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誤嚥無縁体操 むせる力アップ、肺炎予防 高齢者向けに奈良県

奈良県などから依頼を受けた専門家グループが、食べ物などを誤って気管にのみ込む「誤嚥(ごえん)」を予防するための体操を考案した。食べ物や唾液に含まれる細菌は肺炎の原因になるので、体操を通じ食べ物をのみ込む力や気管に入った食べ物を外に出す「むせる力」などを高める。こうした力が衰えた高齢者の誤嚥性肺炎を減らそうという取り組みで、専用サイトで動画を発信し愛称を募集するなど、普及を目指している。【釣田祐喜】

 奈良県と県後期高齢者医療広域連合が実行委員会をつくり、学者らに協力を求めて2011年から2年半かけて考えた。肺炎は日本人の死因で3位(2012年人口動態調査)で、誤嚥性肺炎は高齢者ほど多いとされる。

 体操は高齢者が取り組めるように体への負担を軽くするなどの工夫がされている。全12種類で約5分間でこなす。「首のストレッチング」では、首を前後や左右に倒すことで、「筋肉の緊張をほぐし、のみ込むために重要な首の柔軟性を高める」としている。

 体操の効果を示すデータも出ている。奈良県によると、昨年10月~今年3月に専門の機器を使い、体操を実践した約130人の「むせる力」を計測して実践前との変化を調査。その結果、「むせる力」の数値が2割近く向上したという。

 考案者の一人で畿央大健康科学部の高取克彦准教授(介護予防)は「続けていれば、身体機能は確実に上がる。立ったまま運動するのが難しい場合、椅子に座った状態でもできる。それぞれができる範囲で取り組んでほしい」と話す。

 体操は仮称で「なら健康長寿体操」としているが、実行委は7月10日まで愛称を募集している。奈良県が開設するホームページ(http://www.sukoyakanet.pref.nara.jp/)から動画を閲覧できる。問い合わせは実行委(0744・29・8641)。

毎日新聞社 2014年5月29日(木) 配信

平成26年度保険改定の結果検証が提案される      中医協総会

5月14日開催された中医協総会(第277回)で、診療報酬改定結果検証部
会より平成26年度診療報酬改定結果検証に係る特別調査案が報告され
た。このうち歯科関連では、「訪問歯科診療の評価および実態等に関
する調査」が提案されている。調査目的は今期改定で訪問診療に対し
ておこなった、訪問診療を中心に実施している歯科診療所の評価や医
科医療機関と歯科医療機関の連携に着目した評価の見直しについて、
この見直しが訪問診療の実施状況にどのような影響を与えたか等を検
証することとし、調査実施時期は本年8~10月を予定している。

詳細は
『厚労省ホームページ 中医協総会』
「診療報酬改定結果検証部会からの報告について」を参照下さい
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000045727.html

北九州で歯科医刺され重傷 暴力団視野に捜査

26日午前8時半ごろ、北九州市小倉北区真鶴1丁目の駐車場で、同市若松区の男性歯科医(29)が血を流しているのをタクシー運転手が見つけ、110番した。男性は脚や腹などを刺され重傷だが、命に別条はない。福岡県警は殺人未遂容疑で捜査を始めた。

 捜査関係者によると、男性の親族2人が16年前と昨年に市内で射殺され、うち1人の事件では北九州を拠点とする特定危険指定暴力団「工藤会」系組長が摘発され実刑判決を受けている。県警は約2カ月前に男性に対し警戒するよう注意を呼び掛けており、暴力団関係者を中心に捜査を進めている。

 県警によると、男性は勤務先の九州歯科大付属病院に向かうため、近くの駐車場で運転していた乗用車を降りた際、刃物のようなもので刺された。犯人はバイクで逃走したとみられる。2人組でヘルメットをかぶっていたとの目撃情報がある。

 捜査関係者によると、1998年2月に、男性の祖父で港湾工事に影響力のあった梶原国弘(かじわら・くにひろ)さん=当時(70)=が市内の繁華街で射殺され、その後、工藤会系組長2人が殺人罪で無期懲役などの実刑判決を受けた。

 昨年12月には、梶原さんの弟で北九州市漁協組合長の上野忠義(うえの・ただよし)さん=当時(70)=が、市内の自宅近くで何者かに銃撃され死亡した。上野さんも市内の海岸で市が進めるごみ処理場建設計画で漁業補償交渉を担当。今回被害に遭った男性の父親は、同市若松区内の漁協幹部を務めているという。

 現場は住宅や飲食店が並ぶ一角。捜査員は犯人が逃走の際に凶器を捨てた可能性もあるとみて周辺の川を捜索した。近くに住む80代の男性は「静かな所で、事件が起きたことがない。気持ちが悪い」と不安げに話した。

歯科、1千万円不正受給 生保受給者の治療装い

長崎市は26日、同市深堀町の「大森歯科医院」が生活保護受給者42人を治療したように装うなどし、診療報酬計約1千万円を自治体から不正受給していたと発表した。詐欺容疑での刑事告訴を検討している。

 受給者の医療費は市町村が負担している。市によると、2009年4月~13年2月、実際は治療していない受給者を治療したように装ったり、治療箇所を水増ししたりして計534件の不正請求を繰り返した。

 大森英樹(おおもり・ひでき)院長は市の調査に「患者が少なくなり収入が減っていた。深く反省している。不正受給額を市に返還する」と述べた。

 受給者の1人が12年8月、別の歯科で治療を受けたにもかかわらず、大森歯科医院も診療報酬を請求し、不正が発覚した。

化石になっても歯は語る

化石となった歯を調べることで、いろいろな事実を知ることができます。例えば草食性であったか、肉食性であったかというような基本的なことは比較的簡単にわかるそうです。歯の磨耗状態をチェックすることで、鳥の祖先といわれている始祖鳥が昆虫や海岸に打ち上げられた動物の遺骸を食物にしていたことも推定されています。肉食性の恐竜が歯ぎしりをしていたことも歯の減り具合で判明しているそうです。狂暴な肉食性恐竜ティラノサウルスはその極端に小さな前肢で歯の掃除をしていたこともわかっています。

「8020歯っぴいプラン」について

平成25年度からは第2期の北海道歯科保健医療推進計画(別称:8020歯っぴいプラン)を策定し、各種の歯科保健医療に係る施策を推進しています。この計画においては、乳幼児、学齢児、成人、高齢者、障がいを持つ方々など全ての地域住民が「食べる楽しみを享受できる生活」を送ることができるようにするための取組みとして次の4つの重点施策を掲げて推進しています。①乳幼児期・学齢期においてはむし歯を予防するためにフッ化物洗口を推進すること。②成人期においては歯周病を予防するために、成人歯科健診や保健指導を利用できる機会を確保すること。③高齢期においては、低栄養や誤嚥性肺炎を予防するために、口腔ケア提供体制を整備すること。④障がいを持つ方々に対しては歯科保健医療サービスの充実を図るために障がい者歯科医療協力医の確保と歯科医療ネットワークを充実すること。

もっと学校歯科を知ろう!

生きる力をはぐくむ歯・口の健康づくり推進事業は、昭和53年に文部省(当時)が開始した「むし歯予防推進指定校」の制度を、平成19年度より日学歯が引き継ぎ、平成23年度に現名称に改め取り組んできた。学校歯科保健の目的は、歯や口を目に見える教材として、子ども達の心身の健康を視野に入れた確かな健康観の育成と、「生きる力」をはぐくむことにより、生涯を通して健康な生活を送る基礎と健康に生き抜く力を培うことにある。本事業はそれらを実践的に具現化する施策として、日学歯の再重要事業と位置付けており、学校現場からも高く評価されている。
                         日歯広報 2014.4.15

唾液の力、うまく使っていますか=三村善郎さん ご近所のお医者さん

唾液にはいろいろな成分があります。食物を飲み込みやすくするムチンをはじめ、デンプンを分解しやすくするアミラーゼ、細菌に抵抗するリゾチーム、細菌に抵抗し発がん物質の作用を弱めるラクトペルオキシダーゼ、亜鉛と結合して味覚の働きを敏感にするガスチン、カルシウムと結合して歯を強化させるスタテリン、鉄と結合して細菌の発育を抑制するラクトフェリン、口の中をなめらかにして乾燥を防ぐアルブミン、細菌に抵抗するIgA(免疫抗体)、皮膚、歯、口腔(こうくう)粘膜、胃腸、血液などの細胞の増殖を増進するEGF(表皮成長因子)、神経節や神経線維の成長促進するNGF(神経成長因子)などが含まれています。

 唾液は1日に1~1・5リットル分泌され、口腔粘膜の保護や、pHが急激に変動しないような緩衝液としての作用もあり、そのことによって虫歯を防いだり、口を潤し、口臭を予防するなど、健康な口腔環境に寄与しています。ただこの素晴らしい唾液の力も、いろいろな環境や生活、薬物などにより、うまく使えない要素も多く存在しています。

 まず口を開けて呼吸する口呼吸は、唾液を蒸発させ、口腔環境を乾燥に導きます。またがんの放射線治療なども唾液腺の細胞を破壊することがあります。さらに花粉症の薬や降圧剤なども、唾液の分泌抑制に働き、口腔乾燥症を誘発することになります。

 ここで唾液を出しやすい、健康に通じる環境が、どのように作られるか考えてみましょう。まず食事の際によくかんで食べることが大切です。回数を多くかむことは、唾液を活発に分泌し食物とよく混ざることによって消化を助け、発がん物質の働きを抑制することができます。さらに口を閉じて咀嚼(そしゃく)することによって、鼻呼吸を確実にし、免疫系を活性化することができます。

 口を閉じて鼻呼吸でよく咀嚼した食生活は、あるべき唾液の機能と免疫力を活性化することにつながります。本来体に備わった活力を生かす生活で、健康になっていきましょう。

毎日新聞社 2014年5月13日(火) 配信

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