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岡山大病院 口唇口蓋裂、連携して治療 センター開設 患者の負担軽減

 岡山大病院(北区鹿田町2)は、生まれつき唇や口の中に裂け目がある口唇(こうしん)口蓋(こうがい)裂を院内の複数にまたがる分野の医師らが連携して治療にあたる「口唇裂・口蓋裂総合治療センター」を県内で初めて開設した。患者の情報を院内で共有し、総合的・継続的な治療が施せるため、患者の負担軽減にもつながるという。

 口唇口蓋裂は、胎児期に唇や上顎(あご)の形成がうまく進まず、口の周辺が裂けた状態で生まれてくる先天性の疾患。修復手術や言語訓練などを受ければ外見的に分からず、発音も改善されて機能的な障害はなくなるという。日本では500~600人に1人の割合で生まれるとされる。

 治療には、出生時から成人するまでの長期間、多岐にわたる分野の受診が必要で、複数の病院や診療所に通わなければならないこともあり、時間的・経済的負担が大きくなるという。5月に開設された同センターでは、矯正歯科や口腔(こうくう)外科、形成外科などの各専門医が連携し、手術だけでなく、食事や話し方などについてもアドバイスなどが受けられる。

 センター長を務める上岡寛教授は「患者が動くことなく、医師が治療に行ける。より安心して治療を受けられる環境作りに努めたい」と話している。
2015年6月29日(月)配信毎日新聞社

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