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令和6年度同時改定に向けた歯科医療について議論

第 549 回中央社会保険医療協議会総会が 7 月 12日、都内で開催され、
令和 6 年度同時報酬改定に向けた議論として、「在宅(その 1)」「歯
科医療(その 1)」について議論が行われました。
総会では、厚生労働省から資料説明が行われた後、日本歯科医師会副
会長の林正純委員が、今後の歯科訪問診療の在り方、かかりつけ歯科医
機能や医科歯科連携の推進等について、論点に基づき意見を述べました。

大量飲酒は後年の筋肉量減少のリスクを高める

中年期や老年初期における大量の飲酒は、骨格筋量が減少するサルコペニアやフレイル(虚弱)のリスク増加をもたらす可能性のあることが、新たな研究で示唆された。英イースト・アングリア大学(UEA)ノリッジ医学部教授のAilsa Welch氏らによる研究で、「Calcified Tissue International」に5月25日掲載された。

 Welch氏はこの研究の実施に至った背景について、「加齢に伴う骨格筋量の減少は、後年の筋力低下やフレイルの問題につながる。アルコール摂取は、多くの疾患において修正可能な主要リスク因子であることから、われわれは、飲酒と加齢に伴う筋肉の健康との関係について調べようと考えた」と振り返る。

 研究では、UKバイオバンク参加者の中から本研究の適格基準を満たした19万6,561人(37~73歳、男性8万8,116人、女性10万8,445人)を対象に、アルコールの摂取量とサルコペニアの指標〔骨格筋量、除脂肪量(FFM)、握力〕との関連を、体格によるFFMの違いや喫煙状況、身体活動量などについても考慮して検討した。

 その結果、骨格筋量とFFM%(体重に占めるFFMの割合)の値は中等度の量のアルコール摂取(男性:それぞれ6.8g/日、4.8g/日、女性:それぞれ14.7g/日、13.5g/日)でピークに達するが、摂取量がそれ以上増えると低下の一途をたどることが明らかになった。これらのアウトカムはアルコールを摂取しない場合と比べて、男性では、48g/日の摂取でそれぞれ0.23%、0.47%、80g/日の摂取で1.34%、1.55%、160g/日の摂取で3.59%、3.64%低く、女性では80g/日の摂取でそれぞれ0.57%、1.10%、160g/日の摂取で4.92%、6.10%低かった。これに対して、握力の強さはアルコールの摂取量の増加に伴い増強していた。

令和 6 年度制度・予算要望書を加藤厚労相に提出

日本歯科医師会は 7 月 11 日、加
藤勝信・厚生労働大臣を訪問して、
令和 6 年度制度・予算に関する要望
書を提出し、国民皆歯科健診の実効
化に向けた環境整備などについて理
解を求めました。面談には、高橋英
登会長、瀬古口精良専務理事、山本
秀樹常務理事が出席しました。
また、高橋会長と日本歯科医師連
盟の太田謙司会長は同日、改めて加
藤厚生労働大臣と面談し、重ねて要
望しました。
要望では、義務化されている歯科健診は、母子保健法に基づく 1 歳 6 ヶ月児
や 3 歳児の乳幼児歯科健診、学校保健法に基づく幼稚園から高等学校までの学
校歯科健診のみにとどまっていることを述べました。

ヘルパンギーナ:ヘルパンギーナ、流行警報レベル

乳幼児がかかりやすい夏風邪「ヘルパンギーナ」の流行が拡大している。国立感染症研究所が11日に公表した速報値によると、直近1週間の全国の1医療機関あたり患者数は6・48人(前週は5・79人)。過去10年で初めて、全国平均では警報レベル(6人)となった。

 ヘルパンギーナは接触や飛沫(ひまつ)などによって感染する。38~40度の発熱と、口の中やのどに直径1~5ミリ程度の小さな水疱(すいほう)ができるのが特徴。

 感染研によると、全国約3000の小児科定点医療機関からの報告数は6月に入って急増している。直近1週間(6月26日~7月2日)の感染者数は、都道府県別では宮城(15・85人)、三重(12・38人)が多く、25都道府県で警報レベルとなった。

 この他、乳幼児に多い呼吸器疾患「RSウイルス感染症」の患者も増加傾向が続き、直近1週間の小児患者数は9981人、1医療機関あたりの患者数は3・17人と前年同期の約3倍に増えている。

「チャットGPT」が国試合格でも「医師の代わり」は困難

オンライン医療事業などを手がけるMICINと金沢大は4月、人工知能AIによる対話型サービス「チャットGPT」に2月の医師国家試験の問題を解かせたところ、正答率が8割を超え、合格点に達したと発表。研究に携わったMICINデータソリューション部はAIが合格点に達することは「想定内だった」と説明した。

 一方で、医療との親和性は「あまり良くない」とし、将来的にAIが完全に医師の代わりを務めることは困難との見解を示した。


【メディファクス】

やぶ医者大賞:栄えある「やぶ医者」大賞 佐賀・阿部さん、福井・井階さん /兵庫

養父市が全国の過疎地で活躍する医師をたたえる第10回「やぶ医者大賞」に、佐賀県唐津市の医療法人慈孝会七山診療所長の医師、阿部智介さん(43)と、福井県高浜町のたかはま地域イノベーションセンター長の医師、井階友貴さん(42)が選ばれた。

 7道県から8人の応募があり、審査委員長の枚田一広・養父市医師会長、西村正樹・公立八鹿病院長ら8人でつくる審査会で1日、決まった。

 阿部さんは、医師不在だった佐賀県旧七山村(現唐津市)に開設された父親の診療所を2012年に引き継いだ。高齢者世帯の増加、交通網の縮小に対して訪問診療、巡回診療などで地域を支える。診療所、歯科診療所、調剤薬局を市役所支所に移転集約させたほか、高齢者の自立した生活のための予防啓発に力を注ぎ、歯科医師、保健師と共に集落を巡回。近年は他地域の在宅医療、介護体制づくりにも携わる。

 丹波篠山市出身の井階さんは、住民もまちも健やかに存続できる「まちづくり系医師」として、町の和田診療所を拠点に活動。地域医療の主役に住民を据え、住民による地域医療サポーターの会を09年に設けて支援。課題解決のための自由参加型住民会議も開くなど住民同士のつながり作りに励む。センターは福井大学、病院、町が22年に開設。福井大学医学部地域プライマリケア講座教授も務める。

 やぶ医者大賞は、若手医師の育成、地域医療の発展などを目的に、全国の過疎地などで活躍する50歳以下の医師や歯科医を表彰する制度。養父市が文献に基づいて「やぶ医者」の由来を「養父にいた名医」という説を唱えて、14年に創設した。

次世代の太陽電池

2023年5月24日、東京都と積水化学工業は、ペロブスカイト太陽電池の実用
化に向け、大田区森ヶ崎水再生センターにて実証実験の開始を発表しました。
下水道施設へのフィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入は国内初であり、
国内最大級の実証実験となります。フィルム型ペロブスカイト太陽電池の特徴は、
軽くて柔軟で歪みに強い点にあります。現在主流のシリコン型太陽電池と比べ
重さは10分の1、厚さは100分の1程度で、薄いフィルム形状のため曲げること
も可能。ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは柱の側面や車体などの
曲面にも設置ができ、弱い光でも発電ができます。極薄のフィルムにペロブス
カイトと呼ばれる結晶構造の物質を塗ることで太陽光を電気に変える仕組で、
性能面においても現状のシリコン太陽電池に匹敵するエネルギー変換効率を
既に達成しています。量産化も容易で低コスト、さらにレアメタルを必要とし
ないため、次世代の太陽電池としての期待は大いに高まっています。
 国としても開発を後押ししており、岸田文雄首相は今年4月、当初の目標
だった2030年を待たずに実用化を目指す方針を打ち出しています。政府は2030
年度に電力全体の14~16%を太陽光発電で賄う方針を打ち出していますが、
2021年度の実績は8.3%で、10年足らずで倍近く伸ばさなくてはいけない状況
も後押しの背景となっています。さらに追い風となっているのが、経済安全保
障の面です。ペロブスカイトの主な原料はヨウ素で、日本はチリに次ぐ世界
2位の生産国です。ロシアのウクライナ侵攻や米中の対立などで原材料のサプ
ライチェーンの強化が課題となる中、原料を国内で調達できることも経済安全
保障上、大きな意味を持っています。太陽光発電に適した平らな土地が少ない
日本にとっては、このペロブスカイト太陽電池の重要性は今後さらに高まって
いくものと思われます。

8020 達成率は微増の 51.6% 令和 4 年度歯科疾患実態調査結果より

令和 4 年歯科疾患実態調査の結果(概要)が 6 月 29 日(木)に公表され、8020 達成者
率は 51.6%【平成 28 年(51.2%)】でした。45 歳以上で 20 本以上の歯を有する者の割合
は、年代別にみると一部を除いて増加傾向にあり、また、男女別では大差はないものの 45
~49 歳、55~59 歳を除いて女性の方が高くなりました。

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