社会保障審議会の医療保険部会(10月23日)および医療部会(同27日)において、令和8年度(2026年度)診療報酬改定に向けた基本的な方向性と視点が議論された。
今回の改定では、物価や賃金の上昇、人手不足など、医療機関を取り巻く環境の変化にどう対応するかが重点課題とされている。
視点1:医療現場の基盤整備
人件費や医療材料費の高騰、医療従事者の処遇改善への対応をはじめ、業務の効率化を図るためのICT・AI・IoTの利活用推進が議論された。
また、タスク・シェアリングやタスク・シフティング、チーム医療の推進、医師の働き方改革や診療科偏在対策、診療報酬上の基準の柔軟化なども検討テーマとなった。
視点2:地域医療体制と包括ケアの推進
「2040年ごろを見据えた医療機能の分化・連携と地域包括ケアシステムの構築」が掲げられ、高齢者の生活を支えるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の強化や、かかりつけ歯科医の評価のあり方についても意見が交わされた。
視点3:質の高い歯科医療の推進
「安心・安全で質の高い医療の提供」をテーマに、口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応強化、歯科治療のデジタル化推進など、生活の質(QOL)を重視した歯科医療の充実が求められている。
【歯科通信】