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厚生労働省が公表した2009年の年間報告(確定値)によると、新規HIV感染者とエイズ患者数は計1452人で、過去3番目の多さだった。これは、1日に約4人ずつが新たに感染していることを意味している。エイズは今や、身近な感染症の一つになりつつあるが、HIV陽性者が歯科診療を拒まれたり、一般医療機関で必要な対応を受けられなかったりするケースもある。医療の提供側との橋渡しが求められるが、現状はどうか―。関係者の声を聞いた.
厚労省の研究班は08年、HIV陽性者の約3割が「感染が確定してからも、感染の事実を告げずに歯科診療を受けたことがある」という調査結果をまとめた。
 HIV陽性者にとっては、ささいなことが日常生活を妨げるハードルになってのし掛かる。象徴的なハードルの一つが、歯科の診療だ。HIV陽性者の利便性などを考えると、地域の歯科診療所の役割が大きくなるが、HIV検査で陽性だったことを伝えると、診療を拒否されるケースが実際には少なくない。診療拒否を避けるため、感染していることを隠して受診しているケースもあるとみられる。

 HIV陽性者の歯科診療を支援するため、東京都では「エイズ協力歯科診療所紹介事業」を01年から実施している。10年12月現在、都内に約1万施設ある歯科診療所のうち80施設が、「エイズ協力歯科診療所」だ。
2010年12月30日 12:00 キャリアブレイン

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