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全身の健康にかかわる唾液 虫歯防ぎ消化助ける働き

私たちが普段「つば」と呼んでいる唾液(だえき)は、どちらかというと汚いものや嫌なものというイメージでとらえられがちですが、”食べ物を飲み込むための水分”という以外にも全身の健康にかかわるさまざまな役割があります。
 まず第一に虫歯を防ぐ働きです。歯の表面のエナメル質は歯垢(しこう)と呼ばれる細菌のかたまりが作り出す酸によってわずかずつ溶け出して虫歯が始まるのですが、唾液は酸を中和して中性に戻すため、溶け出したエナメル質を再び表面に定着させるのです。唾液が少ないと、酸が中和されずに虫歯が
進行して元に戻らなくなってしまうことになります。次に消化を助ける働きがあります。口の中で食べ物を細かくくだき、唾液とよく混ざり合った状態で飲み込むことで、食道や胃の粘膜をさまざまな食物が持っている刺激から守っています。逆によくかまずに飲み込んでいると胃腸に負担をかけることに
なります。
 その他唾液には、口の中の汚れを洗い流して口臭を予防する働きや発ガン物質の働きを抑える力があることが分かっています。また最近では、唾液中のホルモンの働き
によって、全身のあらゆる細胞の新陳代謝を活発にすることが分かってきました。
                福島民友 2010.9.20

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