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歯の電子カルテ:標準化 厚労省、災害時、身元確認狙い

大規模災害時の遺体の身元確認に有効活用するため、厚生労働省は今年度、現在は形式が統一されていない歯科医の電子カルテを標準化する実証事業に乗り出す。東日本大震災では多数のカルテが津波で流失したうえ、残っていても形式がまちまちだったため遺体との照合は困難を極めた。専門家は、将来的に標準化したカルテをデータベース化すれば、災害時以外にも活用できると見込んでいる。

 遺体が損傷しても歯は残る可能性が高い。警察庁によると、大震災による死者の身元確認で歯の情報が決め手になったのは1240人で、DNA鑑定の163人を大きく上回った(今年4月10日現在)。

 だが、行方不明となった人の歯の治療記録と、身元が分からない遺体の歯の情報との照合は容易でなかった。宮城県警は震災の約2カ月後から東北大の協力を得て二つの情報を照合するソフトを導入。歯科医のコンピューターの記憶装置に保存されていた行方不明者の電子カルテや、紙のカルテの収集に努めたが、歯科医ごとに形式や内容はさまざまで、統一的な形式に入力し直す必要があった。

 南海トラフ巨大地震では、国は最悪のケースの死者を約32万人と想定している。現状のままでは照合に必要な作業が膨大となり、身元確認が一層困難になることが予想される。

 こうしたことから、厚労省は6月にも検討会を設置し、身元確認のためにどのように情報を統一化すべきか協議する。今年度中に一部の歯科医で電子カルテを実験的に標準化する方針。今年度予算に事業費2100万円を計上した。

 震災前から標準化の必要性を主張してきた柳川忠広・日本歯科医師会常務理事は「南海トラフ巨大地震では歯科情報の迅速な収集システムがないと身元確認は難しい。実証事業はデータベース化を含む将来的なシステム構築のきっかけになる」と評価する。

 一方、個人情報保護に詳しい堀部政男・一橋大名誉教授(情報法)は「身元確認の目的を明示し、情報提供について広く本人同意を得ることが必要」と指摘する。厚労省は、データベース化の可否については現時点で検討対象としていない。
毎日新聞社 5月17日(金) 配信

したたかに自民回帰 発言力拡大狙う 「潮流―2013参院選 団体を追う」医師会と歯科医師会

前回参院選で打ち出した民主党重視路線と決別し、医師会と歯科医師会は自民党回帰をしたたかに進める。狙いは医療行政への発言力拡大だ。日本医師会(日医)の政治団体、日本医師連盟(日医連)は昨年末の衆院選直後、自民から組織内候補として日医の羽生田俊(はにゅうだ・たかし)副会長の擁立を決めたが、戦略は半年以上前から練っていた。一方の民主は離反を嘆くばかりだ。

 「環太平洋連携協定(TPP)で心配をいただいたが、国民皆保険は守るとあらためて約束させていただく」

 都内のホテルで14日に開かれた日医のパーティー。拍手で迎えられた安倍晋三首相が「今年は特別な年。参院選で当選できるよう全力を挙げる」と、ひな壇の羽生田氏にエールを送った。

 対照的に、民主の海江田万里代表のあいさつは拍手がないまま始まった。「民主の議員は多くないが、お招きいただき感謝申し上げる。ここに集まった人の気持ちは一つ。国民の医療を守ることに尽きる」と、精いっぱい秋波を送ってみせた。

 日医では昨年4月の会長選で親民主の原中勝征(はらなか・かつゆき)氏が破れ、横倉義武(よこくら・よしたけ)会長が誕生。横倉氏は「与野党双方との対話」を掲げたが、同12月の衆院選で自民が勝利すると、3日後には自民からの候補擁立の意向を表明した。

 電撃的な擁立劇に見えたが、布石は打ってあった。昨年6月、都内のフランス料理店。自民の医療関係幹部議員とテーブルを囲み、日医役員が見守る前で「組織内候補を育てたい」と"復縁"を申し出ていた。

 日医連は2010年の参院選で民主候補を推薦。自民、みんな両党の候補も支援したが、3人とも落選した。07年も組織内候補が敗北している。「3連敗は許されない」(日医連関係者)との覚悟で、今回は候補を1人に絞って総力を傾ける。

 日医連幹部は「診療報酬改定やTPPに関し、与党の中で意見を反映させたい」と意気込む。

 民主の閣僚経験者があきらめたように解説する。「地方の医師会は自民系の首長や地方議員との関係が深く、民主党政権でも自民寄りのままだった。当然の帰結だ」

 日本歯科医師会(日歯)の政治団体、日本歯科医師連盟(日歯連)の場合、自民回帰はより鮮明だ。政権交代前の昨年10月、早々と自民現職の石井みどり氏の推薦を決定。さらに神奈川選挙区の自民候補に前理事長の島村大(しまむら・だい)氏を送り込む。

 日歯連の支援で3年前に当選した民主の西村正美氏は「次の改選期に組織内候補として出たいが、選ばれるかどうか」と不安を隠せない。

薬剤師の新たなスキルとして嚥下フィジカルアセスメント確立へ

薬剤師によるフィジカルアセスメント(PA)が急速に進展するなか、服薬コンプライアンスの観点から嚥下状態を確認する試みが注目を集めつつある。歯科医師でウエルシア関東・調剤介護本部の教育担当を務める大西孝宣氏が社内認定制度を整えて昨秋から進めているもので、薬剤師が調剤した薬の確実な服用を確認する意味合いで患者の頸部聴診を実施。嚥下音の適切なアセスメントを通じ、潜在的な誤嚥発見や処方薬の剤型変更、嚥下困難支援・指導などでチーム医療での存在感を増すほか、大西氏は「薬剤師が在宅医療や臨床の現場に一歩を踏み込み、チーム医療で主体的に職能を発揮する上で有効」とも強調しており、一定の手応えを得て薬剤師のスキルとしての定着を目指す構えにある。

ドラッグストア勤務歯科医師が社内認定プログラムで推進

 嚥下状態の確認は耳鼻咽喉科と歯科が専門領域にあたる。大西氏によれば特に歯科では「点数の算定項目もない当たり前の部分」といい、自ら歯科医師として指導することで昨秋ウエルシア関東所属の薬剤師を対象とした社内認定制度を設置。以後、月2回のペースで嚥下PAのスキル修得に向けた1年間の教育プログラムを進めている。

 具体的には基礎知識の座学、相互実習を含む頸部聴診法と反復唾液嚥下テストなどの研修を経て、同社が訪問服薬指導を担当する介護老人福祉施設と連携し、昼食時の居住高齢者に対する嚥下音の体験実習に取り組む。その際、頸部片側を歯科医師である大西氏、もう片方を受講薬剤師が20~30秒の聴診を実施後に互いに聞き取った音の討議を行い、意見が相違した場合には喉頭部の左右機能障害なども考慮して測定部位を左右入れ替わり再度聴診と、聴診音の評価が一致するまで繰り返すことで聴診の精度と練度を高める手法をとる。

 仮にPAで異常音と判断された際には、医師らチーム医療にフィードバックして適切な対処を促し、服薬時の誤嚥の可能性を踏まえて服用薬の粉剤からOD錠への剤型変更、ゼリー状オブラードなどの活用や、食事内容の改善といった提案を図ることで治療や介護の質的向上に寄与することになる。当然ながら嚥下音を1度や2度聞いただけでは正常かどうかといった評価は難しいが、大西氏は「歯科医師が指導のもと、同時に確認する聴診体験を積み重ねることで一定の判断が行えるスキルとして身に付けることは可能」という。

歯と口の衛生週間

各郡市区歯会で開催される歯と口の衛生週間に開催されるイベントの
内容が出そろった。開催日は6月1日(土)が多く、道新広告(朝刊)
による各地区イベント開催告知は6月1日となった。
各地で盛り上がるイベントが多く、今年度は札歯会がよ坊さんの着ぐ
るみと共に札歯会独自のキャラクターも登場する予定である。なお、
このキャラクターの愛称は現在募集中である。

新大久保執行部理事候補に富野晃氏

次期日歯理事候補者24名が5月8日の選挙管理委員会で確定し、その中
に富野晃氏が候補者として提出された。次期理事候補者の選挙は6月
20日、21日に開催予定の定時代議員会で代議員の投票により実施され
る。理事候補者は以下の通り。敬称略。
▽大久保満男(静岡県)▽和田明人(徳島県)▽三塚憲二(山梨県)
▽富野 晃(北海道)▽村上恵一(東京都)▽守田邦昭(福岡県)
▽高橋秀直(東京都)▽村岡宜明(神奈川県)▽堀 憲郎(新潟県)
▽倉治ななえ(東京都)▽冨山雅史(東京都)▽中島信也(神奈川県)
▽佐藤 徹(新潟県)▽瀬古口精良(大阪府)▽島田 篤(埼玉県)
▽佐々木俊則(東京都)▽栗田省吾(静岡県)▽芦田欣一(滋賀県)
▽渡邊公人(島根県)▽兜森正道(愛知県)▽比嘉良喬(沖縄県)
▽深井穫博(埼玉県)▽山口武之(新潟県)▽大黒英貴(岩手県)

障がいのある人の歯科治療と全身麻酔治療について

日常的な口腔ケアと口の病気に気づいたら早めの歯科受診は、心身の健康を保つやめにとても大切なことです。しかし、重度の身体障がい、知的障がい、また発達障がいなどのために家庭での口腔ケアに難渋し、さらに歯科への通院や継続的治療にご苦労されている患者さんやご家族に出会うことが少なくありません。
 現在、外来治療を中心に行っていますが、障がいの特性から外来診療では本人の精神的・肉体的負担が大きく全身麻酔下での歯科治療が必要となる場合があります。このような場合、旭川医科大学病院では通院先の歯科の先生と連携して全身麻酔管理下での歯科治療を行っています。全身麻酔管理下で行なっている歯科治療は、虫歯を削り詰め物をすること、歯の神経の除去など一般的な歯科治療、親知らずを含めた抜歯など出血を伴う口腔外科処置などです。
                               メディア あさひかわ 2013.5 №241

向精神薬を密輸入疑い 岡山、歯科医師を逮捕

岡山県警総社署は8日、向精神薬を密輸入したとして麻薬取締法違反の疑いで、岡山県総社市、歯科医師清水洋利(しみず・ひろとし)容疑者(45)を逮捕した。

 逮捕容疑は昨年12月初旬、国の許可なく向精神薬「モダフィニル」をインターネットで108錠購入し、インドから日本国内に郵送させた疑い。「輸入したが、違法とは思わなかった」と容疑を一部否認している。

 神戸税関水島税関支署から通報があり、捜査していた。総社署によると、モダフィニルは眠気などを防ぐ効用があり、市販はされていない。同署は輸入目的を調べている。

 清水容疑者は同県倉敷市内の歯科医院で、非常勤で働いている。

今後に期待できる成人歯科健診事業

2011年より2年間被雇用者への歯科保健指導を希望する29事業所、計
1,464名に対し、歯科保健指導を通じて、歯・口腔の健康づくりを支
援する目的に、北海道歯科衛生士会(武藤智美会長)は会員を派遣し、
本会製作のお口のチェック&アドバイスを利用した生活歯援健口プロ
グラムの健診結果を日本歯科衛生士会学会で発表するとした。健診開
始時と終了時の2回の分析で、1日の歯磨き回数の増加、歯間清掃頻度
の増加など口腔清掃関連の保健行動を中心に望ましい方向への変容を
認めた。今後ともこの生活歯援健口プログラムを利用し歯科保健指導・
健康教育のレベルアップを図れるようにしていきたい。

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