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停職無効求め審判申し立て 旭川医大教授「不相当」

旭川医科大(北海道旭川市)の医学部教授が、届け出のない兼業で就業規則違反として停職12カ月の処分を受けたのは不相当だと処分無効や慰謝料などの支払いを求め、旭川地裁に労働審判を申し立てたことが10日、関係者への取材で分かった。

 大学などによると、男性教授は2017年9月から旭川医科大に勤務する一方、届け出ないまま妻が代表取締役を務める営利企業の役員にも就任。製薬会社などに大学から許可を得ていると虚偽の説明をして、講演会の謝礼などをこの営利企業に支払わせていたという。大学は昨年12月27日に停職12カ月の懲戒処分とした。

 関係者によると、教授側は審判で、講演会は大学側の許可を得ていたほか、処分前に注意や指導は一切なく、あまりに処分は不相当だと主張するという。

 大学の代理人弁護士は取材に「教授の主張は不当であり、審判では処分の有効性を主張していく」と全面的に争う姿勢を示している。

 旭川医科大を巡っては、昨年11月に医学部の別の40代男性教授(当時)が医師を派遣した外部の医療機関に報酬を要求し、不正に多額の金銭を受領していたとして懲戒解雇処分となっている。