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医師の働き方改革、そもそも医師は労働者なのか

1.医師は労働者なのか

 医師の働き方改革の制度の概略を前回お示しした。年間の勤務医の時間外労働の上限は原則960時間とされている。地域に必須の医療に影響が出るような医療機関や、研修医や高度技能を習得する必要がある医師が勤務する医療機関は、当面最大1860時間とされている。実は、医師の労働時間の上限は一般の労働者と異なる制度であり、施行を2024年4月とする猶予が設けられているが、労働時間の上限規制は全ての労働者が対象で既に労働基準法が改正されて2019年4月から適用されている。

 では、そもそも労働時間というのは何だろうか。ここでいう労働時間は労働基準法の労働時間規制の対象となる労働者の労働時間のことである。雇用されて働いている人は労働基準法上の労働者である。もしかしたら、医師が労働者と言われると違和感を持つ人もいるかもしれないが、医療機関と雇用契約を結んで働いている限り労働基準法上の労働者に該当するので、労働時間規制も適用される。

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