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リハビリ「やる気が重要」 生理学研、サル実験で確認

やる気や意欲をつかさどる脳の領域が働かないとリハビリの効果も下がることを、生理学研究所(愛知県岡崎市)などのチームがサルの実験で確かめた。リハビリ効果を高めるには、意欲を持って取り組むのが重要だと裏付けられた形だ。

 注目したのは、やる気をつかさどる脳の「側坐核(そくざかく)」という領域。健康なサルを使った実験では、ここの活動を薬で止めても好物のイモを指でつまむことができた。ところが、脊髄(せきずい)損傷から回復途上のサルで側坐核の活動を止めると、治り始めていた手のまひが出てイモをつまめなくなった。脳を調べると、運動をつかさどる別の領域の活動が低くなっていた。

 これまで、側坐核の働きは運動の領域とは無関係と考えられてきた。今回、けがからの回復といった非常時には、一定のつながりがあると推測されたという。

 チームの西村幸男准教授は「もうひとがんばりしなければ運動できないような時に、側坐核の活動が必要になるのではないか。患者さんがリハビリをする時には、やる気を支える心のサポートが大切」と話す。研究成果は米科学誌サイエンスで2日、発表した。

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