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コロナ疑い 受診どこで…指定医療機関 多い非公表

すべて公表 2県だけ

 12日に国が指定状況を明らかにした新型コロナウイルスの感染疑い患者らを検査する「診療・検査医療機関」について、31都道府県が個々の医療機関名を非公表としていることが読売新聞の調査でわかった。風評被害などの懸念があるためだ。しかし、患者にとってはどこで検査を受けられるかが分かりづらく、公表に踏み切る自治体もある。

患者殺到や風評 懸念

 「公表をすれば、一部の医療機関に患者が殺到したり、風評被害を受けたりする懸念がある」。個々の医療機関の名前を非公表とした東京都の担当者は、こう説明する。

 診療・検査医療機関は、新型コロナの検査が受けられる身近な病院や診療所などで、都道府県が指定する。感染の疑いがある人は、かかりつけ医などに電話で相談し、そこが指定機関でない場合は近くの指定機関を紹介してもらう仕組みだ。

 都では、医療機関側から非公表を要望する声が寄せられたため、「医療機関の協力を得るには非公表にするしかない」と判断した。この結果、目標としていた3000か所を指定。鼻の粘液などの検体採取の件数は、ピーク時に予想される検査需要を上回る1日当たり6万5000件を確保できる見込みだ。非公表としたため、検査を希望する人からの電話が都の相談センターに集中するとの懸念もあるが、担当者は「対応できるよう十分な体制を整えている」と話す。

 指定機関の名前の公表について、厚生労働省は「各自治体に判断をゆだねている」との立場だ。読売新聞の集計では12日時点で、非公表としたのが31都道府県。福島、富山、愛知など10県は、同意を得た医療機関など一部のみ公表とした。全て公表するとしたのは、埼玉と高知の2県にとどまった。

 埼玉県の担当者は「公表しなければ、相談センターがパンクする恐れがある。患者がどこも受診できなくなることは避けなければならない」と強調する。ただ、同県では、1200か所の指定を目指しているが、現状では824か所にとどまっている。県では、指定機関に1か所あたり50万円の協力金を支給する県独自の支援を行っており、「より多くの医療機関に協力を求めたい」としている。

検査能力 不安な自治体も

 この日示された指定機関の検査能力は、全都道府県で最大需要を満たす数値となっており、厚労省幹部は「最低限の施設数は確保できた」とする。しかし、患者が一部の医療機関に集中するなどして検査が受けられない人が出る恐れもあり、さらに指定機関が必要と判断する自治体もある。

 山形県では、257か所を指定し、最大需要を上回る1日当たり4400件の検査能力を確保した。しかし、県の担当者は「ぎりぎり対応できる数字で、十分な対応をするには300か所が必要」と話す。

 一方、群馬県の指定機関は329か所にとどまり、目標の400か所に届いていない。県医師会の川島崇副会長は「かかりつけの患者以外に多くの患者を診療することや、院内感染の不安が広がっている」と分析する。

 財政的な支援が少ないとの指摘もある。指定機関への補助金は、1日あたりの患者数の想定(最大20人)を下回った場合のみ支給される仕組みだ。前橋市の開業医は「想定を上回る患者を一生懸命診察しても補助金がゼロでは報われない」と話す。

 全国知事会は12日、西村経済再生相とオンライン会議を開き、「診療・検査医療機関」への支援の充実などを国に求める緊急提言をした。補助金を算定する際の基礎となる想定患者数の拡大や、受け入れ患者数に応じた支援、協力金の支給などを求めている。

 政府の分科会メンバーの岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「迅速な診察と検査のためには、医療機関名の公表が望ましいが、病院側の懸念も理解できる。まずは患者が検査を受ける際のルートが変わったことを広く知らせることが重要だ」と指摘している。

食事中も飲食用マスクを…厚労相、分科会に呼びかけ要請

田村憲久厚生労働相は12日午前、内閣府で始まった新型コロナウイルス感染症対応の分科会で、国内の感染状況に危機感を示し、飲食用マスクの着用などの「強力なメッセージ」を分科会が出すよう求めた。

 田村氏は冒頭のあいさつで、1週間平均の新規感染者数が足元の2週間で2倍になっている点を挙げ、「非常に危惧している」と述べた。その上で、「大変な状況が訪れないとも限らない」として、感染爆発を防げるかどうかの重要局面との認識を示した。

 その上で、国民や事業者に対し、食事の際には、口元を覆いつつ食事もできる飲食用マスクを必ずつけるといったメッセージの発出を分科会に求め、「できることは何か、一つ一つやっていただいて、爆発的な感染拡大を防いでいく。それが一番重要なところにきている」と危機感をあらわにした。

あごマスク 「海外エッセー 世界の街から」

「まさかこれほどとは」。わが目を疑った。新型コロナウイルスの流行が続く米南部ジョージア州で共和党の集会を取材したときのことだ。トランプ大統領を熱狂的に支持する参加者約200人のうち、マスク着用者は数えるほど。マスク姿をさがすのは「ウォーリー」と同じくらい難しい。

 一方、野党民主党の集会ではマスク姿がほとんど。広がる光景は正反対で、同じ国とはとても思えない。感染防止に欠かせなくなったマスクだが、米国では依然「政治化」が甚だしい。トランプ氏のマスク嫌いを反映し、熱心な共和党支持者ほど着用しない傾向にあるようだ。

 逆に考えると、マスクを着けているかどうかで、ある程度政治的なスタンスが推測可能ということでもある。大統領選の行く末が世界的関心事となり、世論調査の精度も疑問視される中で、これほど興味深い手掛かりもないだろう。

 ただ厄介なのは、あごに着けて口も鼻も隠さない、いわゆる「あごマスク」である。単に煩わしくてずらしているのか、積極的に無党派を主張しているのか、それとも何も考えていないのか。控えめに言って曖昧すぎる。

 試しに「あごマスク派」の男性に話を聞くと、トランプ氏支持だったので、混乱はますます深まった。社会学の観点から本格的に研究すれば、きっとイグ・ノーベル賞も狙えるはずだ。

 あごマスク派を見かけると「感染防止には全く意味ないから」と言ってあげたくもなるが、分断極まる米社会で「異文化」が衝突する最前線なのかもしれないと考え、つい興味深く眺めてしまう日々が続いている。

警戒ステージ2に引き上げ 道検討 医療体制逼迫の恐れ 新型コロナ

道は26日、道内での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、感染状況に応じて対策を講じる道の警戒ステージについて、最も緩い現在の「ステージ1」から、出勤抑制や感染リスクの高い会合の自粛を要請する「ステージ2」へ引き上げる方向で検討に入った。道内は新規感染者の急増に加え、病床利用がステージ2への引き上げとなる目安と並び、今後、医療体制の逼迫(ひっぱく)が深刻化する恐れがあると判断した。一両日中にも引き上げる見通し。

 ステージ2では、道は感染リスクが高い場所での会合の自粛やテレワーク推進などによる出勤抑制、体調が悪い人の外出自粛などを要請するとしている。

 道は26日、感染症対策の医師や大学教授を集めた専門会議を開き、非公開の場で「病床が(ステージ移行の)基準に達した。移行について検討する」と説明。委員からは感染状況が地域ごとに異なることを踏まえて「地域性を勘案して」との声もあったという。道は27日に委員から改めて意見を聴取した上で、早ければ同日にも感染症対策本部会議で警戒ステージの引き上げを決定する見通し。

 道内の26日の新規感染者数は50人。直近1週間の新規感染者数は295人と、ステージ2への引き上げの目安107人の3倍近くとなっている。病床利用数は150床と初めてステージ2の目安に並び、直近1週間の10万人当たりの新規感染者数も5・62人と、6月以降最も多くなっている。

窓口負担2割に引き上げを 75歳以上の医療費、財務相

麻生太郎財務相は20日、原則1割となっている75歳以上の医療費の窓口負担について、可能な限り広範囲を対象に2割に引き上げるべきだとの考えを示した。閣議後の記者会見で「(医療)制度が今後も存続していくためにも全世代型社会保障への展開を図るべきだ」と述べた。

 「現在の患者負担の仕組みは給付が高齢者中心、負担は現役世代中心となっている」と指摘した。政府の全世代型社会保障検討会議は昨年12月、一定の所得がある人の窓口負担を2割へ増やす方針を掲げており、年末までに対象の線引きを決めるとしている。

オンライン診療恒久化の条件

コロナ対策でオンライン診療の規制が緩和されています。
政府はそのまま恒久化を検討していますが、日本医師会の中川会長からは
以下の見解が表明されました。
「安全性と信頼性をいかに確保すべきか検討する必要がある。
 認める場合はかかりつけ医を基軸として考えるべき」
今は初診のオンライン診療が規制緩和されている状態ですが、
恒久化するのであれば、対面で診察したことがある医師や、
地域の医療機関や学校医などであれば、対象になり得るとの考えです。
理由は「初対面でオンライン診療は患者が不安に思うだろうから」
ということですが、…はて?
私としては「オンラインだから不安」という感覚はありません。
むしろ、カルテやパソコンの画面ばかり見ていて
ほとんどこちら(患者)を見ないお医者さんもいるので、
オンラインの方がしっかり向かい合って会話できるのではないか

感染リスクを高める7つの場面

GO TO キャンペーンが始まり、さらにこれから宴会シーズンが始まります。
そんな中、新型コロナウイルス感染症対策分科会から
「感染リスクを高める場面」の具体的な7つのシチュエーションが提示されました。
1、飲酒を伴う懇親会
2、大人数や深夜におよぶ飲食
3、大人数やマスクなしでの会話
4、仕事後や休憩時間
5、集団生活
6、激しい呼吸を伴う運動
7、屋外での活動の前後
「感染拡大を抑えるため今は極めて重要な時期」であり
「個人の行動が重要になる」とのコメントがありました。
この7つを見ると、日々の生活やコミュニケーションを
楽しんでもらいたいけど「油断しないでね」ということですね。

▼人の移動に関する分科会から政府への提言
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/j09cvks08xox4ytry6Pjp

飲食中に大声で歌唱→飛沫14倍「カラオケでは対策を」

 豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市)の飯田明由(あきよし)教授(流体力学)は15日、歌唱時などのしぶき(飛沫(ひまつ))量の実験結果を発表した。通常の会話時と比べ、飲食中に大声で歌った時は14倍の飛沫が飛び、「特に飲食しながらのカラオケは、新型コロナウイルスへの感染リスクが高くなることが裏付けられた」という。

 水分が付着すると色が変わる感水紙を使い、学生6人の飛沫量の平均値を調べた。通常の会話時を1とした飛沫量は、大声での会話時で9、大声での歌唱時で11、せきは33だった。口に梅干しやジュースを含んだ直後の「飲食中」状態で会話すると飛沫量は2、飲食中の大声歌唱は14だった。

 大声で話したり歌ったりすると、飛沫の勢いも1・5~2倍になった。飲食時には口内の唾液(だえき)が増えるため飛沫も増えるといい、飯田教授は「室内でのカラオケは、マスク着用や十分な換気が必要だ」と話す。パピプペポの破裂音を発音すると、飛沫量が増える傾向もわかった。

 飯田教授は、理化学研究所などのチームにも加わって実験データを提供しており、スーパーコンピューター「富岳」を使った大人数での飛沫量シミュレーションに役立ててもらう。(本井宏人)

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