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水素水に歯周病予防の可能性。全身の抗酸化力アップに効果。

水素水の摂取に歯周病を予防する効果があるとの研究結果が、ラットを使った実験で確認された。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授らのグループによる、世界で初めての証明となる。今回の研究では、歯周病を惹起させたラットを2群に分け、一方に蒸留水、もう一方に水素水を摂取させた。結果、蒸留水を与えたラットでは、経時的に血液中の活性酵素の濃度が高まったものの、水素水を与えたラットでは、血液中の活性酸素の増加を抑えることを確認。さらに、水素水を与えたラットの歯茎の組織を観察したところ、蒸留水を与えたラットに比べて歯周病の進行が抑制されていることが確認されたという。これまでの研究で、歯周病の進行に活性酸素が関わることが知られており、今回の実験によって、水素水の摂取に伴う活性酸素の減少が、歯周病の進行を予防した可能性を示したことになる。成果は、欧州の歯周病専門雑誌「Journal of clinical Periodontology」に掲載された。
 現在、歯周病予防は歯磨きや歯石除去など、口腔内で行われているが、本研究の成果は前進の抗酸化力を高めることもまた、歯周病の予防に効果的であることを示唆。日本人の成人の80%が歯周病または予備軍といわれる昨今、その新しい予防法の可能性に期待したい。

思い切って話してよかった!

Sさんが口腔ケアを担当している、脳梗塞の既往がある60代の男性患者さん。
現在は、糖尿病性腎症を患い人工透析を受けています。その患者さんの口腔内は、
歯周病が進行して、歯肉が腫れている状態。ただでさえ感染に対する抵抗力が弱
いので、できるだけ口腔内の細菌を減らす必要がありました。
 ところが、奥さんが持参したのは、ホテルや旅館においてあるアメニティグッ
ズの歯ブラシだったのです。

「この歯ブラシは毛先が硬い。患者さんの歯肉に当てたら、傷ついて出血してし
まうかも……」

 そう思いながら、歯肉になるべく当たらないように歯をちょこちょこ磨くSさ
ん。心のなかは迷いでいっぱいでした。「この磨き方だと、汚れがちゃんととれ
ない」と。悩んだ末、Sさんは勇気を振り絞って、奥さんにこう言いました。

「この歯ブラシだと毛先が硬くて、ご主人のお口のなかを傷つけてしまうかもし
れません。そして、今はご病気で、感染に対する抵抗力が弱い状態です。お口の
なかの細菌を減らすためにも、しっかり磨ける毛先の軟らかい歯ブラシが必要で
す。お手数ですが、下の売店で買ってきていただけますか?」

 それを聞いた奥さんはハッとした顔をして、すぐに歯ブラシを買ってきてくれ
ました。そして安堵したような表情で、「歯ブラシってなんでもいいわけじゃな
いのね。教えてくれてありがとう!」と言ったそうです。

 その後、数日で患者さんの口腔内は見違えるように改善され、奥さんの表情も
ニッコリ。
 Sさんは、「思い切ってお話してよかった。きっと私と同じように遠慮して言
えない方もいるかもしれません。もしそういう人がいたら、何も迷う必要はない
って伝えてあげたいですね」と微笑みながら話してくれました。

 奥さんと、患者さんに“健康になってほしい”と思うSさんの気持ちは同じ。
それを叶えるために、一人ひとりに合った口腔ケアグッズを提案するのはとても
大切なことなのです。

親知らずで歯の神経再生。歯髄幹細胞移植の臨床研究へ。

虫歯の治療で抜いた歯髄を再生させるため、親知らずなどから取り出した歯髄幹細胞を移植する臨床研究の実施を厚生労働省科学技術部会が承認。近く厚生労働省が正式承認する。申請していたのは、国立長寿医療研究センター(愛知県)と愛知学院大の研究グループ。20歳以上55歳未満の患者5人を対象に治療効果を確かめる。虫歯が進むと歯髄が炎症を起こして激しく痛む。歯髄を抜いて詰め物をすれば痛みを感じなくなるが、虫歯の再発に気付きにくくなったり歯と詰め物の間に細菌が繁殖したりし、歯の寿命が短くなる恐れがある。計画では、親知らずなど不要な歯を抜いて歯髄の中にある幹細胞を採取、約6週間培養して数を増やす。その後、穴を開けて歯髄を抜いた虫歯の中に、幹細胞とともに歯髄の再生を促す薬剤やコラーゲンを注入し、セメントなどで穴をふさぐ。成功すれば、移植した幹細胞が神経や血管をつくるタイプの幹細胞を歯の根元側から少しずつ引き寄せ、約1ヶ月で歯髄がほぼ完成する。

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