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和ケア 法施行7年、浸透せず 周知へ、厚労省がリーフレット

緩和ケアは、がんと診断された時から始まります――。2007年施行のがん対策基本法で、がん医療の柱の一つに据えられた「緩和ケア」だが、いまだに医療機関によって取り組みの差が大きいため、厚生労働省は先月、全国397カ所のがん診療連携拠点病院に理解を助けるリーフレットを配布した。「今更」ともいえる周知徹底策だが、厚労省は「患者の理解も必要になる。各病院は、分かりやすく伝える資料を作ってほしい」と求めている。

 患者のさまざまな身体的、精神的苦痛を低減する緩和ケアの対象については、「治療後」「終末期」など誤解が根強い。リーフレット(A4判2ページ)では、診断時から全ての患者に切れ目なく、適切なケアを実施するよう求めた。また冒頭に赤字で、「医師をはじめとする、全ての医療従事者」が読むよう呼び掛けた。

 拠点病院では、08年から専任の医師や看護師による緩和ケアチームの整備を義務付けられたが、5年以上たった今も、▽医療者の意識が以前と変わらない▽ケアに対応する人員が足りない――などから、対応に差が生じている。

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