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誤嚥と喉頭内侵入の予測因子を特定

嚥下障害患者81例を対象とした症例対照研究により、喉頭内侵入および誤嚥を病態生理学的に評価し、誤嚥の予測因子を特定。嚥下造影検査を実施し、空間的および時間的要因をコンピュータによる運動解析で検討した結果、喉頭挙上期の喉頭前庭閉鎖の遅延、および喉頭下降期の喉頭前庭閉鎖時間の短縮が、誤嚥の有意な要因であることが示された。

ちょっと気になる!≪アルコールと口臭≫

アルコールを飲むと口臭が気になることはありませんか?
お酒を飲むことにより、肝臓で分解しきれなかったアセトアルデヒトが
血流に乗って肺に到達し、呼気となって口臭になります。
アルコールは利尿作用が強いため、体内の水分が失われ、
同時にお口の乾燥も進むことにより、口腔内細菌が増殖して
口臭の原因になります。

アルコールの過剰摂取により胃腸など消化器官への負担が影響して
口臭に繋がることもありますし、
肝機能に障害が出た場合も口臭を誘発します。

お口が乾く、お口の中がネバネバするといった症状があるときは
・水をたくさん摂取する
・歯磨きや舌清掃をしっかりと行う
・唾液腺のマッサージ
 ▼https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g09jh5u0asonur3vllhFo
・ガムを噛む
などにより、口臭の減少効果が期待できます。

また、アルコールによる口腔乾燥は、歯周病などの口腔疾患を悪化させます。
歯周病菌は独特の臭気があるため、治療を行うことも口臭予防に繋がります。

美味しいお酒を飲みながら楽しい会話を楽しみたいところですが、
口臭に邪魔をされては、せっかくの楽しい時間が台無しです。
お酒を飲みながら水を飲んだり、唾液腺マッサージを行うと、
口臭を軽減させることができるかもしれませんね。

▼飲み会翌日、お酒の臭いを抑える方法
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/g09ji5u0asonur3vlly3M

)咀嚼の話

咀嚼による8つ効果「ひみこの歯がいーぜ」。
「ひ」は肥満予防、「み」は味覚の発達でした。
今回は「こ」。言葉の発音が良くなるという効果についてです。

コミュニケーションにも不可欠な言葉ですが、
スムーズ会話のためには滑舌も関係してきます。

滑舌が悪くなるのは以下のような原因があります。
・舌の筋肉やその周りが凝り固まっている
・筋力が弱くなっている
・舌の癖がある など
肩凝りや歯の食いしばり、会話の減少による血流の悪化、
筋拘縮、筋委縮などが、舌周辺の筋肉が凝り固まることに関係します。
また、扁桃腺・唾液腺・甲状腺の腫脹や顎関節症、
舌筋・舌骨筋群機能不全などが原因の場合もあります。

舌周辺には、舌を動かすための筋肉や、会話や嚥下に関係する筋肉など、
さまざまな働きの筋肉があり、この筋肉の凝りをほぐすことや
筋力を鍛えることが、滑舌を良くするために必要になってきます。

原因に合わせたトレーニングもありますが、
舌の筋力を強くする効果を意識して日々の食事を咀嚼することにより、
必要な筋肉を鍛えることもできます。

咀嚼をすることは脳の活性化も促します。
さらにそこに、会話を加えると脳がたくさん動きます。
脳が適切に働くことにより、滑舌よい会話に繋がります。

また、お口が乾くと話すことがとても難しくなります。
咀嚼の刺激により唾液の分泌も良くなりますので、
日頃から唾液がよく出るように意識するのも
滑らかに話す方法のひとつです。

口腔がん検診、受診を 大分大学病院が15日、はさま未来館で

 大分大学病院歯科口腔(こうくう)外科は15日午前9時半から午後0時半まで、由布市挾間町のはさま未来館で無料の口腔がん検診を行う。同科の河野憲司教授は次のように述べ、受診を呼び掛けている。

 口腔がんは舌がんや歯肉がん、頬(ほほ)粘膜がんなどの総称で、全国で年間約7千人が亡くなっています。口腔がんは自分自身で容易に観察できる部位にもかかわらず、3~4割は進行した状態で発見されます。

 同病院歯科口腔外科は2008年から16年まで県内5市と1事業所で実施した検診で計5069人を調べ、7人の口腔がん患者を発見しました。高齢化に伴い80歳以上の患者の割合が増えています。特に要介護者は自分で口の中をチェックする習慣が少なくなり、早期の口腔がんが見落とされてしまうと考えられ、介護者の日頃のチェックが大切です。

 口腔がんは早期段階で治療を受けた場合、5年生存率が90%以上であるのに対して、進んだ段階になると70%に落ちるといわれています。治療技術の発達によって治療実績は向上していますが、治療後に顔が変形したり、摂食、嚥下(えんげ)、会話などの口腔機能の障害が残ったりすることがあり、生活の質の低下につながります。小さいうちに発見、治療することが重要です。

 検診では大分大学病院歯科口腔外科の歯科医師が口腔がんを含めた口腔粘膜の病気を視診と触診で検査します。病気が見つかったら、専門の医療機関の受診指導をします。

口腔内灼熱症候群の特徴判明、味覚と痛覚強い

口腔内灼熱症候群を初めて発症した患者17例と無痛の対照23例を対象に、茸状乳頭密度、味覚感受性、機械痛覚感受性を比較。症例群は口腔全体の味覚強度が増加し、キニーネに対する前舌の感受性と機械痛覚感受性が上昇していた。茸状乳頭密度に有意な群間差は無かった。対照群では左右の舌側面の茸状乳頭密度が相関したが、症例群では相関が見られず、舌神経支配が左右非対称である可能性が示唆された。

ダウン症抑制の新化合物 出生前投与、マウスで効果

京都大大学院医学研究科の萩原正敏 教授(化学生物学)らの研究チームは9月4日(月)、ダウン症で知的障害を引き起こす原因の一つとされる遺伝子の働きを抑制する新たな化合物を発見したと発表した。

 ダウン症の胎児を妊娠している母マウスに投与したところ、胎児の脳構造の異常や学習行動が改善したことを確認した。

 ダウン症などの染色体異常を調べる出生前診断を受ける妊婦が増えているが、今回の研究は胎児期に治療できる可能性につながる成果という。論文は近く米科学アカデミー紀要に掲載される。

 研究チームは、神経細胞を作り出す神経幹細胞の増殖を促す化合物を717種類の候補から探し出し、ダウン症の赤ちゃんを妊娠した母マウスに、妊娠中期に1日1回経口投与した。

 結果、胎児には大脳皮質が通常より薄くなるダウン症の特徴が出なかった。迷路の正しい道を覚える出生後の学習行動実験では、通常のマウスと同程度に正しい場所を覚えていた。 この化合物が遺伝子の過剰な働きを抑制するため神経幹細胞が正常に増え、脳構造の異常や学習行動の低下を改善させたとみられる。

 ダウン症の人のiPS細胞から作った神経幹細胞も、正常に増えることを確認した。今後は神経細胞が関与している脳梗塞やアルツハイマー病、パーキンソン病も対象に研究を進める。

(毎日新聞 9月5日)

「歯科疾患予防」8割の26項目未達成 乳幼児期や成人期顕著

県が歯科疾患予防に向け虫歯のない子どもの割合などの目標値を示した「第3次県歯っぴいライフ8020運動推進計画」で、2022年度までの達成を目指している全33項目のうち、現段階で約8割の26項目が未達成となっていることが14日、分かった。

 特に乳幼児期や成人期での未達成項目が多く、県は子どもの虫歯予防としてフッ素で口をすすぐ「フッ化物洗口」の普及啓発、成人については歯科検診の定期受診を推進する。同日、福島市で開かれた県歯科保健対策協議会で県が中間評価として報告した。

 県は目標値を乳幼児期、学齢期、成人期、高齢期、その他の5区分で設定。現段階で目標に達しているのは乳幼児期1、学齢期2、高齢期3、その他1の計7項目で、成人期は全6項目が未達成となっている。

 このうち虫歯のない子どもの割合は改善傾向にあるものの、5歳児で51.1%(目標70%)となるなど目標には届いていない。県は適切な歯磨きや生活習慣の指導に加え、4歳児から小学校でのフッ化物洗口の必要性を指摘している。

 成人期では、処置していない歯を持つ40歳の割合が62.5%で目標の10%との差が大きい。県は、糖尿病などの全身疾患と関係する歯周病予防に向け、定期的な歯科検診で早期発見・早期治療することが重要としている。県は同計画(2013~22年度)の中間に当たる本年度、中間評価を踏まえた今後の取り組みを検討し、同計画を見直すことにしている。

血液でがん遺伝子特定、国内初

東京医科歯科大は9月13日(水)、がん患者の血液から、原因となる遺伝子変異の種類を特定する新しい検査の臨床試験を始めたと発表した。

 一度に73種類の変異を調べることが可能で、遺伝情報を利用して患者に合った個別化医療を提供する「がんゲノム医療」につながると期待される。同検査の臨床試験は国内初。

 がん細胞の遺伝子を調べるには、一般にがん組織の一部を切り取る「生検」が必要だが、新検査は血液に含まれるがん細胞から放出されたDNAを検出するため、採血だけで検査が可能となる。新検査は米ベンチャー企業が開発し、大学が8月28日(月)に実施した。

(共同通信47NEWS 9月13日)

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