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口臭 食べ物などで唾液分泌促して

Q 67歳女性。口臭で悩んでいます。毎日20分ほどかけて歯と舌を磨き、虫歯も治療済ですが、それでも臭いと言われるのです。血糖値を下げる薬と血圧を下げる薬を飲んでいます。人の集まる場所では嫌な気分にさせないようガムをかみますが、血糖値の上昇が心配です。

 なかなか改善しない口臭のお悩みの方は、中高年の女性を中心に多いようです。口臭というと「歯みがきの仕方が悪い」「胃腸が悪い」などと考えられがちですが、実際はそうした原因によるものは少なく、大半は口の中の乾燥(ドライマウス)によるものです。唾液には口の中を循環して汚れを洗い流す働きがありますが、それが減少することで自浄作用が損なわれ、悪臭を放つ物質が口の中に滞留しやすくなるからです。
 ドライマウスの原因は一般にストレスや口呼吸、加齢など多々ありますが、ご相談の方の場合、更年期以降の女性ホルモンの減少、降圧剤の副作用などによる唾液量の減少が考えられます。また「自分の口がにおうのでは」という緊張感によっても唾液が減り、口の中は乾燥気味になります。
 唾液量はなかなか回復しにくいため対症療法になりますが、口の粘膜の適切なケアを毎日行うことで、このタイプの口臭は大幅な改善が可能です。なお、歯ブラシでの舌みがきはあまりお勧めできません。また、日ごろから歯応えのある食べ物やガムをかんで、積極的に唾液の分泌を促すことも大切です。シュガーレスガムなら血糖値が上がる心配はありません。ぜひ、かかりつけの歯科医に相談し、場合によっては専門の医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。
                  北海道新聞 2010.5.19

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