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口腔癌術後合併、喫煙と頸部郭清で増

米国の口腔癌手術症例408例を対象に、術後合併症および死亡率を後ろ向きコホート研究で検証。30日全合併症率は20.3%、30日全死亡率は1.0%だった。喫煙が呼吸器または手術部位の合併症と(オッズ比3.59、5.13)、頸部郭清術が呼吸器、手術部位、感染性の合併症と独立して関連した(同6.17、6.30、3.83)。

入院者の口腔ケアへ拠点 徳島県歯科医師会が県西・県南の病院に開設

徳島県歯科医師会が、県西部と南部の病院に「歯科医療連携室」を開設し、入院患者の口腔(こうくう)ケアや診療に力を入れている。両連携室には歯科衛生士が常駐し、医師らの依頼を受けて業務を行う。近年、口腔内の健康と合併症の関係が注目されており、同会は「今まで考えられていた以上に歯科が健康に貢献できる」と医療と歯科医療の連携効果に期待を寄せている。

 西部はつるぎ町の町立半田病院、南部は阿南市の阿南医師会中央病院の院内にそれぞれ3月に開設。2011年に徳島市の県歯科医師会館内に設けた連携室は東部と位置づけた。

 南部連携室では、歯科衛生士による患者の口腔ケアや看護師への指導、歯科医師を中央病院に派遣して院内での治療に当たっている。産婦人科がある半田病院内の西部連携室では、妊婦に歯周病と早産の関係についても説明している。南部連携室の西川裕子歯科衛生士は「入院患者の中には、滑舌や表情が良くなるなどの効果も出ている」と話す。

 同会によると、口内に細菌が繁殖したまま放置すると合併症のリスクが高まる。例えば高齢者の死亡原因で大きな割合を占める肺炎は、口の中の細菌が誤(ご)嚥(えん)によって肺内に入って引き起こされることが多い。

 県は2015年度当初予算に連携室の運営費として990万円を計上し、運営を後押しする。同会医療連携担当の秋田豊仁常務理事は「連携室を通し、口の機能を維持することが全身に良い影響を与えることを、患者や家族、医療関係者に実感してもらいたい」と話している。

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