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ワクチン接種、全国1万か所拠点に…氷点下75度の超低温冷凍庫を配備

厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの接種を、全国約1万か所の医療機関などの「基本型接種施設」を拠点として実施する方針を決めた。各拠点には氷点下約75度でワクチンを保管できる超低温冷凍庫を配備、そこを起点に2~8度の冷蔵状態で診療所などに輸送し、多くの人に効率的に接種する体制を整える。

 2月下旬にも接種が始まる米製薬大手ファイザーのワクチンは、基本的に超低温で保管する必要があり、冷蔵での保管は最大5日間に限られる。厚労省は超低温冷凍庫を、2月末までに約1500台配る。6月末までに計約1万台を全市区町村に最低1台割り当て、基本型施設に位置づける。

 基本型は接種会場になるほか、「サテライト型接種施設」に位置づける地域の診療所などへ冷蔵輸送する起点にもなる。サテライト型への輸送は3時間以内を目安とする。基本型とサテライト型を合わせると、人口5000人に1か所程度、接種施設が設けられる。サテライト型から高齢者入所施設などへ医療従事者が訪問して接種することも認める。

 接種は医療従事者を優先し、2月下旬にもスタート。65歳以上の高齢者への接種は早ければ3月下旬に始まる。その後、基礎疾患のある人などへ順次接種される。

 ファイザー製ワクチンは製造販売に向け審査中で、政府は6000万人分購入することで合意している。ファイザー以外では、英製薬大手アストラゼネカと6000万人分、米バイオ企業モデルナと2500万人分のワクチンを購入する契約を結んでいる。

 モデルナのワクチンは氷点下20度での保管が必要で、政府は別にモデルナ用の冷凍庫約1万台を確保する。アストラゼネカのワクチンは2~8度の冷蔵保管が可能だ。

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