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在宅歯科医療研修会 口腔ケアの在宅医療連携について

-急がれる都市型高齢化への対応と在宅医療連携-

 日時 平成26年3月8日(土) 18:30~20:30
 会場 旭川市大雪クリスタルホール大会議室(旭川市神楽3条7丁目)
 対象 保健医療福祉関係者等

講演 「柏プロジェクト発の超高齢化社会における地域包括ケアと歯科が担う役割の変化」
    講師 大石歯科医院 院長 大石善也氏

申込み・お問合せ
 上川中部地域歯科保健推進協議会事務局(旭川市保健所健康推進課内)
 ℡0166-25-6315 FAX0166-26-7733
 参加無料 3/7(金)までにお申込み下さい。

高齢化で増える肺炎死

●病原体、球菌多く

 肺炎は、細菌やウイルスが肺に入り込んで起きる肺の炎症だ。症状はせき、たん、発熱などが多いが、免疫が低下している高齢者では、発熱など典型的な症状が起きないことも多い。

 数多くある肺炎の病原体のうち、最も多いのが肺炎球菌だ。肺炎全体の約3割を占める。戦前、肺炎は日本人の死亡原因のトップだったが、戦後にペニシリンなどの抗菌薬が普及して死亡数は減った。だが、1980年以降は再び増加に転じた。2011年には、がん、心臓病に次いで死因の3位となっている。また肺炎死亡者の96%は65歳以上の高齢者だ。

 国立病院機構東京病院(東京都清瀬市)の永井英明外来診療部長は「抗菌薬は菌を抑えながら、患者自身の体力で回復するのを待つ薬だ。免疫が低下した高齢者に抗菌薬を使って、体力が回復するまでもつかどうかが問題。高齢者はワクチンによる予防が必要」と話す。

 日本で承認された肺炎球菌ワクチンには成人用と小児用があり、成分が違う。成人用肺炎球菌ワクチンは、90種類以上ある肺炎球菌の型のうち23種類に効く。肺炎を起こす肺炎球菌の8割をカバーする。

 小児用肺炎球菌ワクチンは、免疫反応が成熟していない乳幼児でも、ウイルスへの抵抗力が十分につくように開発された。現在は13種類の型に効くタイプが使われていて、予防効果は比較的長く続く。一方、成人用ワクチンは5年ほどで予防効果が下がるため、再接種が必要だ。

 今年10月から予定される定期接種の対象は65歳と、60歳以上65歳未満で心臓などに障害のある人。経過措置として2018年度までは70歳以上の5歳刻みの年齢の人も対象となる。

 ●ワクチン接種で効果

 国立病院機構三重病院(津市)の丸山貴也医師らが高齢者施設入所者を対象にした研究では、ワクチン接種者は未接種の人に比べ、肺炎球菌が原因の肺炎の発症が63・8%も減り、肺炎球菌以外の原因も含む肺炎全体でも44・8%減ったという。

 さらに肺炎球菌への感染で気を付けねばならないのが、インフルエンザの流行時期だ。インフルエンザに感染すると、鼻などの気道の粘膜が傷つき、肺炎球菌に感染しやすくなる。世界的に大流行したインフルエンザ「スペイン風邪」(1918年)のように、インフルエンザの流行によって多くの人が亡くなるのも、インフルエンザ後にかかる二次的な肺炎が原因だ。

 日本呼吸器学会は、高齢者に対しては、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチン、2種類のワクチン接種を勧める。

 定期接種が実施されると、医療費の削減効果も期待される。厚生労働省研究班の試算によると、ワクチン接種後の医療費は、通常の肺炎治療をした場合と比べて年5115億円も削減できるという。

 ●重要な口腔ケア

 肺炎の予防では、高齢になって食事の量が減ることによる「低栄養」や、食べ物や唾液が気道に入って細菌感染を起こす「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」への注意が必要だ。

 誤嚥性肺炎の防止には、普段からの口腔ケアが重要だ。歯磨きに加え、舌や内ほおをブラッシングすることで口の中の細菌を取り除き、肺炎のリスクを下げる。「口腔ケアをきちんとすれば、肺炎の発生率を約4割減らせる。口の中を刺激することは、せきやのみ込み機能の低下を回復させる効果もある」と永井さんは話す。【

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