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生きるしくみ 噴門

噴門という言葉をご存知でしょうか。胃に食べ物が入ってくる入り口、つまり食道と胃の境目の部分を指しています。確かに解剖して噴門を胃の中から見てみると、肉が円すい状に盛り上がって、その中心に穴があるように見えるので、まるで火山の噴火口のように見えます。「食道から食べ物が噴き出る」というイメージです。この「噴き出る」という感じが、噴門の重要なはたらきです。普段の噴門は、周りの筋肉が強く収縮して硬く閉まっています。これにより、胃の内容物が食道に逆流することを防いでいます。なぜ、それが必要か?というと、胃の内容物は胃液のために強い酸性になっているからです。胃は食べ物を貯蔵して、腸で消化吸収を緩やかに行うように調節する臓器です。食べ物を貯蔵している間に、細菌が繁殖して腐敗することを防ぐために、強い酸で殺菌を行うのです。
 しかし、食道は食べ物を通過させるために壁を薄くしているので、この強い酸に耐えられないのです。そこで、普段は噴門を閉じて、胃液が食道に逆流しないようにしているのです。しかし、閉まりっぱなしでは役に立ちません。のみ込まれた食べ物が食道を通過して、噴門を通過する瞬間だけ、周りの筋肉がゆるんで、食べ物の塊を胃へ導き、再び強く締めるという反射が起こります。この噴門の大事なはたらきが不調になっていると、食道の粘膜が胃液に侵されて胸やけなどの症状が出ます。これが逆流性食道炎です。ストレスや過食、肥満などが原因となります。最近、増えているそうです。お気をつけて。
                 北海道新聞 2012.10.24

有料老人ホームの入居率、6年連続増- 厚労省調査

厚生労働省は、「2011年社会福祉施設等調査の概況」を公表した。それによると、11年の全国の有料老人ホームの入居率は83.3%で、前年(10年)調査の82.6%から0.7ポイント上昇した。入居率増は6年連続。

 調査は、昨年10月1日に実施された。それによると、11年の全国の有料老人ホームの数は4640施設で、前年の4144施設から496施設増えた。定員数は21万6174人(前年比2万202人増)、在所者数は17万9505人(同1万7880人増)だった。常勤換算での従事者数は9万439人(同8274人増)となった。
 
 調査は、全国の社会福祉施設などの数や在所者、従事者の状況を把握するために毎年10月1日に実施している。対象施設のうち、高齢者に関連する施設は、養護老人ホームや有料老人ホームなど。特別養護老人ホームや老人保健施設などは含まれない。

誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎とはどんな病気か
口腔内には多種多様の細菌がすんでいます。病気や加齢などにより飲み込む機能や咳をする力が弱くなると、口腔の細菌や逆流した胃液が誤って気管に入りやすくなります。その結果、発症するのが誤嚥性肺炎です。寝ている間に発症することも多く、高齢者では命にかかわるケースも少なくない病気です。
予防法がわかってきています
近年、口腔ケアにより歯や粘膜の清掃をしっかり行い、同時に摂食嚥下機能を高めることで、誤嚥性肺炎を予防できることがわかってきました。その効果を認める研究や論文発表もふえており、今、本格的に口腔ケアをはじめる病院・施設が全国に広がっています。
予防のポイントは「清掃」と「機能回復」
誤嚥性肺炎予防の2大ポイントは、「口腔の清掃」と「機能回復」です。歯磨きなどにより口の中を清潔にし細菌を減らします。そして、食べたり飲み込んだりする摂食・嚥下機能を回復させることも大切です。口腔の細菌除去と機能回復がケアの両輪となり、誤嚥性肺炎を予防します。
口から食べて栄養状態を良くする
また、高齢者や病気の方は全身の状態が低下しています。健康な人であれば多少の誤嚥があっても発症しませんが、からだの抵抗力が落ちていると発症しやすくなってしまいます。口から食事をとり栄養状態を良好にすることも、誤嚥性肺炎を予防するうえで大切になります。

進化する意思伝達装置

筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの思い病気や障害により。声を出せず、体を自由に動かせないために文字を書くこともできない人がコミュニケーションをとるためには、「意思伝達装置」と呼ばれる機器が欠かせない。視線の動きだけで文字表現ができる新しい装置が道内でも使われ始める一方で、利用者を支援していくためには課題も多い。
                   北海道新聞 2012.10.11

生活保護引き下げ提案 医療費の一部自己負担も 財務省方針、調整は難航

財務省は23日、2013年度予算編成で、生活保護費の給付水準を引き下げる方向で見直す方針を固め、厚生労働省と調整に入った。医療機関の窓口で医療費の一部をいったん自己負担する制度の導入や、生活費や住居費の減額などを提案。ただ、厚労省などは生活弱者の負担増につながると強く反発しており、調整は難航しそうだ。

生活保護、医療費に一部自己負担…政府検討

政府は、生活保護を受けている人の医療費について、一部自己負担を求める方向で検討に入った。

 現在は全額公費で賄われており、増え続ける生活保護費に歯止めをかける狙いがある。生活保護費の扱いは2013年度予算編成の焦点の一つで、財務省と厚生労働省が本格的な調整に入る。ただ、重い病気を患いながら生活に困っている人に配慮する必要があるため、負担額や見直しの手法については、両省を中心に具体策を詰める。

 22日に開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会は、生活保護制度の見直しについて協議し、医療費の一部自己負担導入について委員から異論はなかった。

 高齢化の進展や08年9月のリーマン・ショックなどをきっかけに生活保護を受けている人が急増しており、今年6月現在の受給者は約211万人。これに伴って、生活保護費も増加傾向にあり、10年度実績で総額約3・3兆円(国の負担が2・4兆円、残りを地方自治体が負担)に上る。このうち、公費で医療費を全額負担する「医療扶助」が約47%を占め、金額では約1・5兆円に膨らんでいる。
読売新聞 10月23日

●短時間労働者の社会保険適用拡大へ

 社会保障・税一体改革関連8法案の成立で、パートなど短時間労働者の厚生年金と健康保険への加入拡大を中心とした年金機能強化法と厚生年金と共済年金を統合する被用者年金一元化法が成立した。年金機能強化法は、無年金になる人を減らすため、年金を受け取るのに必要な加入期間を25年から10年に短縮する。産休期間中の厚生年金保険料を免除するほか、母子家庭が対象の遺族基礎年金を父子家庭に拡大する。
                      国保ニュース 「国保情報(国保中央会発行) №1064~1066より転載」

●メタボ該当者の医療費、非該当者を年8~10万円上回る/厚労省分析

21年度の特定健診でメタボリックシンドローム該当者とされた人の年間医療費は非該当者の医療費より8~10万円程度高いことが7月30日、厚労省の調べで分かった。男女別・年齢区分別にみても、該当者・予備群が非該当者を上回っており、メタボ対策の必要性が医療費の面から裏付けられた格好だ。21年度の特定健診情報と22年4月~23年3月診療分のレセプト(医科・DPC・調剤)をつき合わせることができた約269万人のデータを分析した。
 例えばメタボ該当とされた65~69歳の男性の年間医療費は40.2万円、非該当者は31.8万円で8.4万円の差があった。女性も例えば65~69歳の該当者の年間医療費は37.1万円、非該当者は26.8万円となっており、10.3万円の差があった。40~74歳までを5歳刻みで分析したところ、男女とも全ての区分で該当者・予備群が非該当者の医療費を上回った。
                      国保ニュース 「国保情報(国保中央会発行) №1064~1066より転載」

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