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歯が悪いお年寄りも楽しめるフランス料理を作った石原雅弘さん 「職業紹介企画」

東京の「ホテルメトロポリタン エドモント」の中にあるフランス料理のレストラン「フォーグレイン」では、歯が悪いお年寄(としよ)りや、病気でかたいものを飲みこめない人もおいしく食べられる料理が評判(ひょうばん)だ。料理長の石原さんは病院などで出る介護食(かいごしょく)では満足できない人も「笑顔で良かったと言ってくれます」とうれしそうに話す。

 料理は、前菜(ぜんさい)に始まり、スープ、メーン、デザートとふつうのフランス料理と同じコースメニューだが、かまなくても、なめらかに、のどを通るという点だけがちがう。材料はやわらかくにこみ、ミキサーにかけてすりつぶした後で、料理に使っている。フランス料理ではもともと、ムースやピューレなど、こうした調理法(ちょうりほう)が多いので作りやすかったという。

 メーンの「牛肉の赤ワインにこみ」は歯ごたえはないが、口の中で肉のうまみが広がる。肉にそえるブロッコリーやタマネギ、トマトといった野菜は、もとの形はなくなっているが、取れたてで材料の味がわかり、季節感たっぷりだ。

 病気で胃を手術(しゅじゅつ)して、退院(たいいん)したばかりのお客さんに食べやすいメニューを2年前に出したのが、新しい料理を工夫(くふう)するきっかけになった。今では病院から患者(かんじゃ)さんの食事に出すため、作り方を教えてほしいとたのまれている。
2011年5月18日 提供:共同通信社

歯周病菌 動脈硬化悪化の因果関係、遺伝子レベルで証明 新潟大

歯周病菌が動脈硬化を悪化させることの因果関係について、新潟大歯学部の山崎和久教授(歯周病学)の研究グループが、遺伝子レベルでの証明に成功した。19日(日本時間20日)の米科学誌プロスワン電子版に発表する。

 山崎教授らは実験用マウスに週2回、歯周病菌を投与。一定期間経過後に肝臓や血管の組織を調べたところ、動脈硬化のリスクを減らす善玉コレステロールを生み出す遺伝子の発現量が低下していたことが判明した。

 また、動脈硬化を起こしているマウスへ同様に菌の投与を約5カ月間行い、動脈の内側を調べたところ、菌を与えていないマウスでは病変の面積が6%だったのに対し、投与したものでは45%に拡大したという。

 山崎教授は「歯周病が動脈硬化を悪化させることはこれまでも統計調査などで明らかになっているが、遺伝子レベルで証明したのは世界初。歯周病の予防や治療で動脈硬化の発症が抑えられ、医療費の抑制にも結びつく」と話した。
2011年5月20日 提供:毎日新聞社

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