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北海道・インフルエンザ流行拡大 7保健所で注意報レベル

北海道感染症情報センターは、今季最多の7保健所管内で、インフルエンザ患者報告数が注意報レベルに達したと発表した。

 国立感染症研究所などによると、16~22日に全国の定点医療機関から報告された患者数は、定点当たり平均22・73人で、前週(7・33人)の約3倍。道内でも前週(3・58人)の2倍超の8・44人と急増した。

 地域別では、30保健所管内中7管内で、注意報の基準となる「定点当たり10人」を超えた。注意報レベルは、札幌市▽小樽市▽千歳▽滝川▽室蘭▽釧路▽紋別――の各管内で、最多は紋別の18・2人。また25管内で前週の患者数を上回り、流行が拡大している。

 札幌市内の小中学校などでは23日以降も、学級・学年閉鎖が相次いでいる。道などは、手洗い、うがいや、ワクチン接種などを呼びかけている。

終末期胃ろう「治療差し控えも」…老年医学会

日本老年医学会(理事長・大内尉義(やすよし)東大教授)は28日、高齢者の終末期における胃ろうなどの人工的水分・栄養補給について、「治療の差し控えや撤退も選択肢」との見解を示した。

 終末期医療に対する同学会の基本的な考え方を示す「立場表明」の改訂版に盛り込まれ、同日の理事会で承認された。

 「立場表明」は2001年に策定されたが、その後の実態に即したものにするため、10年ぶりに改訂された。近年、口から食べられない高齢者に胃に管をつないで栄養を送る胃ろうが普及。病後の体力回復などに効果を上げる反面、欧米では一般的でない、認知症末期の寝たきり患者などにも広く装着され、その是非が議論になっている。

 改訂版では、胃ろうなどの経管栄養や人工呼吸器の装着に対する見解が初めて盛り込まれた。高齢者に最善の医療を保障する観点からも、「患者本人の尊厳を損なったり、苦痛を増大させたりする可能性があるときには、治療の差し控えや撤退も選択肢」とし、「患者の意思をより明確にするために、事前指示書などの導入も検討すべき」とした。
読売新聞 1月29日(日) 配信
 

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