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放射線治療

放射線治療は、単独でも外科手術との組み合わせであっても口腔・咽頭がんの術後の結果をすばらしく改善させる。しかし、放射線治療は、続いて起こる唾液分泌減退によりQOLに著しい影響を及ぼし、防御率を向上するために化学療法が追加されると、さらなる負の影響を与える。これに伴って起こる粘膜炎は、口腔健康、口腔衛生、適切な栄養摂取の維持を困難にし、感染症併発や痛みをさらに拡大させてしまう。加えて、病変の発生は疾患を引き起こす口腔内微生物叢を増加させる傾向にある。
 この日和見性の異常増殖は口腔内の状況悪化を示しており、特にカンジダ、そして通常は正常細菌叢と宿主の応答反応により対処される外部の細菌がコロニー形成を引き起こす。
 酵母と嫌気性微生物は、癌患者のバイオフィルムにおいて異常増殖することが多く、そのため患者の状態に適合する緊急の抗感染対策立案が必要になる。同時に、それは減少した唾液量の回復と口腔の快適感向上にも寄与するものでなければならない。このことは、放射線治療に多く併発する粘膜炎が発生した際に特に重要である。

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