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中央社会保険医療協議会総会パブリックコメント

厚生労働省は2月7日の中央社会保険医療協議会総会で、「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」に募ったパブリックコメントの総数が2,084件だったことを明らかにした(意見提出件数は553件)。受付期間は1月12日から19日の1週間で、意見を寄せた人の職業で最も多かったのが歯科医師で全体の47.4%だった。 次いで多かったのが医師で24.4%、その他の医療従事者9.2%、薬剤師5.1%、会社員(医療関係の企業)3.8%となっており、看護師0.9%を含めれば医療関係者で90.8%を占めており、今回の診療報酬改定が医療現場に大きな影響を及ぼすことが浮き彫りになったといえる。

発達障害抱える学生が増加、優先席や休憩室の確保で配慮…支援の専門部署ある大学は3割未満

私立大学で発達障害を抱えた学生が増え、支援体制の整備が急務となっている。4月には改正「障害者差別解消法」が施行され、障害のある学生の困難を軽減する「合理的配慮」が国公立大学に続き、私立大学でも義務づけられるためだ。発達障害は周囲に気付かれにくく、一人ひとりに応じた支援が求められるが、大学間で取り組みに差が出ている。(松本将統)

私大にも配慮義務

 「卒論の実験は、データ取得に苦労しながらも頑張っています」

 東京都日野市の明星大で昨年12月上旬、発達障害のある理工学部4年の女子学生(22)が、臨床心理士と面談をしていた。

 女子学生は対人関係を築くのが苦手な「自閉スペクトラム症(ASD)」を抱え、集団行動が得意ではない。入学後、「グループでの実験では他の人に迷惑をかけてしまう」と悩んだ。

 大学に相談すると、2年時から大学院生のサポートが付き、一人でも実験に取り組めるようになった。聴覚が過敏なため、授業では空調音などを低減させるヘッドホン型の防音保護具の使用が認められている。女子学生は「勉強に集中できる環境を整えてもらったので、なんとか卒業できそう」と話す。

 明星大では2015年、障害のある学生の相談窓口「ユニバーサルデザインセンター」を設けた。臨床心理士などの専任スタッフ3人が学生と面談を行い、個別の支援計画を立てる。

 センターは、4月の改正法施行を前に、障害のある学生への支援内容をまとめた教職員用ハンドブックを作った。林貴雄マネジャー(61)は「学生のニーズに応えられるように大学全体で支援していきたい」と話す。

10年間で5倍

 日本学生支援機構によると、22年度に大学や短大などに在籍する障害のある学生は4万9672人で、12年度の約4倍に増加した。このうち発達障害のある学生は1万288人で、10年間で約5倍に増えた。

 背景には、発達障害への理解が深まり、診断を受ける子どもが増えたことなどがあるという。大学は高校までと異なり、履修登録などを自分で行わなければならず、大学生活で初めて発達障害に気づく学生もいる。

 一方で、大学生活に困難を抱えた学生が休学、退学するケースも少なくない。

個人立歯科診療所の損益差額がダウン。歯科診療所間の格差も広がるばかり。

厚生労働省が公表した、第24回医療経済実態調査によると、令和4年度の損益差額は個人立歯科診療所が1238万円、医療法人は962万3千円と、共に前年度を下回ることとなった。
 個人立歯科診療所の医業収益4719万円、介護収益は21万3千円で、それぞれ前年度からの伸び率がマイナス1.6%、マイナス1.8%。反対に、医業・介護費用は3502万3千円で0.1%プラス。特に、水道光熱費が12.6%アップの75万円となり、経営を圧迫している。

口腔がん細胞による腫瘍形成を抑制する副作用が少ないがん治療薬の開発に光。

東京医科歯科大学大学院医 歯学総合研究科病態生化学分野の渡部徹郎教授らの研究グループは、TGF-βを阻害する新規Fc融合タンパク質を開発した。
 このTGF-β阻害剤は、がん細胞や腫瘍血管に作用し、腫瘍形成を促進する様々な因子の発現を低下させることで、がん微小環境ネットワークを遮断する。副作用も少なく、腫瘍形成を阻害できるとのことが分かった。

入れ歯を毎日洗浄していない人が32.1%。正しい洗浄方法を行っている人は半分以下。

歯科技工所運営などを行うお守り入れ社が、入れ歯の洗浄と就寝時の利用状況についてアンケートを実施ところ、38.1%もの人が毎日洗浄していない実態が明らかになった。しかも、その内の12.8%が入れ歯を全く洗浄していないと回答。
 洗浄方法については、ブラシで食べかすを取り除いた後、洗浄液で一晩しっかり除菌することが推奨されているが、正しい洗浄方法を行っている人は42.1%にとどまった。
 洗浄液に浸す時間については、57.9%が一晩中と回答した一方、30分以内が19.8%と二番目に多く、全体の42.1%で除菌が不十分であることが分かった。

65歳以上で残存歯が20本未満の場合、死亡および身体的機能障害リスクが上昇。

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 健康推進歯学分野の相田潤教授、木野志保講師らの研究で、口腔の健康状態と死亡が最も頑健な関連性を示すことが分かった。
 研究グループは、口腔の健康状態と複数の健康・ウェルビーイングの指標との関連を網羅的に検証。その結果、歯が20本以上ある人に比べ、20本未満の人は6年後の死亡リスクが10~33%高く、身体的な機能障害のリスクが6~14%高いことが分かった。

労働安全衛生法に基づく定期健康診断の実施について

事業所は労働者に対し、健康診断を受診させることが義務付けられています(労働安全衛生法第66条)。歯科医療機関で歯科医師、歯科衛生士、事務職員等を1人でも雇用している場合、年に一度健康診断を実施しなければならず、健康診断の結果は労働安全衛生規則第51条により5年間保存しなければなりません。

 すでに遵守されていることと存じますが、改めてお知らせいたします。

中医協公聴会 「か強診」要件の見直しなど要望

 次期診療報酬改定の審議に国民の声を反映させるための中医協公聴会が19日開かれた。それぞれの立場の10人が意見を発表し、その中で歯科医師の森本 進 氏は「か強診の要件」「院内感染防止対策の施設基準の要件と評価」「歯科衛生士の実地指導の評価」「歯科の基本的技術料の評価」の見直しを求めた。
 
 森本氏は、健康寿命の延伸のために歯科医療の果たす役割は大きいとし、歯周病などの重症化予防、口腔機能の維持・向上、生活の質を高める歯科医療をかかりつけ歯科医が地域で切れ目なく提供する重要性を強調。「今回の同時改定では、リハビリテーション、栄養管理、口腔管理の一体的な取り組みが推進されるように要望する」と訴えた。
 
 さらに「周術期等口腔機能管理は重要性が理解されるようになってきたが、回復期医療や慢性期医療を担う病院での口腔管理はまだまだ不十分」と指摘。「これらの取り組みが進むように、かかりつけ歯科医を含めて医療・多職種・地域連携がより強化される体制整備が必要と考える」と述べた。

【歯科通信】

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