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第68回 北海道歯科学術大会に3,240人来場

第68回 北海道歯科学術大会 が8月22日(土)、23日(日)の両日、
「札幌パークホテル」で開かれた。

歯科医師会会員出席は延べ838人で、併催行事として「2015北海道デン
タルショー」も開催され、会場であるホテルには歯科医師・歯科関係
者ら3,240人が来場した。

今年のメインテーマは「甦れ-make it revive-」でした。
学会で得た知識・技術・新材料を早速にもお取入れになり、皆様の診
療大好きが、少しは甦っていただけましたでしょうか?

副鼻腔炎の第一選択に鼻洗浄+ステロイド

Rudmik L,et al.Medical Therapies for Adult Chronic Sinusitis A Systematic Review.JAMA. 2015 Sep 1;314(9):926-39.

 29の研究を対象に、成人の慢性副鼻腔炎に対する適切な内科的治療をシステマティックレビューで検討。治療なしと比べ、生理食塩水洗浄で症状スコアが改善(SMD1.42; 95% CI, 1.01 - 1.84)。局所コルチコステロイド療法では症状スコア全般SMD-0.46 (95% CI, -0.65 - -0.27)、ポリープスコア改善SMD-0.73 (95% CI, -1.0 - -0.46)だった。第一選択療法に局所ステロイドと鼻洗浄の併用が示唆された。

【原文を読む】
Journal of the American Medical Association

ペットの歯周病ご用心

ペットの長寿命化に伴い、歯の病気にかかる犬や猫が増えている。歯科を看板にする動物病院もあるほか、動物用歯ブラシなどの商品も数多く販売されている。専門家は、歯みがきによる予防を呼びかけている。
 歯周病は年齢が高くなるほど多くなり、アメリカの研究では、6歳以上の小動物の約85%に歯周病があるというデータもあり、特に居ぬは、子犬の時から口内に歯周病菌があり、かかりやすいといわれています。
  平成27年9月11日読売新聞

歯科衛生実地指導料 「医師の指示も可能に!」歯科通信4708号より

診療報酬上の「歯科衛生実地指導料」を歯科医師の指示だけでなく、
医師の指示でも算定を可能にするよう、日本病院会(堺常雄会長)が
厚労省に求めた。

同会が5日に同省に提出した平成28年度診療報酬改定に係る要望書で
明らかになったもの。歯科衛生士を「医師の指示の下」でもできるよ
うにしたいとの声は数年前からある。

日病の要望内容は算定要件だけでなく、歯科衛生士法も絡んでくる可
能性が高く、歯科界に波紋を呼びそうだ。

要望書では歯科衛生士実地指導料について「ロ腔ケアの取り組みは入
院患者の誤嚥性肺炎発生、または再発が激減するなど効果があるが、
歯科医師がいないため、歯科衛生士実地指導料等が算定できない」と
主張。

その上で「歯科医師の指示だけでなく、医師の指示でも算定できるよ
う改定を要望する」と明記した。

詳しくは 日本病院会 文書配信で確認ください
http://www.hospital.or.jp/docu/index.html

英国の歯科医師は病んでいる! 歯科通信第4697号より

キングスカレッジ・ロンドンの歯科研究所で、歯科医療に関わる心理問
題を研究しているTim-Newton 名誉研究員らの調査によるもので、英国
歯科医師会の機関誌「BDA」219号に掲載した「タブー。社会的、あ
るいは宗教的習慣によって禁止、制限される診療」と題する論文による
と、国営医療(NHS)の審査システムの複雑さが、歯科医療の需給バ
ランスに影響し、歯科医療現場を混乱に陥れているという。

結果、多くの歯科医師が、精神的な極度の疲労と没個性化、達成感のな
さを覚えていて、これに対する疫学的根拠に支えられた予防法はないと
言われている。

関連記事
英国国営医療(NHS):
イングランド保健省によると2007年9月末現在、入院を13週間以上待って
いる人は72,700人。外来診療を8週間以上待っている人は55,300人。
http://www.ilcjapan.org/chojuGIJ/pdf/07_02_3.pdf

【新潟大】口腔解剖学教授の公募延長

 口腔解剖学分野担当教授を公募している新潟大学は、期間を2015年9月25日(提出書類必着)まで延長する。口腔組織・発生学の教育経験などがあり、医師または歯科医師免許を有することが望ましい。
  口腔解剖学分野担当教授の公募について(公募期間延長)

薬局での唾液による口腔内環境チェックが可能に

2015年9月1日、経済産業省は、これまでグレーゾーンとされていた「薬局店頭における唾液による口腔内環境チェック」が違法でないことを明言した(詳細は経済産業省:9月1日ニュースリリース参照)。

 産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」は、事業に対する規制の適用を事業者が照会できる制度。今回、薬局店頭における口腔内環境チェックに関して、事業所による検査結果と、歯科医師が作成したコメントシートの通知、本サービスにて用いる口腔内環境に関する製品について照会があり、今回の検討に至った。

 検査結果とコメントシートの通知は、歯科医師法第17条に定める「歯科医業」に該当しないこと、また、照会のあった製品が疾病等の診断への使用が目的ではないことから、法律第2条第4項に定める「医療機器」及び同条第14項に定める「体外診断用医薬品」に該当しないと回答。

 これにより、病気の早期発見や重症化防止など、薬局のセルフメディケーション貢献に期待が高まっている。

 また、医薬ジャーナリストの藤田道男氏は薬局での検体検査に関して以下のように語る。


 「処方箋がなければ入れない」と認識されている現在の薬局から脱皮するためには、個々の薬局が時代の潮流をどう受け止め、どのように行動変容するかにかかっています。

 検体測定室の取り組みについても、「費用」「時間」「マンパワー」などを理由に「今すぐは無理」と判断しているケースが多いようです。新しい分野だけに二の足を踏んでしまう薬局が多いのかもしれませんが、要は薬局が健康管理機能を果たすために、「何から始めるか」がポイントなのです。薬局が地域生活者の健康管理機能を発揮する手段は、検体測定室に限った話ではありません。

歯の矯正 施設の子供、夢応援 無償で治療 兵庫・西宮の院長、08年から100人診察

関西の児童養護施設の子供たちに、健康保険がきかない歯の矯正治療を無償で行う歯科医がいる。器具を使って歯並びを直す「歯列矯正」で、2008年以降、約100人を診察し、約20人を治療した。治療がきっかけで人前に出るのが苦にならなくなり、看護師になる夢を実現した女性もいる。「子供たちが劣等感を抱いたり就職で不利益を被ったりしないようにしたい」と語る。

 兵庫県西宮市のシマダデンタルクリニック院長、島田豊実さん(52)。大阪大生だった1995年、阪神大震災が起き、復興しようとする被災者を避難所などで見て「歯科医として何かできないか」と思うようになった。アルバイトをしていた歯科医院で、児童養護施設の男児をたまたま診察した。帰り際に男児が深々とお辞儀をしたのが、心に残った。その男児は再診察が必要だったが、それっきり来院しなかった。「社会の支援が不十分な状況を示している」と感じた。

 01年に歯科医院を開業。あの時の男児の姿が浮かんだ。歯の矯正は保険適用外のため高額で、数十万円から100万円ほどかかる。歯のケアは不十分だろうと思い、近所の児童養護施設に無料での治療を提案した。

 「高額な治療を本当に無料でしてくれるのか」。施設には疑念を持たれ、一旦は断られたが、08年になり、当時の施設長が歯並びに問題がある1人の男児に治療を勧めてくれた。その後も兵庫県内をはじめ関西各地の児童養護施設を訪問。担当者らに「見た目へのコンプレックスが取り除かれ、かみ合わせが良くなると知能や心身も発達する」と訴え続けた。

 現在でも、施設側は往復の交通費負担や事故が起きた場合のリスクなどを考え、積極的とは言えないのが現状。「診察だけなら」として矯正までは実施しないケースも多いというが来院する子供は徐々に増えてきた。

 14年度の厚生労働省調査では、児童養護施設を出たか、在籍する高校生の大学・短大などへの進学率は11・4%で、全体の53・8%を大きく下回る。島田院長は、進学や夢を語り合う会や職場見学会なども開催。「これからも施設の子供たちが社会で活躍する手助けをしたい」と思っている。

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