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【高知】唇裂・口蓋裂の治療連携のために診察手帳を作製

胎児の段階で唇や上顎がくっつかないまま生まれる「唇裂・口蓋(こうがい)裂」。複数の診療科が携わる治療の方針を共有し、連携を深めようと、高知県内外の医師らでつくるグループ「高知口蓋裂カンファレンス」がこのほど、診察手帳を作製した。

 唇裂・口蓋裂は約500人に1人の割合で生まれるとされている。通常は生後3カ月ごろに唇裂の手術、1~1歳半ごろに口蓋裂の手術を実施。成長に合わせて歯並びなどを治療するほか、口蓋裂の子どもの一部は言語訓練が必要になる。

 総合的に治療できる施設のない高知県では、高知口蓋裂カンファレンスの医師や歯科医師、言語聴覚士、臨床心理士らが毎年、療育相談会を開き、チーム医療を行っている。この連携をさらに広げようと、新たに手帳を作製した。

 B5判36ページ。診察や相談、支援を行った担当者がその日の内容を記録し、他科への連絡事項を書き込む。言語訓練の状況も記録する。「生命(いのち)の基金」の助成を受けて200部作製し、無料で配布している。

 事務局を担当する大崎聡さん=土佐市高岡第一小学校「ことばの教室」教諭=は「どの科でどんな治療をしているのかを普段から把握できる。保護者も手帳を読み返すことで、わが子の成長を実感できるのでは」と話している。

▼12月1日に相談会

 県立療育福祉センター(高知市若草町)などが主催する唇裂・口蓋裂の子どもの療育相談会が、12月1日午前8時半から同センターで開かれる。参加無料だが、11月22日までに予約が必要。申し込み、問い合わせは高岡第一小、大崎教諭(088・852・3356)へ。

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