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死亡男児の両親が再び敗訴 こんにゃくゼリー事故をめぐる訴訟 大阪高裁

兵庫県内の1歳11カ月の男児が平成20年9月、こんにゃく入りゼリーをのどに詰まらせて死亡したのは、口の中で崩れにくいなど商品としての欠陥のためだとして、両親が製造元の「マンナンライフ」(群馬県富岡市)などに総額約6240万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁であった。八木良一裁判長は原告側敗訴とした1審神戸地裁姫路支部判決を支持、原告側の控訴を棄却した。

 原告側は、ゼリーは弾力があってかみ砕きにくく、誤って一気に飲み込みやすいサイズに加工されていると主張。これに対し同社側は一気に飲み込まないよう容器を工夫しており、高齢者と幼児には与えないよう警告表示もしていたと反論していた。

 判決によると、男児は20年7月、祖母が与えた半解凍状態のゼリーを食べようとしてのどに詰まらせ、約2カ月後に死亡した。

 こんにゃく入りゼリーをめぐっては、消費者庁が22年、事故を防ぐために直径を1センチ以下にするなどの基準を策定。各メーカーで改善が図られ、細かく砕いたタイプやこんにゃくの粒が小さな商品なども販売されるようになっている。

 こんにゃくゼリーが原因の窒息事故は、消費者庁が把握している範囲で平成6年以降、少なくとも54件発生し、22人が亡くなった。20年9月に命を落とした今回の男児の事故が、最後の死亡事例だった。