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歯科の「認定医」に統一基準を

患者が歯科医院を選ぶ際に出身大学や症例数、そして学会の「認定医」なのかどうかを基準にすることがあるでしょう。歯科医院のホームページの多くには、認定医についての情報も掲載されています。

 しかし、歯科の認定医について、審査基準があいまいだと感じた経験があります。知人に頼まれ、ある学会の設立の手伝いをしました。学会の紹介文や会長のあいさつ文の校正をした程度でした。しかし、その学会設立後、私はその学会の認定医になっていたのです。認定医になる試験も受けておらず、責任の重さを感じて辞退しました。

 歯科医師の学会認定医は、厳しい基準を設けて高い技術を求める学会もあれば、わずか数時間の受講で認定証を発行したり、活動実績が乏しかったりする学会もあるようです。

 厳しい歯科医院経営を乗り切るには、学会の「お墨付き」である認定医という看板を掲げるのは有効でしょう。しかし、患者さんから信頼できる歯科医師として「認定」される方が大事です。歯科医の学会認定医には、レベルの高い統一基準が必要だと思います。

患者の医療情報、ネットで共有 道北地域、旭川の大規模5病院を核に

旭川赤十字病院など旭川市内の大規模5病院を核に、100を超える道北地域の中小規模医療機関をインターネットを介してつなぐ医療情報ネットワーク「たいせつ安心i(あい)医療ネットワーク」が、今年4月からスタートした。5病院が診療記録やコンピューター断層撮影装置(CT)をはじめとする画像情報などを提供することで、当該患者が他の医療機関にかかっても、診療経過を容易に知ることができるシステムだ。将来的には、道北全域のネットワーク化を目指している。

 同ネットは、旭川赤十字病院と地域医療機関が連携した「旭川クロスネット」を大幅に拡張したシステムで、ネットの中核となるのは旭川赤十字、旭川医大、市立旭川、旭川厚生の各病院と国立病院機構旭川医療センター。5病院は患者の同意を得た上で、診療記録と画像情報を提供する。さらに、富良野協会、留萌市立、深川市立の3病院は画像情報のみを登録する。

 一方、地域の医療機関は、患者の同意を得たうえでインターネット経由で情報を閲覧できる。5月28日現在、参加している地域医療機関は、旭川をはじめ稚内市、留萌市、留萌管内羽幌町、上川管内美瑛町など道北の病院28、診療所71、歯科医院12、処方箋薬局11、計122医療機関となっている。利用する際、第三者への情報漏えいを防ぐため外部からアクセスできない仕組み「仮想プライベートネットワーク(VPN)」を使っている。

 このシステムを使うと、患者は、例えばがんなど重い病気でかかりつけの診療所から大規模病院へ転院して治療を受け、再び診療所に通院することになっても、診療所の医師がそれまでの診療経過を踏まえた対応をとることができ、重複した検査を避けられるなどのメリットもある。

 富良野協会病院など画像情報のみを提供している3病院については、冬季の夜間の暴風雪で旭川に搬送できない急患がいる際などに、CTや磁気共鳴画像装置(MRI)の画像を旭川の大規模病院にいる専門医が見てアドバイスすることで、的確な治療につながると期待されている。

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