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高山義浩2日

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新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、厚生労働省は、2回目の接種から6ヶ月たった人も自治体の判断で対象にすると決めました。ただし、各自治体への厚労省による説明会では、感染状況が落ち着いている現状では「8ヶ月後」が原則であると強調しています。
安堵された市町村担当者もいらっしゃるでしょう。今まで8ヶ月と聞いていたのに、いきなり6ヶ月とされては準備が追い付きません。ただでさえイベントの多い12月中に会場を確保し、冬場で忙しい医師や看護師を確保することなど、絶望的ですらあったのではないかと思います。
ただし、ここからは沖縄県内の市町村へのお願いなのですが、医療従事者、介護従事者、そして施設入所者、デイサービス利用者については、できるだけ6ヶ月で実施するように準備を進めてください。5割でも6割でも良いので、接種を進めておくことができれば、それだけ被害の規模が異なります。
ここで言う被害とは、医療機関や高齢者施設における集団感染であり、積み重なる死亡者のことです。冬季は体調を崩す高齢者が多いため、感染者が多数になれば容易に医療はひっ迫し、その他の救急医療ですら維持できなくなる恐れがあります。
また、医療がひっ迫すれば緊急事態宣言が出されて長期化することも懸念されます。つまり、これは命を守り、医療を守り、経済を守るための重要な布石となります。
なぜ、8ヶ月ではなく6ヶ月でなければならないのか・・・? それは、すでに初夏に接種した高齢者のワクチン効果が減少しており、第5波のように高齢者が感染から守られなくなっているからです(添付の図を参照してください)。
加えて、第6波の到来が、年末年始の人の移動によって引き起こされると想定されていることもあります。忘年会やクリスマスなど年末イベントで感染が拡大し、冬休みに入って帰省者が増加します。地方では1月に感染拡大する可能性が高いのです。
8ヶ月を待っていては、ほとんどの高齢者の3回目接種が1月以降にずれ込んでしまいます。そして、この接種のタイミングが、地域で流行している時期に重なる可能性が高く、医療従事者の確保が困難となり、接種会場での感染リスクも考慮しなければなりません。いろいろ大変ですよ。
想像していただきたいのですが、1月から2月にかけては、沖縄ですら寒い時期であり、会場は閉めきられて風通しが悪くなっています。体調不良の高齢者も少なくなく、問診には時間を要することでしょう。どうせ接種するなら、8ヶ月を待たず、6ヶ月のうちに接種を済ませてしまいましょう。
というわけで・・・、多くの障壁があることは理解していますが、それぞれの市町村では12月中の接種をめざして、準備を進めていただければと思います。また、各地区医師会の先生方も、どうか市町村を全面的に支援してください。県担当者の方も厚労省との調整を支援いただければと思います。
最後に・・・、長々と3回目接種の重要性を申し上げましたが、1回も接種を受けていない方が、2回の接種を完了していただくことの方が大切ですよ。
とくに、ご親族が年末年始に帰省してくる予定となっている高齢者の皆さん。もし、ワクチン接種を受けておられないのでしたら、ぜひ、来週中に1回目の接種を受けるようにしてください。
たとえば、11月22日に1回目の接種を受ければ、12月13日が2回目です。おおむね、2週間後からワクチン効果が得られると考えられるので、12月27日からご親族を安心感をもってお迎えすることができるでしょう。
まさに、いまがギリギリのタイミングなんですね。市町村も年末年始を見据えた接種への呼びかけをお願いします。

無保険外国人:在留資格なし、自由診療負担3倍 無保険外国人 命の危機 訪日富裕層向け高額化、コロナ禍拍車

今年3月、名古屋出入国在留管理局の施設内でスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が病死し、ずさんな医療体制が問題となった。しかし、在留資格がない外国人は、入管施設の外でも命の危険にさらされている。就労もできず、健康保険に加入できないため、重病になると高額な医療費(100%負担)が支払えないケースもあるためだ。近年は医療費を200~300%負担させられる例も増えている。「在留資格の有無で、命を区別していいのか」。全国の外国人支援団体や医療関係者たちが抗議の声を上げている。

 今年1月23日早朝、東京都内の病院でカメルーン出身の女性レリンディス・マイさんが静かに息を引き取った。42歳だった。乳がんが全身に転移していた。婚約者の暴力や女性器切除から逃れようと、2004年に来日。その後、母国の治安が悪化し、難民認定を申請したが認められず、入管施設に2度にわたり収容された。当時から支援者に「胸が痛い」と訴えていたが、施設では十分な治療が受けられなかったという。

 18年に2度目の仮放免(条件付きの一時解放)となり、その後乳がんと診断された。在留資格がなく健康保険に入れないため、医療費は高額だ。それでも支援者らが仲介し、理解ある病院で治療を受けた。いったん退院後は一時ホームレスの状態になり、支援者らが衣食住を確保し、さらに別の病院で治療を続けた。

 支援者らが治療目的の在留資格を出すよう、国に繰り返し要請。在留(1年)を認めるカードが病院に届いたのは、マイさんが死亡して約3時間後だった。

 最初に治療を受けた病院にはマイさんの未払いの医療費計約700万円が残ったままで、解決していない。支援者の一人で牧師の阿部頼義さん(40)は「健康保険があれば、治療がスムーズに進んだはず」と悔やむ。

 健康保険は国内在住の外国人も対象だが、在留資格がない、または短期(90日以内)の資格の場合は加入できず、医療費は全額負担になる。がんなど重病の場合は数百万円に上る。一方で、在留資格がないと就労が禁止され、生活保護も受けられない。

 首都圏で支援活動をする「北関東医療相談会」(群馬県太田市)は、20年だけで48人の医療費(計480万円)を援助。このうちマイさんを含めた9人ががん患者(大腸がん、肺がん等)で、少なくとも5人は治療後に死亡した。事務局長の長澤正隆さん(67)は「お金がなく治療を控え、私たちが相談を受けた時には既に手遅れのケースも多い」と話す。

 増えているのが200~300%の医療費を請求されるケースだ。通常、医療費(診療報酬)は医療行為を1点10円で計算するが、無保険の場合は自由診療となり、病院側の判断で1点20~30円という高額設定が可能になる。保険加入者(30%負担)なら3000円程度で済む風邪の診察でも2万~3万円になる計算だ。

 政府は近年、富裕層の訪日外国人を想定した「医療ツーリズム」を成長戦略の一つに位置づけており、その流れが困窮する外国人にも影響を与えている。

 厚生労働省が20年度に実施した調査(全国4380病院が回答)では、24%の病院が外国人の医療費を1点10円を超える単価で設定していた。厚労省医療国際展開推進室は「無保険の外国人の医療費は各病院が設定するもの。困窮者であっても価格を指導する権限はない」との立場だ。

 一方、国籍にかかわらず生活困窮者に無料または低料金で医療を提供する「無料低額診療事業」もあるが、実施する病院は全国で723カ所(19年度)で、全体の1%以下。支援者によると、新型コロナウイルスの影響で病院財政が悪化、協力的な病院が減っているという。また、未払いの外国人の医療費を肩代わりする「外国人未払い医療費補てん制度」もあるが、導入しているのは東京都や神奈川県など一部の自治体にとどまる。

 深刻なのは困窮する外国人の増加だ。近年、外国人の入管施設への長期収容が問題化していたが、コロナ感染予防のため20年以降は多くが仮放免になった。また、留学生や技能実習生として来日後、さまざまな事情で在留資格が切れ、コロナの影響で収入が減った人もいる。

 厳しい現状を受け、NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」は、政府に制度改善を求める署名運動(12月末まで)を展開している。▽仮放免の外国人が健康保険に加入できるように在留資格を出す。出せない場合は国が医療費を負担する▽1点10円での医療費の計算を徹底し、高額の請求をやめさせる――ことなどを要望。インターネット上の「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」でも運動している。

 神戸を中心に支援活動をしている移住連運営委員の觜本(はしもと)郁さん(68)は「帰国できず、就労もだめ、生活保護もだめで、どうやって高額な医療費を支払うのか。命の危機にある外国人を『仕方ない』と放置するのは明らかな人権問題だ」と話している。

ADHD患児の多くは成人後も症状が残存

注意欠如・多動症(ADHD)の患児は、間欠的な寛解を経験するが、若年成人期にも症状が残存することが、「The American Journal of Psychiatry」に8月13日報告された。

受診控え影響3千億円黒字 健保連の決算見込み

大企業の社員らが加入する健康保険組合の全国組織の健康保険組合連合会(健保連)は19日、2020年度の決算見込みが1388組合全体で2952億円の黒字だったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴って受診控えが広がり、保険給付が前年度に比べて2113億円減ったことが要因。黒字は前年度より454億円増えた。

 感染拡大が影響し企業業績が悪化したため、保険料収入は596億円減少。赤字の組合は26減り458となった。

 健保組合には約2882万人が加入する。企業と社員が負担する保険料で運営し、加入者の医療費や、非加入の高齢者の医療費も負担している。

 この「高齢者拠出金」は1113億円増え、3兆5457億円となった。今後はコロナ絡みの特殊要因が縮小する一方、高齢化による医療費増は避けられず、健保連は、21年度以降の決算は赤字になると見込んでいる。

 1人当たりの年間保険料負担は7230円減の49万4736円だった。

 全国の健康保険組合が5月ごろに厚生労働省へ提出した20年度見込みを健保連が集計した。各組合は9月ごろに決算の確定値を提出することになっており、その集計に先立って速報値の段階で公表した。

新型コロナワクチン3回目接種、「賛成」68%

早ければ2021年12月中にも開始が予想される新型コロナウイルスワクチンの3回目接種。医療従事者は3回目の追加接種についてどう考えているのか――。m3.com意識調査で、新型コロナワクチン3回目接種を受けることの賛否について会員医師790人に尋ねたところ、約7割(68.1%)が「賛成」しており、反対は9.5%にとどまった。また、賛成と回答した416人のうち5割弱は、ワクチンを2回接種した人は、年齢や重症化リスクを問わず3回目を接種できるようにするのが望ましいと回答した。

「うんこ」語り合おう 学会設立、スマホゲームも 大腸がん発見、介護を左右

恥ずかしがらず、うんこについてもっと語り合おう―。そう呼び掛けて「学会」を設立した医師や保健師がいる。大便をチェックして大腸がんを早期に発見してもらおうと、スマートフォンのゲームまで開発した。高齢者介護では生活の質を左右する大事な問題。適切な排せつケアを学んでほしいとの思いもある。

 今年7月に一般社団法人「日本うんこ文化学会」を設立したのは、石川県小松市の保健師、榊原千秋(さかきばら・ちあき)さん(59)。在宅介護や難病患者の終末期ケアに関わる中で、便について悩む人が多いことを実感した。

 子どもの頃の便の失敗がきっかけで、高齢になっても排便障害(便秘)が続いていた男性、やせたいからと下剤を飲み続ける若い女性...。プライベートな問題ゆえになかなか相談できず、正しい知識も広がっていない。

 大学院で専門知識を学んだ榊原さんは排せつケアのプロを育てようと、2016年から独自に「POO(英語でうんこの意)マスター」の養成研修を各地で開催。これまでに医師や看護師ら約500人が受講した。

 学会設立を思い立ったのは、現場の実践で得た知見や科学的根拠を議論して学び合いたいから。学者や医療・介護職だけでなく、行政や企業など幅広い人たちに参加してもらおうと、専門用語ではなくあえて「うんこ」という言葉を掲げた。

 「豊かな便は豊かな人生につながる。『食育』と同じように『便育』を広げたい」と榊原さん。11月6、7日に腸内細菌の専門家やうんちの絵本作家らを招き、小松市で第1回学術集会を開く。

 「学会」を冠した団体は実はもう一つある。東京都内で在宅医療を手掛ける医師の石井洋介(いしい・ようすけ)さん(41)が13年につくった「日本うんこ学会」。学術団体ではなく、大腸がんなどの疾患予防を啓発する任意団体だ。

 石井さんは10代で難病の潰瘍性大腸炎を患い、大腸全摘手術を受けた経験がある。病院の勤務医時代、大腸がんの悪化に気付かず命を落とす患者を何人も目の当たりに。話を聞くと、多くの人が細い大便が出るなどの異常を感じていた。

 「大腸がんはほかに症状が現れにくく『サイレントキラー』とも呼ばれる。便の異変に早く気付いてもらえれば」。思い付いたのが、気軽に楽しめるゲームだった。

 うんこ学会の仲間と制作して昨年11月にリリースした「うんコレ」は、課金の代わりに排便報告をしてもらうことで進めるユニークなスマホゲーム。腸内細菌を擬人化した美少女キャラクターが、便の状態に応じて受診などをアドバイスする。

 石井さんは「平熱と同じように、まずは自分の普段の『平便』を知ることが大事。うんこで救える命があることを知ってほしい」と話している。

コロナ治療薬「レムデシビル」を保険適用

総会は、15成分(23品目)の医療品を今月12日に薬価収載することを決定した。うち新型コロナ治療薬の抗ウイルス剤「レムデシビル」について、薬価を100mg1瓶で6万3.342円に決めた。今年度(ピーク時)の投与患者数は4万2.775人、販売金額は181億円と予測している。新型コロナは指定感染症であるため、レムデシビルの患者自己負担は発生しない。

【北海道】1位旭川医科大学病院、2位国立病院機構北海道医療センター、2021マッチング中間

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 2022年度からの初期臨床研修先を決める、2021年度医師臨床研修マッチングの「中間公表」の結果で、北海道は募集定員432人に対し、1位希望人数は290人で定員充足率は67%だった。1位希望人数は旭川医科大学病院、国立病院機構北海道医療センター、函館五稜郭病院が上位だった。

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