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経鼻内視鏡の挿入が上手くいかないときはどうする?

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近年、上部消化管検査に経鼻内視鏡を使用する医療機関が増えてきている。従来の経口内視鏡に比べて、苦痛が少ないことから患者の人気は高いが、挿入時に患者が抵抗を感じたり、鼻出血を起こす場合もある。では、経鼻内視鏡の挿入がスムーズにいかないときに、現場の医師はどうしているのだろうか。

 MedPeerが同社のサービスを利用する一般外科、消化器内科、消化器外科の医師を対象に実施したインターネットアンケートによると、「反対側の鼻孔で再施行する」と「別の方法にする」がともに4割強で、ほぼ同率であることが分かった。

 最も多い回答は、「いったん内視鏡を抜去し、改めて前処置の上反対の鼻孔から再挿入する」で42.1%。「経鼻内視鏡を希望するだけの理由があると思うので、反対側の挿入を試みる」(30代、消化器内科)、「苦痛が少ないことを患者も期待していると思うし、鼻中湾曲が強い事例では、反対側が安全に挿入できる場合も少なからずある」(50代、消化器内科)など、「経鼻内視鏡を希望する患者の気持ちに応えたい」という思いから、反対側の鼻孔で検査するという医師が多かった。

 これらに対し、「あきらめて別の方法にする」との回答の合計は45.8%。このうち、「経鼻内視鏡をあきらめて、引き続き極細径内視鏡を経口的に使用する」は27.1%、「経鼻内視鏡をあきらめて、引き続き通常内視鏡を施行する」は18.7%だった。

 「経鼻内視鏡をあきらめて、引き続き極細径内視鏡を経口的に使用する」という医師からは、「反対側の前処置に時間を割くことを考えると、簡単な麻酔をして経口でさっさと検査を済ませたい」(40代、消化器内科)、「極細径内視鏡を経口で使用する。通常のものに比べれば、苦痛は少ないようだ」(30代、消化器外科)といったコメントが寄せられた。

 「経鼻内視鏡をあきらめて、引き続き通常内視鏡を施行する」という医師のコメントには、「本人の希望にもよるが、あまり無理をしない方針にしている。当院では、細径の内視鏡は解像度が悪いので、経口内視鏡を勧めている」(30代、一般内科)、「無理をして鼻出血などの合併症を起こしては、経鼻内視鏡の意味がない。経口に変更する」(40代、一般外科)などが見られた。

 「後日再検査とする」は1.7%とごくわずかで、患者に再度の来院という負担をかけたくないと考える医師が多いようだ。

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