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認知症と歯周病

認知症にはアルツハイマー型やレビー小体型、血管性認知症等いろいろな
種類がありますが、65歳以上の高齢者の方の4人に1人が認知症または
認知症予備軍だと報告されています。

歯周病になると歯肉等に「慢性的に小さな炎症」が続きます。
炎症は体内で発生した“害”に対する防衛反応です。
炎症を起こした際にタンパクや活性酸素などの生理活性物質を産生しますが、
この物質は炎症部位だけでなく、全身的に病的な老化や
認知症の原因になることが分かってきました。

アルツハイマーで亡くなった方の脳を調べると
ジンジバリス菌(歯周病原細菌の1つ)がもつ毒素が高頻度で検出され、
アルツハイマーではない方の脳内では検出されませんでした。
また同様にマウス実験でもジンジバリス菌は脳内へ移行しやすい性質が
あることなどが分かってきました。
しかし、歯周病による炎症反応だけがアルツハイマーを発症させることは
考えにくいため、炎症反応によりアルツハイマー病の発症時期を早めたり、
認知障害を重症化させたり、進行を早めるといった事に関係するのではないかと
考えられます。

アルツハイマーの原因物質アミロイドβタンパク質の蓄積は発症の
10年~15年以上前から始まります。
アルツハイマー発症の前段階の軽度認知症の症状が出てからでは
対応が遅れてしまうことになります。
遅くても40代からはプラークコントロール等に気を付けて、
自覚症状が出にくい歯周病対策をしっかりする必要があるのではないかと思います。

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