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”バイオフィルム”歯磨きのみで除去できず

バイオフィルムとは、ヌルヌルとした薄い膜状の物質に覆われた細菌の集団で歯の表面や歯周ポケットにへばりつくことで、さまざまなトラブルを起こす。歯周病のみならず、口臭や歯の黄ばみ、歯石や虫歯など、それら全ての原因となっていることがわかってきているという。その形成機序は、唾液の有機物(特定の糖たん白質)が歯面に付着することでペリクルと呼ばれる唾液の保護膜を形成。特定の口腔常在菌がペリクルに付着(初期定着菌群)し、後期定着菌群の出現を経てバイオフィルムは作られる。その後、一部は再石灰化して歯石になる。バイオフィルムは、常に毒素を放出している。そのため、この毒素が血液中に入り込み、血管を通じて体内を巡ることで、動脈硬化や糖尿病など全身疾患とも密接な関わり合いを持っている。
             化学工業日報 2011.6.7

子どもの虫歯予防

Qおやつや普段の食生活で気を付けられることはある?

A砂糖の摂取量が多いと虫歯になりやすいので、間食などで砂糖の量をコントロールする必要がある。代用糖を利用するといい。間食の回数は1日2回程度で時間を決める。だらだら食べるのは良くない。ベタベタと歯にくっつくような食べ物も良くない。唾液が出るようなある程度かみ応えがある食べ物が良い。

Qフッ素は虫歯予防に効果がある?

A歯からカルシウムが溶け出すのを防ぐとともに、再石灰化にも効果がある。1歳6ヶ月児健診や3歳児健診で希望者にフッ素塗布をしているが、市販の歯磨き粉でもフッ素入りのものがあるので上手に活用するといい。

Q卒乳できない場合、気を付けることは?

A哺乳瓶を使っていて、前歯が虫歯になるケースがある。1歳半ぐらいでやめられるといいが、やめられない場合は中身を白湯(さゆ)に変えるなどの工夫ができる。
             山形新聞 2011.6.6

子どもの虫歯予防

Q乳歯は生え替わるから虫歯になっても平気?

A放っておくと、歯の形が変わったり、抜かなければいけなくなったりして、永久歯の歯並びに影響する。また、きちんとかむことができなければトータルの成長発育に影響する可能性もある。

Q子どもが歯磨きを嫌がらないようにするにはどうしたらいいの?

A歯が生えていないころからガーゼなどで軽く口の中を拭いてあげたりすると、口の中に歯ブラシを入れることに抵抗感を持たないのでは。仕上げ磨きは長時間にわたると嫌がるので、指で唇を押さえ、きちんと歯が見える状態で効率よく磨けるようにするといい。歯茎と口の内側をつなぐ線のような「小帯」の部分は痛みを感じるので特に気を付けて。年上のまねをしたがる習性をうまく使って、年上のきょうだいや親と一緒に歯を磨くのもいいのではないだろうか。

仕上げ磨きで虫歯予防

仕上げ磨きは、子どもが一人で磨けるようになる小学校低学年ぐらいまでは続け、夜に活性化する口腔内細菌数を減らすため、就寝前に行うのが効果的だそうだ。子どもが嫌がる場合は、できることから一歩ずつ。歯ブラシを持つ、口を開く、ひざの上の寝る、うがいをするなど「今日はこれができればいいよ」という目標を決め、できた時は必ず褒める。そして「明日はあれをやってみようか」と働き掛ける。子どもの自信や意欲が高まります。無理強いや叱るのは逆効果。それより、お話をしたり、歌ったり、親もリラックスして楽しい雰囲気を心掛けた方が、子どもは応じるようになるという。
              下野新聞 2011.6.3

ためになるお口の話 唾液でストレス測定

ストレスの程度は唾液で測定できます。ストレスの評価方法には心理テスト、脳波や心拍を測定する方法、血液中のストレス指標物質を測定する方法などがありますが、いずれも専門家による分析が必要です。また、採血は痛みのストレスを与えてしまうため、測定結果に影響を及ぼすことが予想されます。そこで無痛で簡単に採取できる、唾液の中のストレス指標物質を調べる方法が注目を集めるようになりました。ヒトは、ストレスがかかると脳の視床下部からホルモンが放出され、唾液中のアミラーゼ、コルチゾール、クロモグラニンAといったストレス指標物質の分泌が増加するため、ストレス評価の研究に利用できるのです。アミラーゼは、でんぷんを分解する大切な酵素ですが、ストレスにより唾液中の濃度が大きく変動するため、そのでんぷん分解の原理を応用した簡易型ストレス測定器が発売されています。専用シートを「なめるだけ」で測定でき、値段も手頃なことから、ストレスを気にかける人に売れているようです。
               北海道新聞 2011.7.20

「歯科口腔保健法案」が起草・採決

7月26日(火)参議院・厚生労働委員会で「歯科口腔保健法案」が
起草・採決された。北海道や各県単位での歯科・口腔保健条例が
制定されるなか、国としても国民の健康において歯科の重要性を
認めたものである。なお、日本歯科医師会の大久保満男会長は
21日、法案成立後の活動に力を入れる方針を示し、自民党の
石井みどり参議院議員、民主党の西村正美参議院議員が中心と
なって、党派を超えて法案成立に尽力した事をあげ、さらに「法
案成立が終わりではなく、その後シンポジウムを開催し、国民に
啓発する努力をしていきたい」と述べた。

シェーグレン症候群の口腔乾燥にアズレンうがい薬が有効な可能性

シェーグレン症候群では口腔や眼の乾燥症状がほぼ必発する。唾液分泌を促進す
る塩酸セビメリンを用いても口腔乾燥症状が改善しない無効例に対して、アズレン
スルホン酸ナトリウムを含むうがい液を使用させたところ、水道水によるうがいに
比べ、有意な改善が認められた。岩手医科大学呼吸器アレルギー膠原病内科の小林
仁氏らが、7月17日から20日まで神戸で開催されている日本リウマチ学会
(JCR2011)で発表した。

へんとう腺? 正しくは「へんとう炎」

へんとう腺で熱が出たという話をよく聞きます。これは変な言葉です。「へんとう腺」は病気のは病気の名前ではなく、身体の部位の名前です。実は「へんとう腺」という言葉も不正解です。「腺」という字は分泌液を出す器官を指す言葉なのですが、へんとう腺は分泌液を出さないからです。正しくは単に「へんとう(扁桃)」といいます。正確には「へんとう炎で熱が出た」というべきでしょう。
 へんとうはノドの両側の壁に盛り上がって見える器官です。私たちの身体のいたる所にリンパ節と呼ばれる器官がありますが、このうちのとても大きなものがへんとうなのです。リンパ節はリンパ球を代表とする免疫を担当する細胞が集まっている場所で、身体に侵入してきた病原体をここで攻撃する関所としての役割や、ここからリンパ球などを病原体が侵入した部位に派遣する駐屯地の役割を持っています。
                  2011.7.13 北海道新聞

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