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[歯科政策] 歯科報酬引上げ、共産党は賛成、維新の会は反対、ほか慎重姿勢

全国保険医団体連合会の「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は11月24日に、衆議院選挙に向けた歯科医療政策に関するアンケート結果を公表した。

  このアンケートは、12月16日に行われる衆議院総選挙に向け、歯科医療政策について、民主党、自由民主党、国民の生活が第一、日本共産党、社会民主党、日本維新の会の6党に対し、11月15~21日に実施したアンケート調査をまとめたもの。

  質問項目は、(1)窓口負担の軽減(2)診療報酬の引上げ(3)保険給付外診療―などの7項目。

  このうち(1)の「窓口負担の軽減」について見てみよう。この質問は、「経済的理由で受診を控える人が歯科では多い」という背景に基づいている。共産党は、負担軽減に「賛成」とし、「子どもは無料、現役世代は2割、高齢者は1割へと引下げる」ことを提案している。

  一方、日本維新の会は、一部の市町村で先進的に実施されている中学生までの窓口ゼロ負担には「賛成」しているものの、大幅な負担軽減や高齢者の窓口ゼロ負担には「反対」姿勢だ。

幹細胞培養液で歯周病治療 名大、イヌで実験

さまざまな組織や臓器の細胞になりうる幹細胞の培養液を使ってイヌの歯周病を再生治療することに、名古屋大大学院医学系研究科の上田実(うえだ・みのる)教授(頭頸部(とうけいぶ)・感覚器外科学)の研究チームが29日までに成功、人間への臨床研究を開始した。12月9日に米学術誌(電子版)に発表する。

 幹細胞の培養液には細胞の増殖や分化などに関わるタンパク質が何種類も含まれており、幹細胞と同じ程度の組織再生能力がある。幹細胞そのものを移植すると、がん細胞化する恐れがあるため、培養液を使うことでこれを回避し、治療に要する費用も抑えることができるという。上田教授は「タンパク質を使った特効薬で歯周病の根治につながる」と話している。

 研究チームは、これまでに培養液の中から歯周病の再生治療に有効な4種類のタンパク質を発見。今回、人の骨髄に由来する幹細胞を使い、培養液をコラーゲンでできたスポンジに染み込ませ、歯周組織に約5ミリの穴を開けて歯周病の状態にしたイヌに移植した。

 4週間後、何もしなかった場合、歯周組織にある骨の再生は約2ミリ弱にとどまったのに対し、移植した場合は3ミリ以上再生し、再生面積は何もしない場合の2倍以上になった。歯の表面のセメント質も培養液で再生した。

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