1202人(49.0%)で最も多く、以下は自動車乗車中592人(24.1%)、自転車乗用中445人(18.1%)、原動機付自転車乗車中157人(6.4%)、自動二輪車乗車中45人(1.8%)と続いた。

■70歳以上の免許自主返納は4万4千件
 昨年1年間の運転免許証の自主返納(申請による運転免許取り消し)件数は5万1086件で、このうち70歳以上は4万4463件(87.0%)。また、過去5年間の運転経歴を証明する「運転経歴証明書」の交付は2万3048件で、このうち70歳以上は2万321件(88.2%)だった。運転経歴証明書の提示により、一部の百貨店や飲食店、観光・文化施設で割り引きなどの特典を受けることができる。

■高齢者の交通安全対策は?
 高齢者の交通安全対策をめぐっては、昨年6月から「講習予備検査」が始まった。75歳以上は運転免許を更新する際に、当日の年月日や時間を答えたり、描かれていたイラストを思い出して書いたりといった検査を受ける。結果は、「第1分類」(記憶力・判断力が低い)、「第2分類」(記憶力・判断力が少し低い)、「第3分類」(記憶力・判断力に心配はない)の3段階に分類される。第1分類でも免許の更新は可能だが、信号無視など特定の交通違反があった場合は、医療機関の診断などを受ける必要がある。認知症と診断されると、免許取り消しなどの処分を受ける。導入後半年間で23万7823人が講習予備検査を受け、5770人(2.4%)が第1分類と判定された。

 また今年4月19日から、70歳以上の高齢ドライバーらが専用区間内で「高齢運転者等標章」を掲示することで駐車が可能になる「高齢運転者等専用駐車区間制度」が導入されている。
( 2010年06月11日 19:46 キャリアブレイン )

他医療機関での投薬、受診日以外も算定可

厚生労働省はこのほど、出来高入院料を算定する病床の入院患者に専門的な診療が必要となって他の医療機関の外来を受診した際に、外来医療機関がその診療に特有の薬剤を用いた投薬の費用を受診日以外でも算定できるとする事務連絡を、全国の地方厚生局などに出した。また、薬局で調剤した場合は、その薬局で調剤の費用を算定できる。
 事務連絡では、算定できる投薬の費用として、調剤料、薬剤料などのほか、これまで算定できなかった処方料や処方せん料も挙げている。廃止となった4月30日付事務連絡の問23では、他の医療機関や薬局が処方や調剤を行った薬剤料は入院医療機関が請求を行い、入院医療機関が他の医療機関や薬局に対して合議で取り決めた費用を支払うなどとしていた。

 出来高病棟に入院する患者が他の医療機関を受診した際、他の医療機関が院内処方を行う場合は、入院医療機関に対して処方の内容を情報提供する。他の医療機関が処方せんを交付する場合には、処方せんの備考欄に、▽入院中の患者であること▽入院医療機関の名称▽出来高入院料を算定している患者か否か―を記載して交付する。
 また、入院医療機関の診療報酬明細書には、他の医療機関で受診した診療科を、他の医療機関の診療報酬明細書には入院医療機関の入院中の診療科を記載する。

 入院基本料などを出来高算定している病棟の入院患者が、他の医療機関の外来を受診した場合の費用算定をめぐっては、今年4月の診療報酬改定で、外来診療を受け入れた医療機関が、初・再診料のほか、受診日に使った「専門的な診療に特有な薬剤」などの費用を算定するなどのルールが明確化された。
 しかし、今月2日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で診療側委員から、外来医療機関が受診日以外の投薬・注射の費用を算定できなくなるため、ルールの見直しを求める声が相次いだ。これに対し、厚労省側は、新たなルールを月内に決定すると説明していた。
( 2010年06月08日 10:45 キャリアブレイン )

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