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診療報酬財源死守の動き

岸田文雄 内閣総理大臣が掲げる少子化対策で、診療報酬などを含む社会保障費から財源を捻出する可能性が出てきた問題を受け、歯科を含む医療界では診療報酬財源を死守しようとする動きが活発化している。5月25日には日本歯科医師会・日本医師会・日本薬剤師会を含む12団体が「医療介護における物価高騰・賃金上昇への対応を求める合同声明」を公表した。

 合同声明では、「急激な物価・賃金高騰の状況にある中で、公定価格により運営する医科歯科医療機関、薬局、介護施設などは、価格に転嫁することができず、物価高騰と賃上げへの対応には十分な原資が必要である」と指摘。そのうえで「少子化対策は重要な施策だが、病や障害に苦しむ方々のための財源を切り崩してはならない」として、対策に向けた財源論をけん制した。

歯と口の健康週間啓発広告

北海道歯科医師会では、例年、「歯と口の健康週間の啓発広告」を新聞に掲載しております。

 掲載日が確定しましたので、お知らせいたします。

【掲載日】2023年6月1日(木)
【掲載新聞】北海道新聞 朝刊 15段

睡眠中の歯ぎしりは食物繊維の摂取量と関連

岡山大学は5月24日、睡眠中に歯ぎしりをする大学生は食物繊維の摂取量が少ない傾向にあることを明らかにしたと発表した。この研究は、同大学術研究院医歯薬学域の外山直樹助教、江國大輔准教授、森田学教授(当時)、ノートルダム清心女子大学食品栄養学科の長濱統彦教授、小見山百絵准教授、山下美保准教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Journal of Clinical Medicine」にオンライン掲載されている。

 睡眠中の歯ぎしりへの一般的な対処法はマウスピースによる歯の保護などのように、歯ぎしりによる被害を緩和する対症療法である。しかし、歯ぎしり自体を減らす方法はまだ見つかっていない。研究グループは先行研究で睡眠中の歯ぎしりと睡眠の質との関連を明らかにした。睡眠中の歯ぎしりは睡眠段階N1(浅いノンレム睡眠)に起こりやすいことがわかってきている。つまり、睡眠中の歯ぎしりは睡眠の質が低いと起こりやすいことを示している。そこで今回、睡眠に影響を及ぼすものとして栄養に着目した。例えば、コーヒーに含まれるカフェインは覚醒作用があり、睡眠時間を短縮することが知られている。

アレルギー:親の唾液でアレルギー予防? 乳児期摂取、発症低下 研究チームが調査

 和歌山県立医科大などの研究チームは、1歳までの乳児期に親の唾液を口にした小中学生は、アトピー性皮膚炎とアレルギー性鼻炎の発症リスクが下がる傾向があると発表した。約3600組の親子を対象に、大規模な疫学調査をした。親の口の中にいる細菌が乳児の免疫を刺激し、アレルギー予防につながっている可能性があるという。

 チームは2016~17年、石川県と栃木県の小学1年~中学3年の子どもとその親計3570組を対象に調査。アンケートで乳児期の生活習慣などを質問し、94・7%が回答した。

 調査結果によると、小中学生のアトピー性皮膚炎の発症は、乳児期に親と食器の共有をしていると48%低下し、親が口の中に入れたおしゃぶりを使っていると65%低くなった。アレルギー性鼻炎の発症は、おしゃぶりの共用で67%低下したが、食器共用とは明らかな関連は見られなかった。

 13年にスウェーデンで同様の調査が行われ、乳児期に親の唾液を摂取すると3歳時点でのアレルギー発症リスクが低下するとの結果が発表されたが、小中学生にまで広げた研究は初めてという。

 チームの久保良美・和歌山県立医大博士研究員は「乳児期のどのタイミングで親の唾液に触れるのが一番効果的なのか、さらに研究が必要だ」と指摘した。

 一方、親の唾液が乳児期の子どもの口の中に入ると、虫歯の原因となるミュータンス菌に感染するという指摘がある。久保研究員は「ミュータンス菌は、歯が生えてから定着する。歯が生える前の唾液接触が重要だ」と話した。

歯科診療所運営の法人破産、負債1億

(医)社団〇会(厚〇市、設立199〇年9月、)は4月20日、地裁支部より破産開始決定を受けた。破産管財人には〇弁護士が選任された。

 負債総額は約1億1900万円。

 「歯科クリニック」を運営し、
歯科診療所として相応の患者を抱えていた。しかし、20〇年に院長であった氏が、病気を理由に診療できなくなった。このため、親族が実質的に事業を承継したものの、業績不振が続いていた。具体的な打開策などもなく、支えきれなくなり今回の措置となった。

静岡県民の歯科受診半数以下 静岡県と社会健康医学大学院大が分析

静岡県と静岡社会健康医学大学院大(静岡市葵区)は国民健康保険の特定健診や医療、介護の情報を保管する「国保データベース」を活用し、歯科口腔(こうくう)の健康課題に関する分析結果をまとめた。1年間に歯科を受診した県民は半数以下にとどまり、糖尿病患者の受診割合はそうでない人に比べて低いことが判明。年代別や地域別のデータを県や市町の施策に生かし、受診率の向上を促す。

 匿名化された静岡県内の被保険者約200万人のビッグデータから重複事例などを整理し、2015~19年度の5年分を解析した。

 19年度に1回以上歯科を受診した人の割合は46・0%で、15年度の42・3%から年々増加した。19年度の受診割合は男性43・6%、女性47・9%。年代別は20代が21・6%で最も低く、70代が54・3%で最も高かった。

 40歳以上の歯科受診割合を地域別にみると、藤枝市が52・8%で最も高く、浜松市、湖西市、清水町、長泉町も50%を超えた。伊豆は受診割合が低い市町が多く、最も低い松崎町は30・0%にとどまった。市町の比較については「人口10万人当たりの歯科医師数や所得情報なども考慮した解析が必要」と指摘した。

 糖尿病患者の受診割合は男性44・1%、女性45・9%で、糖尿病でない人より男性で1・7ポイント、女性で4・1ポイント低かった。そしゃく状態についても分析したところ、「ほとんどかめない」と回答した人は歯科受診割合が低いことも分かったという。

 分析結果は県の次期歯科保健計画に反映させるほか、市町とも共有する。歯と口の健康は全身の病気リスクに影響するとされ、報告書では「歯の数と寿命」「歯周病と循環器疾患」「口腔の健康と認知症」などをテーマにしたエビデンス(根拠)コラム集も掲載した。

 データ分析を取りまとめた同大学院大の佐藤洋子講師(医療統計学・歯科学)は「定期的な歯科受診によって歯と口の健康を保つことができる。年代別や地域別に受診割合を向上させるための対策を進めることで、健康寿命の延伸につなげたい」と話す。

子供用歯磨剤「チェック・アップコドモA」(以下本製品)の使用後にアナフィラキシー

本年5月19日の厚生労働省通知により、子供用歯磨剤「チェック・アップコドモA」(以下本製品)の使用後にアナフィラキシーを発現した事例が、2022年12月から2023年5月の間に3件報告されています。本製品の使用とアナフィラキシーの発現との因果関係は明らかにされていませんが、厚生労働省は,今後本製品の使用に関する安全性についてより注視する必要があるとしています。それを受けて、ライオン歯科材料株式会社より、本製品を患者様に推奨するにあたって、患者様のアレルギー様症状の既往や喘息の既往等を確認するように注意喚起されています。詳細は以下URLよりご確認の上、ご対処いただきますようよろしくお願いいたします。

厚生労働省通知
https://www.mhlw.go.jp/content/001098618.pdf

ライオン歯科材料株式会社より注意喚起文
https://acrobat.adobe.com/link/review?uri=urn:aaid:scds:US:d36bad9f-f4b5-3350-8cea-be05ce6c1536

歯科衛生士 9割超が「転職経験あり」 職場選びでは「勤務地」を重視

「転職経験あり」と回答した歯科衛生士は9割以上で、職場を選んだときに重視したポイントでは、「勤務地・通いやすさ」が最も多く、「仕事内容・業務内容」「給料・待遇面」の順で多かった。

 デンタルサポートが調査したもので、転職経験の有無と回数では、95%が「転職経験あり」と回答、「3回」27.9%、「2回」15.1%、「1回」13.6%だった。さらに、転職のタイミングでは「次が決まったらすぐ」25.1%、「年度末などの区切りのいいタイミング」22.8%、「ボーナス・賞与支給後」8.2%と、人材の流動性が高いことが分かった。退職理由では、「人間関係への不満」11.1%が最も多く、「結婚のため」10.4%、「出産のため」8.8%、「仕事内容への不満」7.8%、「経営方針が合わない・共感できない」6.5%、「キャリアアップできないと感じた」6.1%などの結果が出た。

【歯科通信】

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