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病院長解任、旭医大激震 情報流出巡り亀裂か 教授不祥事に続くゴタゴタ

旭川医科大にまた衝撃が走った。旭川医大病院の古川博之病院長の解任が役員会で決まり、25日の全学説明会で全教職員に伝えられた。2019年秋以降、教授2人が医療機関や製薬会社から不正に多額の報酬を受ける不祥事が発覚。機能不全に陥ったガバナンス(組織統治)を回復させようとした矢先の解任劇だった。旭川医大に何が起こっているのか。

 大学側は、吉田晃敏学長や副学長ら12人が出席して昨年11月17日に開いた会議の発言を録音し、週刊文春に情報を提供したのが古川病院長と見て、解任の理由の一つに挙げている。

 昨年12月24日発売の週刊文春は「旭川医大学長クラスター病院に『なくなるしかない』」との見出しで、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が当時発生していた旭川市の慶友会吉田病院について、吉田学長が「コロナを完全になくすためには、あの病院が完全になくなるしかない」などと発言したと報じた。

 週刊文春の電子版に載った吉田学長の肉声が決定的な証拠となって大学側は認めざるを得ない状況に追い込まれた。発売後、吉田学長はコメントを発表した。この中で「不適切な発言であったと深く反省している」とした上で、発言の真意について「吉田病院の閉鎖等を望むことを意味するものでない。なくなるしかないのは吉田病院の新型コロナ感染症」と釈明。その一方で、「(発言内容が)外部に漏えいしたこと自体が問題」と、「ネタ元」への非難をほのめかしていた。

 旭川医大の聞き取り調査に対し、古川病院長は全面否定したが、古川病院長を除く会議の出席者が全員、関与を否定したことを根拠に「ネタ元」と決めつけられたという。

 週刊文春への情報の流出経路は不明のままだ。ただ、旭川医大が吉田病院から医大病院への感染者受け入れを昨年11月に検討した際、吉田学長が拒否し、受け入れを取りやめたと、古川病院長が報道各社の取材に証言したことなどから、吉田学長の古川病院長への不信感は決定的になったとされる。

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