歯科医師会による被災地域への災害支援活動は、目的別に「歯科医療救護活動」と「地域歯科医療
の再構築」に分けられる。さらに「歯科医療救護活動」は、「遺体の身元確認への協力」と
「避難所における歯科保健医療救護活動」に分けられる。
遺体安置所(検案所)に出動した歯科医師は災害遺体の身元確認作業に協力し、遺族への迅速な遺体引き渡しに貢献する。避難所へ派遣された歯科保健医療救護班は、避難者の口腔衛生状態を良好に保つことで歯科疾患の急性化や誤嚥性肺炎の発症などを予防する保健活動および急な歯痛や義歯の紛失・破損などに対する歯科治療の提供を主な業務とする。AとBの「歯科医療救護活動
A.遺体の身元確認への協力
目的:遺族への迅速な遺体の引き渡し
による被災者のグリーフケア
B.避難所における歯科保健医療救護活動
目的:誤嚥性肺炎、慢性基礎疾患の悪化、
疫病の流行等による災害関連死の予防
避難者への歯科医療の提供
C.地域歯科診療所の再開・持続・移転支援
目的:歯科医療提供体制の再構築による
地域住民の質の高い生活の回復
歯科医師会による災害支援活動
歯科医療
救護活動 フェーズ1~2
地域歯科医療の再構築 フェーズ2~3
歯科医師会による災害支援活動の種類と目的
-北海道と北海道歯科医師会の間で締結されている「災害時の歯科医療救護活動に関する協定」
資料に基づいて行われる一般道民に向けた活動で、公的活動である。
被災地域での歯科医療は、住民の避難所からの帰宅に合わせて、担い手を救護班から再開した地域歯科診療所へと移行していくことが望まれ、歯科医師会は救護班の派遣とは別に、被災地歯科診療所
の再開支援を進め、救護班の撤収時には「地域歯科医療の再構築」ができていることを目標とする。
図中Cの「地域歯科診療所の再開・持続・移転支援」は、歯科医師間の共助活動である。