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口腔ケアをするとき、入れ歯を外す? 外さない?

「時間がかかるのに、なかなかキレイにならない」
「がんばっても食渣が残ってしまう」
 口腔ケアを実践している看護師さんから、よくこのような悩みを聞きます。そ
こで参考にしたいのが、Hさんの工夫です。

 皆さんは入れ歯の患者さんの口腔ケアをするとき、どのように行なっています
か? 多くの場合、入れ歯を外してから歯の表面を歯ブラシでブラッシングした
り、くるリーナで粘膜清掃しているのではないでしょうか。
 この方法、けっして間違いではありません。Hさんも以前はそうでしたが、
「もっと良い方法があるに違いない」と模索する中で、ついに短時間で効果を上
げるポイントを見つけ出したのです。

 その方法とは、まず入れ歯を外さないで、頬の内側に残っている食渣や入れ歯
の表面についた汚れを取り除くこと。そして、その後に入れ歯を外してケアしま
す。
「入れ歯を外すと頬がゆるんで、頬を排除しないと口腔ケアがやりにくいんです。
でも、入れ歯をしたままなら、歯が残っている人の歯ブラシをするときのように
簡単にできます! こうして食渣をある程度取り除いておけば、その後の入れ歯
を外したケアもすごくラクです。今では病棟の看護師全員、実践していますよ」

 とりわけ入れ歯が点在しているようなケースでは効率が増すといいます。また、
入れ歯を外すと患者さんは上手に嚥下をできないため、口腔ケア中のむせにつな
がります。それを防ぐ効果もあるそうです。
 簡単に試せる、ちょっとした手順の工夫。ぜひ、皆さんも挑戦してみてはいか
がでしょうか。“短時間で食渣を取り除ける”驚きと喜びを体験できるはずです。

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