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看護現場、仮想現実で体験 旭川大、離職防ぐ狙い

北海道の旭川大が、全国でも珍しい仮想現実(VR)技術を使った看護師教育に取り組んでいる。学内の実習では模擬患者や人形を相手にすることが多く、病院実習も期間に限りがある。VRで体験を重ね、就職後の想像と現実のギャップを埋めて離職を防ごうとする取り組みだ。

 同大保健福祉学部の宮崎剛司(みやざき・たかし)助教(40)(情報通信技術教育)が本年度から導入した。日本看護協会(東京)によると、2013~17年度の新卒看護職員の離職率は7%超。宮崎助教は背景に就職後のギャップがあるとして研究を進めてきた。

 VRでは手術室や病棟、集中治療室(ICU)などをそれぞれ想定。ゴーグル型の「ヘッドマウントディスプレー」を装着すると、VR上で自身が動くことはできないが、好きな方向を360度見渡すことができる。

 新人看護師の視点を想定した映像では、ベッドに横たわる患者の表情や処置にあたる別のベテラン看護師の様子を観察できる。「映像を通じ、自分が何をすべきか考えさせたい」と宮崎助教。隣のベッドから「痛いよー」と子どもの声が聞こえるなど臨場感を持たせている。

 患者視点の映像では、手術後に看護師に脈拍を測定されたり、聴診されたりする様子を体験できる。3年の山内優佳(やまうち・ゆうか)さん(20)は「チューブやカテーテルがつながれ、手術後の患者の不安な気持ちが分かった」と話す。

 現在は学生15人ほどが活用。宮崎助教はVR内で自身が動き、医療機器をコントローラーで操作できるような教材の開発も進めている。「患者の痛みやつらさを知ってこそ配慮ができる。VRを活用して一方通行にならない医療人を育てたい」と力を込めた。

「地域の実情理解していない」戸惑う道内医療関係者 再編促す病院名公表

厚生労働省が診療実績などから再編・統合の必要性があるとした道内の公的病院は54施設に上り、都道府県別で最多となった。名前を公表された道内の医療機関の関係者らから、「分析の根拠が不明」「地域医療の実情を理解していない」などと戸惑う声が上がった。

 道北の病院事務長は「高齢化によるニーズを踏まえ、病床割合の検討は必要だと感じているが、事前に説明はなく順番が違う」と憤った。

 今回の公表基準では、広大な道内の医療事情など地域性はほとんど考慮されていない。周産期や小児、がんなど9項目すべてで「診療実績が特に少ない」とされた、道東にある町立病院の事務長は「何をもって実績が少ないというのか、どう調査したのか、よく分からない。ずっと地域医療の核になってきたのに」と漏らした。国立病院機構函館病院(函館市)も「具体的にどんなデータに基づいて分析したのか分からず、コメントしようがない」と戸惑う。

【北海道】1位旭川医科大学病院、2位手稲渓仁会病院、2019マッチング中間

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2020年度からの初期臨床研修先を決める、2019年度医師臨床研修マッチングの「中間公表」の結果で、北海道は募集定員462人に対し、1位希望人数は329人で定員充足率は71%だった。1位希望人数は旭川医科大学病院、手稲渓仁会病院、旭川赤十字病院が上位だった。

「たん」に守られるウイルス、アルコール消毒だけでは「感染広げかねず」

インフルエンザ対策に使われるアルコール消毒について、ウイルスがたんなどの粘液に含まれた状態の場合、殺菌効果が弱まるとの研究成果を京都府立医大の広瀬亮平助教(感染病態学)らがまとめ、米科学誌の電子版に掲載された。広瀬助教は「アルコール消毒だけでは、周囲に感染を広げかねず、手洗いが重要」と注意を呼びかける。

 広瀬助教らは、食塩水と粘液のたんに、それぞれA型ウイルスを含ませ、一般的な消毒薬(濃度80%のエタノール)を作用させてウイルスが不活性化するまでの時間を比較した。その結果、食塩水中のウイルスは30秒以内で殺菌できたが、たんの中では2分たっても感染力が維持されていた。たんが渇いた状態で調べると、30秒以内に殺菌でき、粘液の状態では効果が弱まる可能性が高いという。

 広瀬助教は「手で口を押さえてせきやくしゃみをすると、ウイルスを含んだ鼻水やたんが付着する。水で洗い流せない場合は、消毒薬を30秒以上手に擦り込む必要がある」と話している。

 感染症専門医の宮下修行・関西医科大診療教授の話「アルコール消毒があまり効かない微生物も多い。手や指の消毒の基本は手洗いであることを忘れてはいけない」

100歳以上7万人超え、65歳以上は全体の28%

敬老の日にあわせて総務省から発表される統計です。
100歳以上の方は49年連続で過去最多を更新してきましたが、
7万人を超えたのは初めてです。
ギネスで世界最高記録に認定された福岡市の田中カ子さんは116歳ですが、
100歳以上の7万人のうち、女性が約88%だそうです。
65歳以上の方も過去最多の3588万人、総人口に占める割合は28.4%と
こちらも過去最多です。
さらにもうひとつ、高齢者就業者数(2018年)も過去最多だそうです。

▼統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-
 https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/i01rwqs0kvgep0ocpxXjj

自閉症の子どもたちの「やる気」を引き起こすには

米スタンフォード大学は8月5日、自閉症や言葉の遅れがある子どもにとって、その親を巻き込んだ機軸反応訓練(Pivotal response treatment、以下PRT)という行動療法は、既存の他の治療法よりも効果的であるという研究結果を発表した。この研究は、同大のAntonio Hardan教授、同臨床准教授のGrace Gengoux博士らの調査によるもの。この研究成果は、「Pediatrics」オンライン版に 8月5日付で公開された。

 研究グループは、2~5歳の自閉症児および著しく言語発達遅延がみられる48人の子どもを対象として6か月にわたり調査を行った。対象児の半数はセラピストとその両親からPRT治療を受け、残りの半数は研究開始前から受けていた別のタイプの自閉症治療を受け続けた。PRT群の子どもは調査前半の12週間、訓練を受けたセラピストから週10時間のPRTを受け、両親は子どもとの毎日のやり取りの間に治療技術を使用する方法について週1時間訓練を受けた。後半の12週間、PRT群の子どもは週5時間の治療を受け、両親は1か月ごとに指導を受けた。この研究においてのPRTは、子どもが何に興味を持っているかをセラピストまたは親が書き留め、オブジェクトを使用して子どもに会話を促すこととした。

 調査を始めたころ、多くの子どもたちの話し方はつたなかったが、終盤にかけてはPRT群の子どもたちは対照群の子どもたちよりも話す量が増え、他の人が認識できる一般的な言葉を使用するようになっていた。また、PRT群の子どもたちは、社会的コミュニケーション能力において大きな改善を示し、発達が遅い子どもほど、より顕著な改善が見られた。この訓練を3歳のときに受けたある子どもは、最初は感情を表現することが難しかったが、現在は8歳となり、学校の通常クラスで楽しく会話をし、遊ぶことができているという。

 「今回、子どもがコミュニケーションを取りたくなる状況を生み出す方法を両親に教えて支援することで、コミュニケーション能力だけでなく、より幅広い社会適応能力も向上した。また、支援を必要とする子どもたちにとって、親が特に重要な役割を果たしていることもわかった。より多くの子どもを対象とした場合にも同じ結果が得られるかを確かめる必要がある」と、研究グループは述べている。

在宅ケアをはぐくむ会8月例会の案内

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8/21(水)トーヨーホテル 18:50~.
今年はバイエル薬品のご協力により旭川赤十字病院の西原先生を中心とした
心不全チームで医師・看護師・理学療法士・作業療法士の目線から
在宅における心不全のケア~心臓のリハビリテーション
の講演をして頂きます。

講演会終了後、意見交換会の場をご用意しております。

沖縄科技大、東大押しのけ日本一 質の高い論文の割合で

生物や物理など自然科学の論文のうち、著名な学術誌に載った質の高い論文の割合が高い研究機関のランキングで、沖縄科学技術大学院大(OIST)が世界10位で日本トップになった。論文数だけなら規模が大きい東京大や京都大が多かったが、割合で上位に食い込んだ。

 質の高い論文の割合を求めるため、その貢献度を年間の論文数で割った値で比べると、東大40位、京大59位、名古屋大93位、大阪大99位を圧倒した。

 OISTは5年一貫制の大学院だけをもつ大学院大学で、12年に開学した。

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