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肺炎患者が増加傾向に 「マスクと歯磨きを」

石巻赤十字病院(宮城県石巻市)で東日本大震災後、肺炎で入院した患者が昨年同期比5~6倍の約150人に上り、このうち少なくとも11人が死亡したことが19日、病院への取材で分かった。

 粉じんや乾いたヘドロから舞う化学物質が原因とされる肺炎や誤嚥(ごえん)性肺炎が増えているとみられ、矢内勝(やない・まさる)・呼吸器内科部長は「外出時は必ずマスクをつけ、食後は歯磨きやうがいをして口の中をきれいにしてほしい」と呼び掛けている。

 同病院よると、震災当初は、津波をかぶったことによる低体温症が原因の肺炎や、飲み込んだ海水が肺に入り炎症を起こす「津波肺」の患者が多かった。

 誤嚥性肺炎は寝ている間に飲み込む唾液の一部が口の中の雑菌とともに気管支に入り発症するケースがあり、震災1週間後ぐらいから、空せきや、たんがからんだようなせきをする患者が増えた。特に高齢者の患者が多く、同病院は避難所生活による体力低下も影響しているとみている。

 矢内部長は「詳しい原因は調べてみないと分からないが、避難所では歯磨きするのも難しいところがあり、口の中が汚れがち。さらに寝ている時間が長くなるため、雑菌の多い唾液が肺に流れ込む可能性が高くなる」と分析する。

 肺炎患者は、津波被害の大きかった沿岸部の気仙沼市立病院(宮城県気仙沼市)や岩手県立宮古病院(岩手県宮古市)でも増加しており、東北大の貫和敏博(ぬきわ・としひろ)教授(呼吸器内科)は「高齢者は糖尿病や心臓疾患などの持病がある人が多く、肺炎を併発する危険性が高いので注意が必要だ」としている。

インプラントで実用化にめど 幹細胞で顎の骨再生

骨髄の幹細胞を移植して顎骨(顎の骨)を再生する臨床研究に取り組んでいる松本歯科大(塩尻市)などの研究チームは、移植後に調べた3人で、インプラント(人工歯根)を打ち込めるまで顎骨が再生したことを、日本再生医療学会で報告した。従来の方法よりも、骨の再生が早く、インプラントの安定性も高いことが分かり、実用化にめどが付いたという。研究チームは今後、さらに一歩進めて、歯を直接支えている歯槽骨を再生する臨床研究に取り組む計画だ。
           信濃毎日新聞 2011年3月11日

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