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歯周病検診活用を、登別市が対象年齢拡大し無料化試行

今年も歯の衛生週間(4~10日)が始まったが、登別市の歯周疾患(歯周病)検診の受診率が低調だ。毎年のように予定人員に対する受診率が低く、年間1人という年もあった。市と室蘭歯科医師会登別地区運営協議会は2013年度(平成25年度)、対象年齢を拡大した上で無料化を試行するなど、受診率向上に知恵を絞っている。

 歯石が歯茎の炎症を引き起こすことによりなる歯周病は近年、全身疾患との関わりが注目されている。特に糖尿病など生活習慣病との関係が深く、生活習慣病対策としても歯周病治療の重要性が指摘されている。

 しかし、受診率は低い。市は1996年から検診を開始。40、50、60、70歳の希望者を対象に、定員(10~45人の範囲で年により変更)を設けて実施しているが、直近5年間の受診者は2008年から1人、1人、19人、5人、4人にとどまる。

 市や歯科医師会によると、自己負担が1300円必要だったことや、歯の健康に対する意識の低さなどが原因として推測されるという。両者は広報紙での特集記事掲載や、還暦にターゲットを絞った個別通知での呼び掛けなども行ってきたが、効果が薄いのが現状だ。

 このため本年度からは受診対象を、節目年齢に限らず40歳以上にも拡大。定員を節目年齢10人、40歳以上10人の計20人にした上で、試行的に無料化。さらに歯周病に限定していた検診内容を、かみ合わせなどにまで拡大し「口全体のチェック」をキーワードに、受診を呼び掛けている。

 登別地区運営協議会の田中博典幹事長は「40歳以上の多くが程度は別にしても歯周病ともいわれている。無料化や検診内容拡充などを通じて、低受診率の理由を探り、今後につなげていきたい」と話している。

 受診希望者は28日までに、市健康推進グループ(電話85局0100番)へ申し込むとよい。詳細も同じ。受診期間は8月31日まで。受診場所は市内の各歯科医院。