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『楽しい国 日本』の発信

観光庁と日本政府観光局は、このほど、全世界規模での訪日促進のための
「Enjoy my Japan」グローバルキャンペーンを開始すると発表しました。

 2012年に836万人だった訪日外国人旅行者数は、5年間で約3.5倍に増え2017
年は過去最高の2,869万人を記録。また、訪日外国人旅行消費額も4.4兆円とな
り、初めて4兆円を突破しました。
 2017年の訪日外国人旅行者数のエリア別内訳は、近隣のアジアが全体の84.8
%を占めている一方、所得水準が高く成熟した観光市場を擁する欧米豪諸国か
らの旅行者の割合は11.3%と限られており、更なる拡大の余地が存在します。
 そこで本キャンペーンでは、特に欧米豪の海外旅行には頻繁に行くが「日本
を旅行先として認知・意識していない層」をターゲットに、動画等を用いて消
費者の個々の興味関心に対応する情報を発信することで、「日本が、誰もが楽
しむことが出来る旅行目的地」であることをアピールしていこうとするものです。

 なぜ日本を旅行先として検討しないのかについて、ドイツ、英国、フランス、
米国、カナダ、豪州の6カ国で市場調査を行なったところ、「日本は独自の文
化があり、重要な国ではあるものの、海外旅行先としては富士山と桜と神社仏
閣だけの退屈な国で、わざわざ高い旅費と時間をかけて訪れるほどの魅力がな
いと考えている人が多い」ことが分かりました。
 また、日本側の情報発信を見ると約70%が歴史と文化のジャンルだったとい
うことです。それらももちろん大切ではありますが、ビーチや渓谷など、海外
に知られていない日本の魅力はたくさんあり、それを旅行へのモチベーション
が高い外国人にもっとアピールしていく必要があります。
 そこでまず、外国人のモチベーションを「7つのパッション(興味関心)」
にカテゴライズしました。7つのパッションとは、「Tradition(伝統文化や歴
史的遺跡・建築などを楽しむ)」「Cuisine(食事やお酒を楽しむ)」「City
(大都市の刺激、エンターテインメントを楽しむ)」「Nature(豊かな自然を
楽しむ)」「Art(アートやデザインを楽しむ)」「Relaxation(リゾートや
宿泊施設での滞在を楽しむ)」「Outdoor(アウトドアアクティビティを楽し
む)」です。
 これら7つのパッションそれぞれについて、外国人モデル(カップル、家族、
中高年等)が、日本各地で様々なアクティビティを楽しむ様子をまとめた「コ
ンセプトムービー」、「アクティビティムービー」等を作成しました。これら
を活用し、ドイツ、英国、フランス、米国、カナダ、豪州を皮切りに、YouTube
やソーシャルメディア、現地テレビなどを通じて、消費者のパッションに対応
する広告を大規模に展開して行くのが、今回のキャンペーンです。

 従来の典型的なイメージには留まらず、豊かな自然、アウトドアアクティビ
ティ、日本食に限らない食の魅力、伝統芸術に加え世界から注目される現代アー
トなど、多様性に富んだ誰にとっても「楽しい国日本」を欧米豪諸国の方に興
味を持っていただき、訪日外国人旅行者数が増えることを期待します。

口腔がん、AIで判別~阪大チームが開発へ

口腔がんを人工知能(AI)で判別するシステムの開発に、大阪大歯学部のチームが乗り出した。口腔がんは初期の病態が口内炎と似ており、気付くのが遅れるケースがある。

 チームは2年後の完成を目指しており、歯科医院に導入して早期治療につなげたい考え。

 チームの平岡慎一郎 助教(口腔外科)らは、AIが大量の画像から自動的に特徴などを探し出す「ディープ・ラーニング(深層学習)」の技術を応用し、口腔がんや類似する症状の画像5,000~1万枚程度を学ばせ、自動的に口腔がんを見分けるシステムを作るという。

 開発したシステムは歯科医院などでの診断支援に使う。将来的には患者個人が画像を撮影・送信することで早期判別につながる仕組み作りも検討している。

(YOMIURI ONLINE yomiDR.2月13日 より)

風邪に抗生物質、使わない病院に報酬~耐性菌の抑止策

厚生労働省は誤った使い方によって薬が効かなくなる「耐性菌」の広がりを抑えるため、医師が乳幼児の風邪や下痢に抗生物質を使わずに適切な説明をすれば、医療機関に報酬を支払う新たな仕組みを設け4月からの診療報酬改定に盛り込む。

 国内でよく使われている抗生物質には、セファロスポリン系のフロモックスやフルオロキノロン系のクラビット、マクロライド系のクラリスなどがある。

 肺炎などを引き起こす細菌を壊したり増えるのを抑えたりするが、ウイルス性の風邪やインフルエンザには効かない。

 厚労省によると、2015年に全国の病院で見つかった黄色ブドウ球菌の48.5%が耐性菌だった。厚労省はこの割合を20年に20%以下とする目標を掲げ、17年には抗生物質適正使用の手引を作り軽症の風邪や下痢に使わず、細菌感染が疑われる重症例に限るよう勧めている。

 4月以降、風邪や下痢で初診の3歳未満に、手引に基づき抗生物質が不要と医師が判断した場合に病院や診療所側に800円が支払われる。

 患者側は2割(未就学児)を支払う。病院内で抗生物質を適正に使うよう教育したり、耐性菌の発生率を調べたりする医師、薬剤師らのチームを設置した場合の報酬も新たに設ける。

(朝日新聞DIGITAL 2月17日)

唾液と表情からストレス判定、閉鎖環境で実験

資生堂と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は20日、閉鎖環境への滞在により、唾液中のストレスホルモン(コルチゾール)の日内リズムが乱れ、表情のゆがみ度が増すことを見いだしたと発表した。国際宇宙ステーション(ISS)を模したJAXAの設備で共同研究を行った。唾液と表情変化から、自身でストレス度を簡便に評価できる可能性につながるとみている。研究成果を生かし、資生堂はストレスが肌・体に与える影響に対応したトータル美容の開発、JAXAは宇宙飛行士のストレス評価手法の確立を目指す。

 JAXAでは、宇宙飛行士自身が簡易的・自律的にストレス状態を知るための指標を検討している。今回の研究はその一環として、実験条件を高度に統制できる筑波宇宙センターに設置された閉鎖環境適応訓練設備で実施した。資生堂はストレスと肌・免疫に関する知見を基に研究に加わった。

 ストレス評価指標の一つに用いたコルチゾールは日内リズムがあるとされ、実験では1日4回唾液を採取。閉鎖設備滞在直後と退出前日にリズムが乱れ、ストレス負荷度が増したことが分かった。設備退室後には滞在前の状態に戻っていたという。

 さらに、被験者が自身の顔を撮影することで表情の左右対称性などからゆがみの評価も行った。滞在中は通常時に比べ、ゆがみ度が有意に増していた。

 両者ではストレスを簡便に測定する手法は宇宙環境にとどまらず、日常生活への応用が期待できるとみている。資生堂では笑顔をカメラ機能で撮影・認証・数値化するアプリを展開中で、まずは表情のゆがみによるストレス判定も新たな機能として加えたい考え。

口内炎と間違えやすい口腔がん、AIで判別…阪大チームが開発へ

 舌や歯茎などにできる口腔がんを人工知能(AI)で判別するシステムの開発に、大阪大歯学部のチームが乗り出した。口腔がんは初期の病態が口内炎と似ており、気付くのが遅れるケースがあるという。チームは2年後の完成を目指しており、歯科医院に導入して早期治療につなげたい考え。

 口腔がんは舌や歯茎、頬粘膜などにでき、リンパ節や肺に転移することもある。だが、専門知識を持たない医師や歯科医師だとがんに気付かず、舌や顎の骨の切除が必要になるまで進行してしまうことが少なくなかった。チームの平岡慎一郎助教(口腔外科)らは、AIが大量の画像から自動的に特徴などを探し出す「ディープ・ラーニング(深層学習)」の技術を応用。口腔がんや類似する症状の画像5000~1万枚程度を学ばせ、自動的に口腔がんを見分けるシステムを作るという。

 開発したシステムは歯科医院などでの診断支援に使う。将来的には患者個人が画像を撮影・送信することで早期判別につながる仕組み作りも検討している。

歯ぎしり軽減にボトックス治療が有望

寝ている間の歯ぎしりや食いしばりといった症状は、頭痛や顎関節症の原因となるほか、歯にもダメージをもたらすことがある。こうした症状の軽減に、A型ボツリヌス毒素(ボトックス)を頬に注入する治療が有望であることが小規模なランダム化比較試験(RCT)で示された。詳細は「Neurology」1月17日オンライン版に掲載された。

 このRCTは米ベイラー医科大学神経学教授のJoseph Jankovic氏らが実施したもの。同氏によると、この治療は頬から咀嚼筋(咬筋と側頭筋)にボトックスを注入することで咀嚼筋を収縮させる信号を遮断し、歯ぎしりや食いしばりを軽減させるというもの。RCTの実施にはボトックスを製造するアラガン社が資金を提供した。

 対象は、ポリソムノグラフィーと呼ばれる睡眠検査で睡眠中の歯ぎしりが確認された18~85歳の男女22人。まず研究室に一晩、宿泊してもらい、歯ぎしりや食いしばりの症状の程度を確認した。

 次に、対象者のうち13人には頬から咀嚼筋にボトックスを注入し、残る9人には有効成分が含まれていないプラセボを同様に注射した。その4~8週間後に再び全ての対象者に研究室に宿泊してもらい、歯ぎしりなどの症状を評価した。

 その結果、全般的な症状の改善がみられた患者はプラセボ群ではみられなかったが、ボトックス治療群では13人中6人に「大幅」または「極めて大幅」な改善が認められた。さらに、対象者に症状や痛みをそれぞれ0~100点(50点が変化なし、それより点数が低いほど悪化、高いほど改善)で評価してもらったところ、プラセボ群では症状スコアは平均47点、痛みのスコアは同42点で改善が認められなかったのに対し、ボトックス治療群ではいずれも平均65点で症状や痛みが軽減したことが示された。

 なお、ボトックス治療による重篤な副作用は認められなかったが、ボトックス治療を受けた患者のうち2人から、笑顔になった時の印象に変化があったとの報告があった。しかし、こうした変化は数週間後には消失したという。

 Jankovic氏によると、歯ぎしりや食いしばりに対する現行の治療法としてはマウスガードの使用が挙げられるが、歯へのダメージは回避できるものの歯ぎしりそのものを抑えることはできない。また、行動療法や薬物療法も検討されているが、臨床試験では検証されていないか、検証されていても一貫した結果が得られていないという。今回の研究でボトックス治療の有望性が示されたことから、同氏は今後、同治療が治療選択肢の一つになりうるのではないかとの見解を示している。

 しかし、今回のRCTの結果を受け、米ニューヨーク大学歯学部のKaren Raphael氏は「歯科の問題がなく、症状は歯ぎしりだけの場合に治療が必要なのか疑問だ。また、RCTの対象者は顔面の痛みと歯ぎしりがあることを訴えていたが、実際に顔面の痛みが歯ぎしりによるものなのかどうかは明確には分からない」と指摘。その上で、「ボトックス治療によるベネフィットが期待できる病態」として顎関節症候群を挙げている。

認知症と歯周病の切っても切れない関係

日本人口の内、65歳以上の方が占める割合が27%を超え
日本は超高齢社会になりました。
65歳以上の方のうち認知症患者の占める割合は7人に1人といわれます。
そして認知症の最大の危険因子は加齢です。
ですが、加齢以外にも認知症を発症させる危険因子はたくさんあり、
歯周病もその一つだということが分かってきました。
そもそも咀嚼をすることで脳の活性化に繋がることは広く知られていますが、
アルツハイマー病は脳(海馬等)にアミロイドβタンパクが溜まり、
脳神経細胞を死滅させるため、記憶障害などの認知症状が現れる病気です。
アミロイドβタンパクは歯周病が慢性化することにより、
脳内に影響を及ぼし、アミロイドβタンパクを増加させるため、
認知症を悪化させると考えられます。

また、歯周病菌の1つジンジバリス菌(Pg菌)の菌体成分リポ多糖が
アルツハイマー様病態の原因酵素(リソソーム酵素カテプシンB)
を誘発することも分かっています。

つまり、歯周病の治療や口腔ケアによる歯周病菌の減少により
アルツハイマーの発症リスクを下げることが可能ということが考えられます。

ちょっと気になる!≪猫の舌のざらざら

猫に舐められたことはありますか?
猫の舌は表面がざらざらとして、独特の感触があります。
舌に突起・・・糸状乳頭がびっしりと並んでいるからです。
この糸状乳頭が毛づくろいの時のブラシ替わりや
食事の時のスプーン替わりになります。

人間には4つの乳頭があり、糸状乳頭以外に味を感じる
味蕾(みらい)細胞が存在します。
1.有郭乳頭・・舌の一番後方に位置し、10個前後の乳頭が存在します。
2.葉状乳頭・・舌縁部の位置し、味雷細胞が沢山存在します。
3.茸状乳頭・・舌背部(舌の表面)に位置し、1~3個しか存在しません。
4.糸状乳頭・・舌背部全体に位置し、舌にある乳頭の中で一番数多く存在します。
       但し、味雷細胞が存在しません。

噛むことにより唾液が分泌されます。
唾液に溶けた食物の味物質が味蕾を刺激し、
味覚中枢に伝達されて味を感じる仕組みになっています。

猫の舌の中央には糸状乳頭が沢山存在し、
その糸状乳頭には味雷細胞がないので味を感じません。
でも、茸状乳頭も存在しているため、苦味、酸味、塩味を感じることは出来ます。
腐ったお肉などを食べないよう苦味に敏感になっています。

▼参考:舌の構造と機能訓練
https://k.d.combzmail.jp/t/sw0d/h0ee8iq0st1fnzg3zaYNb

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