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だから手洗いが大事 「医療新世紀」

オフィスのドアノブ1カ所に付着したウイルスは、4時間後にはそこで働く6割の人たちの手に付く可能性があるとの研究を、米アリゾナ大のチームが米微生物学会の会合で発表した。

 チームは、無害だが形状などがノロウイルスに似た"追跡用ウイルス"を朝の始業時にドアノブに付着させ、後で広がりを調べる実験を複数の事務所で実施。すると、ウイルスは電気スイッチや共有のコンピューターといった広範な場所で検出され、2~4時間後には4~6割の人の手からも見つかった。

 ウイルスが手に付くと、顔を触った際に鼻や口から体内に入り感染する恐れがある。予防には頻繁な手洗いが有効だ。

新潟市民病院で医療ミス 胃ろう患者死亡

新潟市民病院(新潟市中央区)は29日、同院で胃ろう手術を受けた新潟市内の70歳代の男性が、胃ろうチューブが抜けたことなどから死亡したと発表した。同院は「医師の勘違いでチューブの取り扱いを誤った」と説明しており、男性の遺族と補償を協議する方針。

 同院によると、男性は8月22日に胃ろう手術を受けた。同31日午前6時頃、転院先の病院スタッフが胃ろうチューブが抜けていることに気づき、新潟市民病院に救急搬送されたが、腹膜炎などを発症し、同日午後0時半頃に死亡した。

 胃ろうチューブの先端は、蒸留水を注入してバルーン状に膨らませることで抜けない仕組みになっていたが、手術を担当した外科医は、誤って空気を注入。このため、短期間でバルーンがしぼんでチューブが外れてしまい、チューブから供給していた栄養剤が腹膜内に漏れ出して炎症が起こったとみられる。

 同院は今月5日、医療ミスと確認し、9日に遺族に謝罪。11日に県警に届け出た。外科医は医師歴が10年未満で、今回の方法による胃ろう手術は初めてだった。手術に立ち会った看護師が「蒸留水でなくていいのか」と問いかけたが、「エア(空気)で構わない」と空気を注入したという。

 これについて、大谷哲也副院長は「他の手術器具には空気を入れるものもあり、混同してしまった」と説明。片柳憲雄院長も、胃ろうチューブに関するマニュアルがなかったことを踏まえ、「医療材料にはマニュアルを作成して、常に最新のものに更新して再発防止に努める」と話した。同院は「死因の一つとしてチューブが抜けたことが考えられる」としており、第三者らによる医療事故調査特別委員会を設置し、年内にも検証結果をまとめる予定だ。

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