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受診遅れで67人死亡 困窮で「無保険」など

全日本民主医療機関連合会(民医連)は20日、経済的事情で国民健康保険料を滞納して「無保険」状態になるなどの理由で受診が遅れ、死亡した人が2011年、22都道府県の加盟病院・診療所で67人いたと発表した。

 調査は6回目で、最多の71人だった10年に次ぐ人数。民医連は「調査対象が限定されているので全体から見れば氷山の一角。早急な対策が求められる」としている。

 11年は計663施設を対象に調査。受診遅れで死亡した67人のうち無保険は25人、滞納で有効期間が短くなる「短期保険証」が10人、さらに滞納が続き保険証を返して医療費全額をいったん払わなければならない「資格証明書」が7人いた。残る25人は、保険証はあっても医療費が払えなかったりした人。死因の半数余りはがんだった。

 67人の約7割は50~60代の中高年男性。職業別では無職が32人、非正規労働者が14人いた。

 都道府県別では福岡の11人が最多で、東京、山梨が各6人、北海道、埼玉、長野が各5人と続いた。

HIV感染、無断で通知 看護師が病院提訴

エイズウイルス(HIV)の感染検査をした大学病院が$陽性との
検査結果を看護師である患者の勤務先に無断で伝え、退職を余儀
なくされたとして、福岡県内の20代の看護師が両病院を経営する
2法人に計約1100万円の損害賠償を求めて提訴した。訴状によると、
看護師は福岡県内の総合病院に勤務していた昨年6月、目に異常を
感じて複数の病院を受診。8月に同県内の大学病院でのHIV検査
で陽性反応が出て、担当医師から「患者への感染リスクは小さく、
上司に報告する必要もない」と言われた。ところが、原告側が両
病院に情報開示を求めた資料によると、大学病院の別の医師が看
護師に無断で、勤務先の病院の医師にメールで検査結果を知らせ
ていた。看護師はその後、上司から「患者に感染させるリスクが
あるので休んでほしい。90日以上休職すると退職扱いになるがや
むを得ない」と告げられ、休職した後、11月末に退職した。
厚生労働省は、HIVに感染した医療関係者らに不利益な処遇を
してはならないとの通知を出しており、原告側は「診療情報が患
者の同意なく伝えられたのは医師の守秘義務に違反する。休職の
強要についても働く権利を侵害するものだ」としている。

2012年度診療報酬改定のポイント

介護報酬との同時改定となった今回の診療報酬改定では、医療と介護の連携の推進も重点課題の一つとなった。新たな要件を満たす在宅療養支援診療所(在支診)や在宅療養支援病院(在支病)の機能を評価し、緊急時の往診や、在宅での看取りを含めた終末期ケアを充実させるほか、医療ニーズの高い在宅患者の増加を踏まえ、訪問看護の訪問回数や対象患者に関する要件を緩和するなど、入院患者が円滑に在宅療養に移行できるよう、医療機関と訪問看護ステーションとの連携も促進する。

北海道・2シーズンぶり、全道でインフルエンザ警報レベル 患者、前週の2倍超

北海道感染症情報センターは10日、全道のインフルエンザ患者報告数が警報レベル(定点医療機関当たり30人)に達したと発表した。全道での警報は新型インフルエンザが流行した09年10月以来、2シーズンぶり。

 同センターによると、1月30日~2月5日に道内の定点医療機関から報告された患者数は定点当たり平均42・15人で、前週(20・94人)の2倍超と大幅に増加。全国(42・62人)とほぼ同じ規模の深刻な流行となっている。

 地域別では、30保健所管内中18管内で警報レベル、9管内で注意報レベル(定点当たり10人)を超えた。また、29管内で報告数が前週より増加した。

 定点あたりの患者数が最も多いのは岩見沢の100・25人で前週の約3倍。50人に達した地域は、57・96人に達した札幌市など計8保健所に上った。

 また厚生労働省によると、同じ1月30日~2月5日の間に道内の小中高校、保育所、幼稚園でインフルエンザとみられる症状を訴えた園児、児童、生徒は6526人で、前週の約2・7倍に上った。6日以降も流行は拡大し続けており、道はマスク着用などの感染予防を呼びかけている。

「エイリアン」発言批判 胃ろうめぐり厚労相

腹部に開けた穴に栄養剤を送り込む「胃ろう」措置を受けた患者を「エイリアン」に例えた自民党の石原伸晃幹事長の発言をめぐり、小宮山洋子厚生労働相は7日、閣議後の記者会見で「病気の方、ご家族に不快な思いをさせる言葉の使い方は慎重であってほしい」と批判した。

 胃ろうは口から食事を取ることが困難な高齢者や重症の患者に対して行われる人工栄養法。小宮山氏は、2008年に亡くなった父、加藤一郎(かとう・いちろう)元東大学長が、最後の1年間、胃ろう措置を受けていたことを明かし、「胃ろうのおかげで命をつなぐ患者さんがたくさんいる」と強調した。

「エイリアンみたい」 胃ろうに石原幹事長

 自民党の石原伸晃幹事長は6日のBS朝日番組で、病院で腹部に開けた穴から栄養剤を送る「胃ろう」の措置を見学した際の感想として「意識がない人に管を入れて生かしている。(病院で)何十人も寝ている部屋を見せてもらった時に何を思ったかというと(映画の)エイリアンだ。人間に寄生しているエイリアンが人間を食べて生きているみたいだ」と発言した。

 終末期医療が抱える問題点を説明する意図があったとみられるが、SF映画のエイリアンへの例えは患者家族らの批判を招く可能性がある。

 石原氏は同時に「そこで働いている人に感動した。看護師さんたちが、反応はないのに患者に語りかけながら面倒を見ている」と現場の職員の動きを評価したが、「こんなことをやったらお金がかかる。医療はやはり大変だ」と指摘した。

喫煙率初の20%割れ、男女とも最低- 「健康日本21」の目標は12.2%目安に

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厚生労働省が31日に発表した2010年国民健康・栄養調査によると、たばこの喫煙率は全体で19.5%(前年23.4%)となり、初めて20%を割り込んだ。男性は32.2%(同38.2%)、女性は8.4%(同10.9%)と、それぞれ低下し、1986年の調査開始以来、最低。厚労省はこの結果を13年度から始まる次の国民健康づくり運動プラン(健康日本21)に反映させる方針で、喫煙率目標は、喫煙者の禁煙意志の割合などを加味して算出した12.2%を目安に設定する。

[人口推計] 平成72年には人口は3割減の8674万人に、2.5人に1人は高齢者

厚生労働省が1月30日に開催した、社会保障審議会で配付された資料。この日は、日本の将来推計人口(社会保障・人口問題研究所)や、社会保障・税一体改革素案(p4-p145参照)、平成24年度予算案(p411-p572参照)などについて報告を受けた。

  「日本の将来推計人口」とは、全国の将来の出生、死亡、ならびに国際人口移動について仮定を設け、これに基づいてわが国の将来の人口規模などを推計したもの。今回は、平成22年までの実績値を基にして平成72年までの人口について推計している(p335-p410参照)。

  推計結果の一部を見てみると、今後わが国の人口は長期間にわたって減少する見通しであり、平成22年の1億2806万人(国勢調査)から、42年(20年後)に1億1662万人、60年(38年後)には1億人を割って9913万人、72年(50年後)には8674万人になると推計されている。今後50年ほどの間に、4132人減少する計算だ(現行から約3割減)(p337-p338参照)(p350参照)。

  また、同推計期間における年少人口(0-14歳)は、22年が1684万人であったが、72年には791万人へと減少。生産年齢人口(15-64歳)は、8173万人から4418万人へ減少すると推計されている。一方、老年人口(65歳以上)は、2948万人から3464万人に増加する見込みだ(p350参照)。

  次に老年人口割合を見てみると、22年現在は23.0%であるが、年を追うごとに上昇し、72年には39.9%と約4割に達する。これは、2.5人に1人が高齢者となることを意味する(p350参照)。

  平均寿命は、22年に男性79.64年、女性86.39年であったが、72年には男性84.19年、女性90.93年となると推測している(p345参照)(

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