唾液腺腫瘍患者を対象に、併存疾患、人種、社会経済的因子の生存転帰への影響を後ろ向きコホート研究で検証。カプランマイヤー生存曲線およびCox比例ハザードモデルで解析したところ、学歴が高校卒業以下の居住者が多い地区での居住、男性、診断時の高年齢、チャールソン併存疾患指数高値が、5年および10年生存率の有意な低下因子だった(順にP<0.05、0.05、0.001、0.05)。人種は生存の影響因子として特定されなかった。
唾液腺腫瘍患者を対象に、併存疾患、人種、社会経済的因子の生存転帰への影響を後ろ向きコホート研究で検証。カプランマイヤー生存曲線およびCox比例ハザードモデルで解析したところ、学歴が高校卒業以下の居住者が多い地区での居住、男性、診断時の高年齢、チャールソン併存疾患指数高値が、5年および10年生存率の有意な低下因子だった(順にP<0.05、0.05、0.001、0.05)。人種は生存の影響因子として特定されなかった。
80歳以上の人を対象に、佐世保市と市歯科医師会が毎年開いている「歯の健康優良高齢者コンテスト」で、木村秋時さん(85)=小佐世保町=が前人未到の6年連続金賞の記録を打ち立てた。健康な歯を維持する秘訣(ひけつ)は「毎日4回の歯磨き」。「歯は体の健康に関係している。これからも続けたい」と話している。
コンテストは歯と口の健康週間(4~10日)に合わせて開き、毎年30人ほどが参加。20本以上自分の歯があることが条件で健康な歯の本数や歯並び、歯周病の有無を審査。年齢を加味して順位を決める。24回目になるが、金賞を6回獲得した人は初めて。
歯磨きは朝昼晩に加え、夜中に目が覚めた時もしている。時間は歯間ブラシも使って丁寧に5分間。コンテストに出始めてから、ほとんど行ったことがなかった歯科医院にも定期的に通い検診を受けている。
木村さんは元小学校教員。児童には「歯は健康の窓」と指導し、自らも人一倍虫歯に気を付けていた。年を重ねるにつれ、あらためてそれを実感している。「この年になっても大きな病気をしていないのは歯を大切にしたから。これからも食べたらしっかり磨くことを心掛けたい」と自慢の歯を見せた。
歯や口の健康について考える「歯と口の健康フェスティバル2017」(宮崎市郡歯科医師会など主催)が4日、宮崎市の宮交シティであった。親子連れら約1800人でにぎわった。
歯の健康を意識してほしいと始まり、今年で34回目。会場には、CCDカメラで自分の口の中を見る歯科検査体験や正しい歯磨きを学ぶブラッシング指導など5ブースが、設けられた。
同医師会の公衆衛生担当理事、西村秀一さん(45)は「歯の状態は体全体の健康につながる。日ごろからきれいにしておくことを意識してほしい」と話す。
家族で訪れた宮崎市立大塚小6年の沖晃成さん(11)は「自分の歯をほめられてうれしかった。もっと歯をきれいにしていきたい」と話した。
日本歯科医師会などが提唱する「歯と口の健康週間」が4日から始まったことに合わせ、県内でも、健康で丈夫な歯を願う神事や、動物の標本で歯の働きを学ぶイベントが行われた。週間は10日まで。
県歯科医師会は4日、鹿児島市の松原神社で「歯の感謝祭」を開いた。歯科医ら約50人が出席し、会員から集まった患者の歯約2万本を供養して、歯の健康を願った。
松原神社は、戦国時代の島津家当主・貴久の家臣、平田純貞をまつっている。純貞は急死した貴久に殉じて、生きたまま棺おけに入って海に沈んで死んだが、その際、あごの骨が砕けるほど強く歯を食いしばったとされる。後に、丈夫な歯を願う人から「歯のかんさあ(歯の神様)」と呼ばれ、参拝されるようになったという。
感謝祭では、県歯科医師会の森原久樹会長(74)ら関係者が、祭壇に玉串を奉納。森原会長は「歯が良くなることは全身の健康維持につながる。県民一人ひとりが、歯をきれいにすることを意識してほしい」と話した。
◆動物園ではカバの歯みがき
鹿児島市の平川動物公園では3、4日、動物の歯の標本を使って、歯の仕組みや役割を説明するイベントが行われた。
カバのコーナーでは、若松富男飼育技師が、カバはあごが150~180度開くことや、獲物や敵と向き合う時に使う犬歯は50センチ近くにまで達することを説明。この後、カバに大きく口を開かせ、歯をヤスリで磨く様子を披露すると、来園者たちは興味深そうに見学していた。
厚生労働省は2日、80歳で自分の歯が20本以上ある人の割合が推計で51・2%に上り、初めて2人に1人以上になったとする2016年歯科疾患実態調査の結果を公表した。40・2%だった11年の前回調査から10ポイント以上増えた。担当者は「歯を強くする成分を配合した歯磨き粉が増えたほか、高齢者らの口腔(こうこう)ケア意識が高まった結果ではないか」としている。
20本は、入れ歯なしにほとんどのものを食べられる目安で、厚労省は「8020運動」として、高齢者の口腔ケアを推進している。
調査は昨年10~11月、全国から抽出した1歳以上の男女6278人を対象に実施し、うち3820人の口の中を歯科医が診察した。
20本以上の歯がある人の割合は、75~79歳で8・5ポイント増の56・1%、80~84歳で15・3ポイント増の44・2%だった。80歳時点での割合は、75~84歳の結果から推計した。
1日の歯磨き回数は1回が18・3%で3・6ポイント減少。一方で2回は1・5ポイント増の49・8%、3回以上は2・1ポイント増の27・3%となり、2回以上の割合は前回より増えた。
調査は6年ごとに実施していたが、今回から5年ごとに変更された。
常在菌は日常的に体内に住みついている菌のこと。
悪玉もあれば善玉もいて、一定の割合で拮抗していて
病原性の強い菌の増殖を抑制しています。
口腔感染症の多くは口腔内常在菌が原因ですが、
口腔内細菌は大腸菌などの一般細菌などに比べて
病原性が非常に低いため、口腔疾患は発症までに時間がかかります。
本来口腔内には歯や粘膜に付着できる菌しか定着できませんが、
口腔ケアが不十分だとプラーク(歯垢)量が増加し、
定着できない菌も初期プラーク形成菌に付着してしまいます。
結果、プラーク量と共に縁下プラークに生息する偏性嫌気性菌が
発育可能となるため、歯肉炎や歯周病が発症しやすくなります。
むし歯や歯周病は生活習慣病と思われがちですが、細菌感染症です。
健康に暮らすためには口腔ケアが重要であり、
常在菌とより良い共生関係を維持することが大切になってきます。
4月24日(月)に開かれた参議院決算委員会で「口腔の健康は全身の健康につながる」との認識を示した上で「口腔と全身の健康の関係に着目しながら総合的な歯科口腔保健の政策を推進していきたい」との考えを厚労相が自ら示したことは画期的とも言える。
答弁では、「口腔ケアで誤嚥性肺炎の予防につながる、歯数が多いほど何でも噛んで食べる割合が多い」との調査結果も報告されている。
さらに「高齢者の患者の増加によって歯科保健医療の状況は大きく変わっている。今後、医科と連携した歯科訪問診療の充実、多職種による研修・会議への歯科医師の参画を通じて地域における取り組みを進めていくことが重要と認識している」と述べた。
奥羽大(郡山市)の大島光宏薬学部教授(59)を中心とした研究グループは、歯肉から出るごく微量の液体(組織液)のマイクロRNAで、歯周炎を高精度に診断できる方法を開発した。30日、欧州生化学連合の世界的な専門誌で公開した。歯周炎を一目で診断できる世界初の技術として、将来的に臨床現場での幅広い活用が期待される。
歯周炎はこれまで、歯科医が歯周ポケットの深さや歯肉の色、X線写真などで見て診断していた。今回の方法では、歯と歯茎の間に濾紙(ろし)を挟み、組織液に含まれるマイクロRNAを採取して増幅。マイクロRNAが高く現れたか低く現れたかをパネルを使って表し、歯周炎か健常かを一目で分かるようにした。
歯周炎検査法のイメージは、健常は上が高く発現し(赤色)、下が低く発現(緑色)。歯周炎は上が低く発現し、下が高く発現している。パネルを通して、調べた部位の病気が現在進行しているのかどうかを客観的に判断できる。
研究は奥羽大薬学部、東大呼吸器内科、東京医科歯科大歯周病学分野、慶大理工学研究科、日大歯学部と共同で進めた。大島教授は「生物学的根拠に基づき、歯周炎を客観的に診断できるようになったのは画期的。早期発見に向けて追加研究を進めていきたい」と話した。新たな診断法は国際特許を申請している。
マイクロRNAをめぐっては、全国の研究者らが、がんを早期診断できるシステムを構築するなど、国内外から注目が集まっている。研究は、ふくしま医療福祉機器開発事業費補助金を活用した。